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水属性の魔法使い  作者: 久宝 忠
第一部 第十章 インベリー公国再び
180/930

0167 台車

その日、涼はいつものように、セーラと一緒に『飽食亭』でお昼ご飯を食べてから、領主館に向かった。

騎士団演習場で、ほとんど日課となっている模擬戦を行うためである。


だが、二人が着いた領主館は、明らかに普段と違って、慌ただしかった。


セーラが、近くの騎士に尋ねる。

「ヨハン、何があった」

「あ、セーラ様、リョウ殿。先ほど王都から知らせが来ました。ハンダルー諸国連合が、インベリー公国に宣戦を布告したそうです」



どちらもナイトレイ王国が境を接する国である以上、王国に無関係ということは無いであろう。

だが、涼の様子は明らかに動揺していた。

「リョウ?」

これほどに動揺する涼を見るのは、セーラも初めてである。


「いえ……インベリー公国には、僕の弟子たちがいるので……」

「弟子?」

涼の言葉は、さすがのセーラも想定外の言葉であり、言葉をオウム返しすることしかできなかった。

「商会で働いている子たちで……商人の卵だから戦場に出ることは無いとは思うのですが、連合がもし公都にまで迫るようなことがあれば……」

「リョウ、落ち着け」

そういうと、セーラは涼の両手を強く握った。

握っただけで、それ以上は何も言わないし、何もしない。

だが、それだけで涼の動揺は不思議と静まっていった。


「ありがとうセーラ」

涼は少しはにかみながら、セーラから手を放した。

「あっ」

セーラが本当にごく小さく、ほとんど声にならないレベルで出した声は、誰の耳にも届かずに消えていく。


「うん、大丈夫。ゲッコーさんなら、子供たちを戦場から遠ざけるはず。子供たちも、毎日練習していれば、アイスウォールは使えるようになっているはず。あれなら、自分の身を守るのには最適だから、大丈夫。うん、大丈夫」

自分を納得させるために、何度も大丈夫を繰り返す涼。


「リョウのアイスウォール……」

セーラも見せてもらったことがあるが、たとえ一枚であっても簡単に割れる代物ではないことを知っている。

そんなのを使える商人の卵たち……ちょっと末恐ろしい気がしたのは内緒である。



そんな二人の側を、イーデン小隊長が通りかかった。

イーデンは、王都騒乱時、王都に滞在していたルン騎士団の移送隊隊長である。

「イーデン!」

「セーラ様、リョウ殿。聞かれましたか、宣戦布告の件」

「ああ、今聞いた。それで、騎士団の参戦はありそうなのか」

セーラは参戦の有無を確認する。


一介の騎士であればまだ分からないであろうが、イーデンは小隊長の中でも先任であり、最も高い立場である。

そのため、詳しい情報を持っている可能性は高い。


「いえ、騎士団の参戦は無さそうです。王都の王国騎士団も壊滅しており、ルンを含め王国からの騎士団の参戦はおそらくは……」

「そうか……」

セーラは涼の方を見る。

「僕は、一人でも行きます」

涼はすでに決断していた。


弟子たちが危険にさらされているかもしれないのだ。ここで行かないで、もしもの事があったら……おそらく一生後悔する。それは分かっていた。


「待てリョウ。恐らく、『傭兵依頼』のシステムで、冒険者ギルドから、有志を募って派遣されるはずだ。すでに国境は封鎖されているはずだから、個人で国外に出るのは難しい。だが、ギルドの派遣部隊であれば国境を越えることが出来るから、そっちで行く方がいい」

