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水属性の魔法使い  作者: 久宝 忠
第二部 最終章 魔人大戦
472/915

番外 《なろう版》第三部開始日&《書籍版》第4巻発売日発表記念

「あとがき」に、お知らせがいっぱいあります!


下にある、涼とセーラの絵は、本日情報公開となった小説4巻の表紙です!

「これは……夢に違いありません」

涼の声は震えていた。

だが、それは恐怖による震えではない。


歓喜だ。

そう、歓喜による震え。


いったい、何の歓喜か?


「何十個のケーキ……いや、何百個のケーキがあるんですか、これ……」

涼の目の前に広がる……いわば、ケーキの山。


「本当に、これ、全部食べちゃっていいんですか?」

「もちろんだ。リョウのために準備したんだから。一緒に食べよう」

涼の問いに答えたのはセーラ。


その答えを聞いて、ついに涼は笑顔となった。

それを見て、セーラも溢れんばかりの笑顔となった。



「絶対、食べ過ぎだろう」



だが、その光景を断罪するかのような声が響く。

振り返らなくとも分かる、あの剣士だ。


「アベルは、いらないんですね!」

「え? いや、俺も食べたい……」

涼が厳然たる表情で言い渡すと、アベルはすぐに表情を変えた。


「食べたいんですか? 仕方ありません。アベルにも少し食べさせてあげます」

「あ、うん……ありがとう」

「ふふふ。二人の掛け合いはいつも面白いな」

涼が言い、アベルが微妙な表情で感謝し、セーラが笑う。



そこには、幸せがあった。


幸せを形にしたら、きっとこんな光景になるだろう……。



「これは……グラサージュで覆われたムースショコラ……。溶けたチョコレートをかけるなんて……最初に考えた人は天才です。なんと背徳感に満ちた組み合わせ……。そうそう、これは、ドージェ・ピエトロで食べましたね……まさにシルク」

涼の視線の先にあるのは、漆黒を(まと)ったチョコレートケーキ。


さらに……。


「これは……ピスタチオ? チョコ? イチゴ? いや、フランボワーズ? ムースとジュレが絡み合った……ああ、これこそが光。美食の森に迷い込んだ僕たちを導く、ルミエール()です」

その美しい断面を、うっとりと眺める涼。



しばらくすると、その視線は、その先へと動く。

ケーキの山の頂へ。


そこで、大きく見開かれた。


「頂に鎮座するのは……そう、ケーキの女王。古今東西、世界中の美食家たちを(とりこ)にしてきたアルプスの最高峰……その高みを表すのに、完璧な、そして至高の名前……白の婦人、モンブラン」

涼の視線は釘付けとなる。



「なんて……素晴らしい」



思わず漏れる感嘆の言葉。


ケーキとは、見るだけで人を虜にする。


だが……。


「ああ、いけません。ケーキを待たせ過ぎました。早速食べましょう。みんなで食べましょう。美味しく食べましょう!」


涼はそう言うと、さっそく一品目を手元に置いた。

女王、モンブランだ。

傍らには、コナコーヒーを従えている。


(おごそ)かに、だが喜びに満ちた動きでフォークを入れる。


その瞬間、涼の表情は歓喜に満ちた。


そのまま、止まることなく、流麗といってもいい動き……フォークでモンブランを突き刺し、口に運ぶ。



「ああ……」



美味。

美味。

美味!


