表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

カレがこたつならよかったのに

作者: しろかえで

今日は“ほろ苦”のしろかえでです(*^。^*)

 長い冬を乗り切るのには暖房器具が必須だ。


 でも私のアパートのエアコンは備え付けの古びた物で、ロクに利きもしないのに消費電力が高く、よって電気代もバカ高く……冬の暖房には到底使えない!!

 さりとて石油ストーブは臭いし、そもそも近くに灯油を売っているところが無い!!

 ガスファンヒーターは1台あるがガス栓は台所にしか無く、設置場所までは距離があってホースで動線が遮断され、うっとおしい。

 それらの結果、文字通り身を分けるのも嫌になる位に切っても切れないコタツとの蜜月が私の冬の定番だった。


 コタツに胸の辺りまでドップリ浸かっても用が足せるように、テーブルの上にスマホ、パソコンと仕事の資料、身の回りには本や雑誌、はたまたポットにみかん、チョコビスケットなどなど……ずらりと並べて“城壁”を作る。

 たまに“自然が呼ぶ声”が聞こえても……『コタツを出ようか我慢しようか』とウダウダしている間に寝入ってしまう事も多々ある“コタツジャンキー”の出来上がりだ!!


ところが今年の冬は様子が変わった!!


私に“カレ”ができたのだ!!


 カレシ・カノジョとなって程なく……私の棲息拠点がカレのマンションに移り、冬本番の頃には私の部屋は無人の冷え切り状態となっていた。

 自分の部屋の温度が下がるのに反比例して“カレとの幸せ”の温度が上がる。

 そして私自身も“こたつむり”から脱してダイエットに励み、多少は小ぎれいになったと思う。

 カレの家は購入して間がない新築のマンション……採光の良い広々とした最新のペニンシュラキッチンでカレの為に料理をする……

そんな私は否応も無く舞い上がり、気分は新妻!!


 カレとの食事が美味し過ぎてリバウンドするのが怖いから、カロリー消費の為にも“カレとのエクセサイズ”の他にクルクルお掃除に勤しんだ。


その結果見つけてしまった“痕跡”たち……


 どうやらカレは“綺麗な子たち”が大好きで……その子たちとの痕跡を消す為に“キレイ好き”だった様だ!! でも所詮、オトコの目から見た掃除なんて“抜け”がある!!


 隅々までキチンと掃除をやり終えた私は“発掘”したそれらの痕跡と貰った全てのジュエリーを真っ白広々のカウンターの上に並べ置き、キャリーバッグに荷造りしてマンションを出た。仕上げにメールボックスへ鍵を放り込んで……


 久しぶりに自分のアパートに帰って来ると、呆れるほど狭い部屋はキンキンに凍り付いていてエアコンだのガスファンヒーターだのフル稼働させた。


 シュンシュン沸いたお湯を蓋を半開きさせたカップ麺に注いでファンヒーターのガスホースをひょいと跨いでコタツへ辿り着く。


出来上がりの3分を待つ間、両手はコタツの中へ避難。


幸せを掴んだかの様に思えたこの手は……今は空虚に悴んで(かじかんで)、ただ縮こまっている。


 思えばカレは……最新のエアコンの様な人。


 スマートでとても居心地が良かったけど私の事をずっしりと包んではくれなかった。

今、手の中にじわじわと伝ってくる懐かしい温もりが

私にたった一回のため息と一粒の涙を落とさせる。


あああ!


カレが“コタツ”だったら


良かったのに!!


まーとんでもないオトコですね"(-""-)"




ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!<m(__)m>


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  まぁそんな方もいらっしゃいますよね~。  どこまで許容できるかにもよりますが、無理なものは無理なので、致し方無いです。 [気になる点]  こたつ温いっす。 [一言]  拝読させていただき…
[一言] コタツな彼氏を見つけてね!  (๑•̀ㅂ•́)و✧
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