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『彩夏と友達になりたいけど私の癖がじゃまをする!件』 その11話 私は櫻子

新章ではないですが次の主人公は岸野櫻子です。先に完結した『近所に~』とこの『彩夏と~』の話は要所要所で重なったり繋がったりします。よろしければ読み返したりしながら楽しんでいただければと思います。

私の名前は岸野櫻子、小学校六年生。父と母との三人家族。お父さんは、優しくて背が高くてスーツが似合う超イケメンのサラリーマン。お母さんは元モデルで高身長でナイスボディの美人さん。でもチョット天然が入っている。そんな私も自分で言うのもなんだけど、二人に似て高身長、小顔で長い髪が似合う結構いけてる女の子(と自分では思っている)


私たち家族は去年の三月、ここに家を新築して引っ越してきた。引っ越して来る前は、ほぼ街の中心にあるマンションの11階に住んでいたけど、お父さんがずっと前から車とバイクが置けて自分で触れるガレージ付きの家に住むのが夢で、私の習い事や転校の事とか色々問題もあったけど、家族で沢山話し合いその結果、今より広い家に住めて、街中に住むよりも環境が良くなるのならとの結論に達し、ここに家を建てる事になった。


前の小学校は、街の中心にあったせいか、ちょっと裕福なお坊ちゃまやお嬢様系の友達が多かった。そんな友達の興味は高級ブランドの洋服やバック。話す話題は習い事のバレエやバイオリンの話とか、正直私はあまり興味がない話ばかり。


私が興味はアニメ。私はアニメが大好き!『キャンディキャンディ』『セーラームーン』『おジャ魔女どれみ』等々、おばあちゃんが子どもの頃に見ていたアニメを、小さかった子どもの頃に一緒にビデオで見てもう夢中になった。因みに私の推しアニメは『夏目友人帳』! で推しキャラは『ちょび』! 顔がでかくてちょび髭が超可愛い!


でも周りの友達はアニメなんて全く興味がなかった。一度だけそれとなく会話の流れからアニメの話をしてみたけど、皆に『はぁ?』みたいなリアクションを取られてしまい焦った事があった。それからと言うもの、仲の良い友達の前ではアニメの話を封印した。だから同じクラスでアニメの話をしているグループの子達がすごく羨ましかった。


しかしこの転校はいいチャンスだった。習い事のバイオリン(先生が怖い)とバレエ(マジきつい)と乗馬(馬可愛い!)教室が近所にないので話し合いの結果、泣く泣く(笑)辞めることになった(やったぁぁ!)習い事地獄から解放された私!これで新しい学校では友達沢山作って、アニメの話をいっぱいするぞ!ってとても楽しみにしていた。


だけど転校して私を慕って集まってきてくれたのは……また同じようないい所のお嬢様達。でもちよっと違う所があって。それは前の学校の友達と比べて性格が少こぉぉしひねくれている。(自分はこんなにひねくれてない……多分)でも転校してきた私に一番に声を掛けてきてくれて、そしてこんな私を自分たちのグループに入れてくれた最初の友達。本当は優しい子達なんだけどなぁ……人の悪口をヒソヒソ話(どっかのおばちゃんみたいで見苦しい)なんて思っていてもとても言えないし……しかも私を中心にしないでくれ! 


向こうではそれらしき女の子達がアニメやアイドルの話で盛り上がっている。私もそっちに行きたい! 誰か誘って!




【彩夏と初対面(私の悪い癖】


私の家のご近所さんは全部で七件だ。そしてこれは引っ越して最初にご挨拶に行った時の話。お母さんからその中の一軒に私と同級生がいると聞いていた。その子は女子でしかもお母さんは保育園の先生と言う事だった。私の将来の夢は保育園の先生になる事だ(なのでピアノだけは続けている)私が保育園の時に担任だった先生みたいに私もなるってずっと夢みている。だから先輩保育士(勝手に思っている)のお母さんに会えるのをとても楽しみにしていた。お父さんが仕事から帰ってくるのを待って夕方、一軒一軒ご挨拶に回る。そして最後に同級生が住む家を訪ねた。表札を見る、


「まつかね?まつがね?どっちだろ?」


『ピンポーン』お母さんがチャイムを鳴らす。


「はぁい」


家の中から返事が返って来る。『ガチャ』っとドアが開く。そこに小柄で笑顔が可愛い優しい感じのお母さんがドアの後ろから出てこられた。それと、その後ろに、にこやかなお父さん。お母さんの後ろに恥ずかしそうに隠れているのは弟君かな?そして私はそのお母さんに注目した。


(この方が保育園の先生かぁ私の大先輩!)


私たち家族がご挨拶をすると


「こちらこそ!どうぞよろしくお願いします!」


と声までかわいい。するとお母さんが私に、


「櫻子さん、娘呼ぶからちょっと待ってね!彩夏ぁちょっときてぇ!」


(同じ年の子、彩夏って名前なんだ……)


「はぁい」『トントントントン』


二階から降りてきた彩夏と初対面。笑顔が可愛いショートカットの女の子、お母さんに似て声も可愛い。身長は私がちょと、いや、ちよっとちよっと高いかな。そして彩夏が満面の笑みで私の目を見つめて挨拶をした。


「松金彩夏です!よろしくね、櫻子さん!」


(きゃぁなに、この爽やかさ!凄い煌びやかな笑顔!可愛い!可愛すぎる!私も負けずに、にこやかに……)と思ってはいたもののそこで私は体を斜めに構え、くいっとアゴ上げて……


「よろしく……」


(うわぁ何やってんの私ぃ!)


緊張するとこんな態度になる私の悪い癖だ。右斜め四十五度の上から目線で挨拶、しかも私は身長が高いから余計高圧的に見えてしまう、特に初対面の時には気を付けるようにしていたのに諸に出てしまった。お母さんも初対面の彩夏にいきなり『かわいいぃ』とか言ってるし!あっちのお母さんと彩夏の顔、完全に引きつってたよ。またやってしまった私。あぁぁあ。

 

そして次の日の朝、初登校だから彩夏が一緒に学校へ行ってくれるという事だったので、約束の時間にちょっと(かなり)早いけど学校の準備を終わらせて玄関で鏡を見ながら挨拶の練習をする。


(昨日のことがあるからどんな顔して挨拶したらいいのかなぁ)


「おは、おはよ、おはよう……ございます、おはおはおはよ……」


だめだ、緊張でもうすでに口が動かない。こんな私をよそにお母さんがニコニコしながらこっちを見てる。


「さくらこぉ、がんばれぇ」


力が抜けるからあっち行ってほしい。そして『ピンポーン』(きた!)大きく息を吸って『ガチャ』と戸を開ける。頭を上げて彩夏の顔を見る。すると昨日と同じ満面の笑みで、


「おはよう櫻子さん!ごめんね、待った?」


(きゃぁ!!か、可愛い!!わわ、私もおはようと返すんだ)


でも恥ずかしさと緊張で口が動かない。それどころか彩夏の顔を『ジッ』と睨んで逃げ出してしまった。学校に着くまでせっかく何度も話しかけてくれたけど、私ったら早足で逃げるように歩いてる。恥ずかしすぎて彩夏の顔が見れない。またやってしまったよ『何こいつっ』ってまた絶対思われた。あぁぁあ。


       

       いや!諦めない!絶対彩夏と仲良くなる!と思いつつ続く!


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