セーラも、涼が何としてでもインベリー公国に行くであろうことは、確信していた。

そうであるなら、より確実に到着できる方法で行った方がいい。


「なるほど。ありがとうセーラ。今からギルドに行ってみる」

そう言うと、涼は踵を返そうとした。

だが、その前に柔らかな感触に包まれる。


セーラが抱きついてきたのだ。


「セーラ?」

「戦場では何が起きるかわからない。本当は私もついていきたいが、騎士団指南役である以上、今回は勝手には動けぬ。だから……気を付けて。絶対に戻ってきてほしい」

涼の肩に顔をうずめたセーラが、どんな表情をしているのかは涼には分からない。

だが、こんな時に言う言葉は、古今東西決まっている。


「必ず戻ってくる。約束する」

「うん……」


涼は約束し、セーラは頷いた。


腕をほどいて、距離をとった時には、セーラはすでに笑顔を浮かべていた。

そして、その笑顔のまま言った。

「いってらっしゃい」

「いってきます」

涼はそう答え、冒険者ギルドに向かうのであった。




冒険者ギルドは混雑していた。

連合が公国に宣戦布告したニュースで騒がしくなり、冒険者に対する『傭兵依頼』が出されるに及んで、その喧騒は頂点に達したのだ。


冒険者ギルドに出される『傭兵依頼』、これは所属国が依頼者となる。

そのまま、命の危険を伴う依頼であるため、報酬は高い。

ナイトレイ王国の傭兵依頼の場合、移動中ならびに戦場での食料は国が準備する。

その上で、危険手当も含めた日当が一人五万フロリン以上出る。

ただし、誰でも参加できるわけではなく、『C級以上』の冒険者という制限がつく。

低レベルな冒険者が戦場に行っても、簡単に死ぬだけだから仕方ないと言えよう。

問題は、涼が未だD級冒険者だという点であった。



涼が冒険者ギルドに着いたときには、傭兵依頼が出された直後のピークは過ぎていた。

だがそれでも、ロビーには多くの人だかりができ、そこかしこで冒険者たちが話している。

C級以上の冒険者たちは自分たちが行く戦場について話し合い、D級以下の冒険者たちはいつか自分たちも戦場に立ち、一攫千金の夢を掴む……そんなことを語り合っていた。

そもそも、冒険者にとっては命のやり取りは日常茶飯事である以上、戦場に行くことに抵抗感はない。

むしろ、そこには名誉と報酬が落ちている、くらいの感覚なのである。


だって、このルンのギルドマスター自身が、そうやって大戦の英雄になったのだから。

いつかは自分たちも! そう思うのは自然だったのかもしれない。



そんな冒険者たちの間を縫って、涼はカウンターに辿り着いた。

そこには、ピーク時の人だかりを捌ききった百戦錬磨の受付嬢たちが、多少の疲労感をにじませながらもプロの仕事をしていた。


そんな中、涼は受付嬢ニーナの窓口に立った。

「ニーナさん、傭兵依頼に申し込みたいのですが」

「え……」

涼の言葉を聞いて、ニーナは言葉を失った。


ニーナはプロの受付嬢である。

ルンの街に所属するほぼ全ての冒険者のランクを把握している。

その知識によれば、涼の冒険者ランクは……、

「リョウさんはD級なので……C級以上だけが受けられる傭兵依頼は……」

「え……」

ニーナの言葉を聞いて、今度は涼が言葉を失った。


だが、それで諦める涼ではない。

今回は、弟子たちの命が懸かっている……かもしれないのだ。


「なら、今すぐ、僕をC級にしてください」

「そ、それはさすがに難しい……」

ニーナも、涼の規格外の戦闘能力の噂は聞いている。

受付嬢であるから、冒険者たちの様々な話は自然と入ってくるのである。


もちろん、だからと言ってえこひいきをしたりはしない。

だが、いつもはどちらかと言えば飄々としている涼が、これほど必死になるのには何らかの理由があるのだろうとは理解できた。


普通の冒険者であれば、お金や名誉が理由となるであろうが……涼がかなりの大金をギルドに預けているのは知っている。

正確な金額は知らないが、一生遊んで暮らせる額であるらしいとは知っている。

そして、名誉にもほとんど頓着しない人物であることも知っている。


そんな涼がなぜか今回は……。

「僕は何としてもインベリー公国に行かねばならないのです。弟子たちの命が懸かっていますから」

涼の必死の訴えで、ようやくニーナは理解することが出来た。


『弟子のため』

それは確かに必死になる理由としては十分である。


だが……、

「ですが規則は曲げられません……」

