4:ヤクうどん一丁!
『銅貨300枚とか持ち運べないのでは?』というもっともなご指摘を受け、
焼きそばの値段を、銅貨300枚から3枚に修正しました。
銅貨一枚=1円を考えていたのですが、一枚100円ということで。
また袋に入った焼きそば、ナマ麵ではなく蒸し麺だそうでそこも修正しました。すみませんでした。
心を改めたので、今日から実質初投稿です!
「――ふわぁぁぁぁ……! 『悪徳都市ベリアル』生活、どうにか二日目を迎えれたぞぉ……!」
悪の都にやって来た翌日。僕は簡素なベッドの上で目を覚ました。
ここはチンピラさんの一人に紹介された宿屋だ。屈強な店主さんが切り盛りしていて、強盗の類は一切許さずブチ殺すから安心して泊まれる場所なのだという。こわいよぉ……。
「昨日だけでもだいぶ稼げたから、宿代はしばらく問題なしだね。それに、ギフトのレベルアップが2回も出来ちゃったし……!」
お客さんが25人と50人を突破した時点でレベルが上がった。
戦闘系のギフトは人を倒すほどレベルが上がるんだけど、どうやら『異世界料理人』は、お店を守ったりお客さんが来るほど強化されていくみたいだね。
「2回分の能力強化、どうしようかなぁ。とりあえず一度目は“食材召喚能力”を強くしようかな?」
元々は調味料しか出せなかったけど、一度強化したことで『冷凍うどん』と『蒸し麺』を出せるようになったんだよね。
僕はステータス画面を表示させると、さっそく能力の項目をいじることにする。
「次は……よし、『出汁類』を召喚できるようにしよう。異世界知識によると、これで美味しいうどんが作れるようになるとか!」
あったかくて落ち着く味がするんだってね。
ジャンキーな味の焼きそばとおうどんで、メニューにバリエーションがついたぞ!
「よーし、次の強化は何を……」
そう僕が迷っていた時だ。外の通りから『ザッケンナオラーッ!』という鳴き声が響いてきた。
一体なんだと、ビックリしながら窓を開けると……、
「テメェここでヤクを売りやがったな!? こかぁオレ様の縄張りだぞオォォォオオンッ!?」
「うるせぇボゲェェェェエッ! オメェの縄張りは今からあの世じゃボラァァアアッ!!!」
……怖いお兄さん×2が朝っぱらから争っていた。
口喧嘩から速攻で殺し合いに発展する二人。どちらも戦闘系ギフトを有しているのか、超高速で拳を突き出しあう。
血や肉や歯がそこら中に乱れ飛び、通りはたちまち真っ赤になった。
「……うん、“身体強化能力”を強くしよっと」
こ、こんな危険な街で料理ばっかにかまけてられるかぁ!
僕は死んだ目になりながら、改めてこの街嫌いだと思うのだった……!
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名前 :ルシア・スカイアーク
守護神:【料理神オオゲツヒメ】
ギフト:『異世界料理人』レベル4
レベル4での能力
・異世界の料理知識をインストール
・異世界の移動式屋台の召喚が可能
・異世界の料理人衣装の召喚が可能
・異世界調味料+食材の召喚が可能(追加品:冷凍うどん、蒸し麺、出汁類)
・調理場の半径3メートル以内にいる限り、身体能力激増+攻撃魔術が発動可能
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◆ ◇ ◆
「はいっ、おうどんのおかわり出来たよー!」
「「「わー---いっ!!!」」」
それから数時間後。早速売り始めたうどんの評判はすごくよかった!
焼きそばに比べたら味のインパクトがないから、どうなるかなーって思ってたんだけどね?
「ぷはーっ! 何て優しい味なんだっ! 殺しの道具にされてきたせいで荒れた心がポカポカするぜ~!」
「麺がツルツルでそのまま飲めちゃうくらいだよ! シンナーで歯が溶けたオレにぴったりだ!」
「こんな美味いモンが銅貨三枚で食べれるんだからすごいよなぁ! ヤクなんてこれの百倍はするのに!」
……ゴミみたいな食レポをしてくれるチンピラさんたち。
ま、まぁ内容はダークすぎるけど、喜んでくれているようで何よりだよ。
「ルシアさんの料理って病みつきになるよなぁ。『ヤクメシ』って名前つけてイイすか?」
「ってよくないよッ!? 変な呼び方するなよ馬鹿ッ!」
風評被害になるからやめろっての!
僕の料理には、断じて変なものは入ってません!
「えェー、でもこのうどんって白いし。白と言ったらヤクじゃないすか? なぁみんなー?」
「「「わかる~」」」
「ってわかるじゃないよ馬鹿ッ! そんな連想ゲームするのはこの街の人くらいだよ!」
ほ、本当に終わってるなぁこの街の民度……!
気弱で常識的な僕じゃ、とてもじゃないけど馴染めなさそうだよ……。
「まったくもう、何がヤクメシさ。変な人の耳に入っちゃったらどうするんだよ……!」
今朝、危険なお薬の売り場をめぐって争っていた人たちを思い出す。
もしもそんな人たちにヤク売ってるって勘違いされてみろ、大変なことになっちゃうんだからな?
「はいはいみんな! くだらないこと言ってないで、あったかいうちにご飯食べな!」
「「「お母さん!」」」
「お母さんじゃねぇよッ!?」
こうしてチンピラたちに妙な慕われ方をされつつ、悪の都生活二日目を終えるのだった。
……そして、三日目。
「――五大悪組織『黒龍殿』の者だ。ルシア・スカイアーク、よくも我らが縄張りでヤクを売りさばいてくれたな……?」
「って売ってましぇえええー-------んっ!?!?!」
客の冗談がどんな形で伝わってしまったのか、僕は連行されることになるのだった……ッ!
・主人公、終了――!(完)
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