表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

恋愛は、男は未練、女は上書き、といいますね

「男って、女々しいよな。別れたのにもう連絡してくるなって、ボケ」

「それな」

女性たちが愚痴をこぼしている。それは男が嫌いなギャルたちだった。カフェのアイスコーヒーがまずくなる。

あの親の遺伝を無視したキラキラ金髪にピアスの数々、下品な口調が癪に障る。何よりも癪に障るのは、あの中に元カノが含まれることだ。高校を出てから2年、久しぶりの出会いが色々と気まずい。

中学で一年だけ付き合ったが自然解消した。その相手がたまたま入ったカフェで再会したのだ。互いに目を見開いた、が、素知らぬふりした。

ラインで連絡を取り合い、その後に立ち会った。マクドで男は女性と少し会話した。やはり昔のギャルになる前の方が好みだった。

男がそれを言うと、女性は昔の面影がない豪快な笑い飛ばしを披露する。かつては口を押さえた手が肩をバンバンと叩くことに使われる。いつまでも過去を引きずるな、とハッパをかけた女性は後腐れなく颯爽と去っていく。

翌日、家の近くでたまたま再開した。偶然は重なるものだと男は感心した。女性と男は違う高校に通っているので、互いに会うことがなかった。

男は女性に根掘り葉掘り質問した。学校はどうだ? 友達はいるか? ポケモンのゲーム実況は見ているか?

女性は快活に笑いながら答えていく。聞いてもいない彼氏の話までする。男はいまだに付き合った人数は1人だった。

その日の下校、電車の中でも再会した。ここまで来ると驚くよりも怖くなった。女性も「引くわー」と苦笑いする。

男は今朝に話せなかったことを質問する。または、今日の学校での出来事を質問する。女性は、自分に興味があるのかとニヤニヤ意地悪な口角を上げる。

翌朝も再開した。男はさすがに眉をひそめた。もしかして自分に会いに来ているのか?

その質問に対して女性は肯定した。理由は、からかうのが楽しいかららしい。しかし、恋愛感情はないから深く考えるなと鼻をつつかれた。

あっけらかんと認められたことに呆気にとられた男だった。男なりに決心が重かったから、拍子抜けがちり紙でした。無思考に登校します。

それ以降、登下校が常に一緒になります。更には学校がない日も。「彼氏は?」と質問すると「いつの?」と返答が来ます。

その日は夜の営みが激しかった。中学の時にはしていなかったので、男にとっては初めてだった。女性の股からは血が流れていた。

男は質問した。女性は返答を濁した。男は深追いをやめた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