ニーナとしてはそう言うしかない。

残念ながら、仕方ないのである。


「わかりました。ちょっと、ヒューさんと話をさせてください」

そう言うと、涼は奥の扉に向かい始めた。

「あ、リョウさん、ちょっと待って」

涼は向かい始めたかと思ったら、もう扉の前についていた。

瞬間移動かと思うほどである。

そして、ニーナが声をかけた時には、扉をくぐっていた。



ルンの冒険者ギルドマスターであるヒュー・マクグラスは、いつも以上に忙しく、そのために機嫌も良くなかった。

傭兵依頼が出されたのだから当然と言えば当然である。


冒険者を集めるのはいい。

受付でやってくれるし、最大人数はC級とB級を合わせた人数だ。

あとは、せいぜい、一時的にルンの街に滞在している冒険者。

それらの人数は推測できる。


問題は糧食であった。

集めた冒険者たちを送り出す時に、彼らが食べる糧食も同時に調達して送り出さねばならない。

その費用は国が持つとはいえ、金が振り込まれるのは数か月先。

現在手元にある金で糧食を確保し、それを輸送する手はずを整え、場合によっては飲み水も確保せねばならない。

いつも飲料水として使える川があるとは限らないのである。


特に今回のルートである王国東部は、昨今、ロー大橋が崩落したり街が破壊されたりと、決して治安が良くない。

そういうところでは、えてして川や井戸に死体が投げ込まれたりして、水が汚染されていることが多いのだ。

考えれば考えるほど、問題が出てくる……それが糧食問題なのであった。



そんなヒューの執務室がノックされる。

「入れ」

緊急な用件であるなら、ギルド職員はノックもせずに入ってくる。

かと言って、この時間に誰か外部の者と会う予定は入っていない。

訝しみつつも、相手が誰なのかわからなければ対応のしようがないため、「入れ」以外の対応はとれるはずも無かった。

「失礼します」

入ってきたのは涼であった。


「リョウ? いったいどうした?」

「ヒューさんにお願いがあります。僕をC級にしてください」

「……は?」




「お前さんが行きたい理由はわかった。だが、今回ばかりは無理だ」

ヒューは書類を見ながら答えた。

その書類は、涼のギルド記録である。

依頼の解決から貢献、その他もろもろの情報が記載されている。

それを確認したうえで、まだC級に上げられないと判断した。


「う……。僕も、それなりに貢献していると思うのですが……」

確かに、涼は依頼を受けた数は極めて少ない。だが、一つ一つの依頼での貢献度は大きなはずである。そう主張する。

「まあな。だが、そもそもC級ってのは簡単になれるランクじゃないんだ。C級と言うのは『一流』冒険者だ。C級に上がれずに、D級のまま引退する冒険者の方がはるかに多い。だからこそ、C級に上がるには厳密な規定があって、ギルドマスターであってもそれを無視する権限は持っていない」

「誰ならその権限を持っているのですか?」

「誰も持っていない。たとえ公爵閣下や国王陛下であったとしても、規定をクリアしない限りC級以上には上がれない。絶対に曲げられないのは解決依頼数と成功率。解決依頼数百件以上、成功率九八%以上。これは絶対だ」


ヒュー・マクグラスは言い切った。

「むぅ……」

ここまで言われては、さすがに涼であってもごり押しが不可能であることは分かる。

手を変えなければ。



「荷物運びでも何でもやります!」


いいアイデアは閃かなかった。

それでも、食らいつかねばならない。

「荷物運びとは言っても……ほとんど荷馬車で運ぶんだが、涼は馬車を操れるか?」

「……操れません」

「だよなぁ、あれ、見た目以上に難しいもんな」

涼とヒューは、深いため息をついた。


涼は、万策尽きて絶望のため息。

ヒューは、輸送の問題を思い出して深いため息。



「やはり、力ずくで国境を突破するしかないか。全部凍らせればなんとかなる……」

涼の呟きほどの独り言は、だがヒューの耳には届いていた。

「いや、まじでそういうのはやめてくれ」

ヒューは少し慌てながらも、涼の軽挙妄動を止める。


「しかし他に方法が……。あ、荷馬車は操れませんけど、台車は作れます!」

「台車? 何だそれは?」

「荷馬車ってことは、馬を使うし、馬用の食料も運ぶことになるでしょう? けっこうな数の馬車も調達しないといけないでしょう? しかも運び終わったら、その馬車はどうしますか? 売り払うにも戦争地域では売れないでしょう? でも、僕の台車なら、それら全てを解決できます!」