美味しさを言葉で表現しようなど無粋(ぶすい)

そう、美味は、言葉の無力さを思い知らせる……。


食べればいい。


ただ、食べればいい。


それだけが、唯一の正解。正しい解法。

世界中誰もが理解する、大いなる真理。


世界に必要な言葉は、たった一つ。



「美味しい……」



この言葉さえあればいい。


「うむ、美味しいな」

「確かに、美味い」


そして、美味しいは広がる。


セーラとアベルも、美味の虜となる。



幸福が支配した。



お腹いっぱいになるまでケーキを食べる三人。

笑顔が浮かび、笑いが起こり、全てを許せる気持ちになる。


美味しいこそ正義。



今、正義は為された。



……

………


「おい、リョウ、起きろ」

「……もう、無理。もう、ケーキは無理ですって。お腹いっぱいです……むにゃむにゃ」

「多分、ケーキなんて、ここにはないぞ」



挿絵(By みてみん)

《なろう版》第三部冒頭で、涼が見ていた夢の中のお話でした。


11月20日に投稿した『第三巻発売記念 《なろう版》第三部冒頭2700字』を参照ください。


第二部まで、いっぱいケーキを食べさせたのは、

第三部では、涼はケーキにありつけない……からかも(ボソ


読んでいて、「何でだろう?」と思ったら、それはたいてい、作者の伏線です。

意味があって、「過剰」だったり、「突然」だったりするのです。


ふふふ。



さて、そんな第三部の開始日ですが、

2022年4月1日(金)21時です!


え? 予想できていた?

第一部も、第二部も4月1日開始だったから?

ええ、まあ……。6月1日とかにしたら、皆さんに怒られるのではないかと思いまして……。


よほど変なことが起きない限り、4月1日開始です!


それまで、準備を進めておきますよ!




本日12月24日(金)、いろいろと《書籍版》関連の情報が公開されました。


『水属性の魔法使い』第4巻

『水属性の魔法使い 第一部 中央諸国編Ⅳ』の発売日は

2022年3月10日(木)です!


https://twitter.com/TOBOOKS/status/1474220469910110213


同じ日に、キャンバスアートボード(税抜き 3500円)も発売されます。

『水属性の魔法使い』初のグッズ販売ですよ!


ようやく、うちの子も、出版社から認められたその証……だと勝手に思っています。


キャンバスアートボードは、約27×22cm(F3号)

このあとがきの上にある、涼とセーラの画像。

これが4巻の表紙であり、キャンバスアートボードに描かれる絵です!


めっちゃ綺麗で、カッコよくないですか?



「水属性の魔法使い」初のグッズ化!

新刊イラストがキャンバスアートボードになって登場!


原作小説4巻のカバーイラストをキャンバス地に忠実に再現!

キャンバスの生地感をそのまま活かした、まるで絵画のような風合いが楽しめるアイテム。

壁掛けして飾るも良し、イーゼルに立てかけて飾るも良しな、ちょうど良いサイズ感になっています。


(以上、TOブックスオンラインでの説明より)


https://twitter.com/TOBOOKS/status/1474221668507996165


紙版の3巻表紙も、すごく綺麗でしたけど、今度はキャンバス地……しかも大きい!

実は、筆者が一番楽しみにしています……。



コミックス1巻が、ついに3月15日(火)発売です!

そして、TOブックスオンラインで、小説4巻と同時購入欄があるのですが、

そこから購入すると、「小説4巻・コミックス1巻同時購入特典SS」がついてきます。

(実は、まだ書いていません! 年末年始で書きます!)



本日公開情報まとめ

《なろう版》

「第三部 東方諸国編」は2022年4月1日(金)21時開始

《書籍版》

・小説4巻は2022年3月10日(木)発売

・キャンバスアートボードも3月10日(木)発売

・コミックス1巻は2022年3月15日(火)発売

・小説4巻とコミックス1巻同時購入特典SSあり

・小説4巻、コミックス1巻、キャンバスアートボードの3点購入セットもあり(ちょっとだけ安い)


詳しくは、TOブックスオンラインから!

https://tobooks.shop-pro.jp/



あと、12月27日(月)に、今年最後のSSを投稿します。

今日の、このSSと対になるSSです。


そちらも、読んでいただけると嬉しいです。

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『水属性の魔法使い』第三部 第1巻表紙  2025年3月19日(水)発売! html>
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