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水属性の魔法使い  作者: 久宝 忠
第三部 第三章 ボスンター国
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番外 <<幕間>> 大陸南部の情勢

シオ・フェン公主の輿入れ船団が、ジョンジョンを出航した翌日、スー・クー邸。


ミーファが公主と共に出立したため、モゴック局長がミファソシに戻る挨拶に来たのだ。

もっとも、スー・クーもミファソシの代官であるため、しばらくしたらミファソシに戻るのだが……。


「とにかく、無事に送り出せてよかったな」

「ええ。あとは、無事に帝都についてくれることを祈るのみです」

スー・クーもモゴック局長も、この先は祈る事しかできない……。



そんな話をしているところに、急報が届いた。


「すまんな、局長」

「いえいえ、どうぞお気になさらずに」


スー・クーは、届いた封を切って、手紙を一読した。


「予想以上に早かったか」

そう呟くと、手紙をモゴック局長に渡した。


「読んでよろしいので?」

「すぐに、局長の下にも届く情報だ」

スー・クーのその言葉を受けて、モゴック局長も手紙を読んだ。



「ゲギッシュ・ルー連邦の内戦が終結した? 国主についたのは東部藩主(はんしゅ)……。東部藩主は、アティンジョ大公国が支援していましたよね」

「うむ。つまり、連邦も大公国に飲み込まれるということだ」

「結果は予想していたとはいえ……半年から一年先だと思っておりました」

「それは、西部統括局長としての意見か?」

「はい。我が国の諜報活動、情報収集はともかく、分析能力をもう少し上げねばなりませんな」


予測が大きく外れたことに、モゴック局長は何度も首を振った。



大公国とボスンター国の間には、『迷わずの森』が横たわっている。

森の奥に入っていけない『迷わずの森』は、通り抜けることは不可能だ。

そのため、大公国の影響は、海からになる。


大公国は、先だって自由都市クベバサを保護下に置き、自治都市クベバサとした。


しかも、未だにクベバサには、大公弟ヘルブ公がいる。

保護下に置いた際の混乱は、完全に終息し、極めて穏やかな状況になっているのにだ。


「ヘルブ公が、自治都市クベバサに居座ったままというのは、やはり気になるな」

「はい。クベバサそのものに、どうしても離れられない問題があるとの報告は来ておりません。ですので、他の……海を通しての何か別の国か、他の何か無視できないものがあるのでしょう……」

「そこは、ぜひ知っておきたい。我ら東方諸国は、海とは切っても切れぬ関係にあるからな」


東方諸国の東には、広い大海がある。

どこまで続くのかは誰も知らない、広大な海。


その海は、南にも広がり、いわゆる多島海地域に繋がる。

西では、中央諸国南部の海に繋がるという言い伝えはあるが……生きて、それを確認した者はいない。


ほとんど、伝承の類だ。



「そういえば、クラーケンが暴れまわっていたという報告が、以前あったな」

「はい、ございました。ここ一カ月は、我が国の船が沈められたという報告は聞いておりませんが……今までと違うことが起きると、やはり気になります」

「まったくだ……」


21時に、本編を投稿します。

いよいよ、「第四章 超大国」……東方諸国の中心です!

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『水属性の魔法使い』第三部 第4巻表紙  2025年12月15日(月)発売! html>
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