これには、ヒューも、かなり興味を魅かれた。

先ほどから、輸送の問題が何度も彼の前に立ちはだかっていたからである。

もし、それを解決できるのなら……。

「ちょっと興味がある。どこかで……そうだな、屋外練習場でちょっとその台車とやらを見せてくれ」



冒険者ギルド屋外練習場。

いつもは、F級やE級の冒険者がいるのだが、今日は誰もいなかった。

恐らく、ロビーなどで『傭兵依頼』を肴に、会話の花を咲かせているのであろう。


「<台車>」

涼が唱えると、一辺二メートル、四輪の氷の台車が生成された。

そして、涼が歩くと、その後ろを<台車>はついてくる。

「ほぉ~」

ヒューは感心していた。

馬がいらないうえに、涼の魔法で出し入れ自由である。


「なあ、これ、何台作れるんだ?」

「さあ……それは試したことないですね。もう少し大きめのもいけます」

涼はそう言うと、先に生成した<台車>を、幅はそのままで、長さ三メートル、高さ二メートルの箱型に作り替えた。

イメージしたのは、地球におけるワンボックスカーである。

これなら、幌付き馬車感覚で、中に荷物を詰め込める。


そして、一個完成すると、後ろにさらに一個、その後ろにさらに一個と、次々と台車を生成していった。

少なくとも、二十台は楽に生成できるらしい。

涼が歩くと、二十台の台車が、一列になってその後ろをついていく。


とてもメルヘンな光景が、練習場に広がっていた。


「ああ、うん、補給はリョウに頼むわ」

なぜか少しげんなりしたヒューの言葉で、涼は『傭兵依頼』への参加を認められた。

ただし、荷物運びとしてであるが。




冒険者ギルドに、『傭兵依頼』が貼り出されてから二日後の早朝。

まだ朝の五時であるが、涼は冒険者ギルド前で、<台車>を二十台生成し、荷物が積み込まれるのを見ていた。


「リョウ、今更聞くのもなんだが、本当にいいのか?」

「はい?」

ヒューが、涼と並んで積み込みを見ながら聞いた。

「これは、お前さん、相当に目立つぞ? 基本的に、どの街からもやってくるのは冒険者たちだとはいえ、それでもお前さんの事は噂になるだろう。そういうの、避けてきたんだろう?」

涼が一人いれば、軍隊並みの補給が可能となる……これは、組織を運営する者にとっては垂涎の的の能力だと言えるであろう。

軍においてはもちろん、商人も荷馬車を雇う必要が無くなるし、各地の貴族たちも様々な移送が楽になる。

それは、涼が望んでいないことだというのを、ヒューは知っていた。


だが……、

「まあ、そうかもしれませんけど……背に腹は代えられません。弟子たちの安否確認と、ゲッコーさんたちがどうなのかも気になりますし」

「そうか……」

ヒューはそれだけ言うと、話をそこで打ち切った。

少しずつ、今回の『遠征』に参加する冒険者たちが集まって来たからであった。



その中には……、

「ギルマス自ら率いるとか、気合入ってるな……って、リョウ? なんでリョウがいるんだ?」

それはB級冒険者アベルであった。


B級パーティーである『赤き剣』は、今回の遠征に参加する。

同じくB級パーティーである『白の旅団』は、ルンの街で留守番役である。

そうなると、ルンから出発する遠征軍の中では、赤き剣が筆頭となり、リーダーであるアベルが必然的に遠征軍を率いることになるのだが、今回は違った。

ギルドマスターであるヒュー・マクグラス自身が参加するからだ。


もちろん、大戦の英雄であるマスター・マクグラスの参戦をとやかく言う者などいないが、ヒュー自身は、アベルのお目付け役のつもりで参戦するのだ。

アベルは、王家の次男。

王太子は優秀であるが、病弱である。もしもの事が起きた場合、アベルが国を引き継ぐことになる。

そう、アベルにまで『もしものこと』があってはならない。


そのためにも、ヒューが参戦し、アベルの手綱を握りつつ、自分が矢面に立って行動しようと考えていたのだ。



そんな思惑を知ってか知らぬかはわからぬが、アベルはヒューの参戦を歓迎していた。

だが、この場に涼がいるのは想定していなかった。

何せ涼はD級冒険者。

その戦闘力は、B級である自分をはるかに上回るとは知っていても、ギルドの規定は一切の例外を認めない。

そのために、D級である涼が参戦を許されるとは思わなかったからである。


「アベル、僕は荷物運びです」

そういうと、涼は次々と荷物が運び入れられている<台車>たちを指し示した。

「なるほど……あれは氷か、すごいな。初めて見た……初めて見たんだが……なんか懐かしい気がするのはなぜだろう」


それは、気絶したアベルが、以前あの台車で運ばれたことがあるからです。


とは、口が裂けても言うつもりのない涼である。

ロンドの森の海岸に打ち上げられたアベルを、家まで運ぶ際に、涼は台車を生成してアベルを乗せて運んだのだ。

ずっと気絶していたはずのアベルであるが、そこは他の人よりも鋭敏な感覚を持っているからであろうか、台車に懐かしさを覚えているようである。


「ま、まあ、よくある台車ですから……」

「いや、よくあるわけないだろ」

涼の苦しい言い訳は、アベルに一刀の下に否定された。



そして七時。

ヒュー・マクグラスに率いられたルン遠征軍は、他の街の冒険者たちとの合流地である、東部国境の街レッドポストに向けて出発した。


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