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水属性の魔法使い  作者: 久宝 忠
第一部 第七章 インベリー公国
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0109 <<幕間>> 勇者パーティーの移動

すごく短い幕間です……。

デブヒ帝国帝都マルクドルフから南へ約一千キロ。

七人のパーティーが、街道を南下していた。


「なあローマン、本当にナイトレイ王国に行くのか?」

「はい。オスカー殿が言っていた『水属性の魔法使い』がとても気になります」

「ゴードン、あんたそれ、何日言ってるのよ……もう王国国境、目の前よ?」


勇者パーティー火属性魔法使いのゴードンは、さすがに、そろそろ西方諸国に戻りたいと思っているのだが、勇者ローマンはもっと強くなりたいと思っていて、斥候のモーリスはゴードンに呆れている。


「寒いところは苦手じゃったから、南に向かうのは賛成じゃ」

「そうね、寒いよりは暖かい方がはるかにいいわね」

ドワーフ族でもある土属性魔法使いのベルロックと、風属性魔法使いのアリシアは、どちらも寒いのは苦手なため、帝国の南にあるナイトレイ王国に移動するのは、賛成であった。


そしてずっと無言のエンチャンター、アッシュカーンと、いろんな理由から心の中でため息をついている、折衝役の最年長グラハム。



勇者パーティーは、あれ以来、ずっと帝国の魔法演習場にいた。

もちろん、訓練して強くなるために……主に勇者ローマンの希望であるが。

そもそも、勇者パーティーの目的は、『魔王を倒すこと』である。

そのため、主に西方諸国からの資金などの援助を受けて、活動している。

そして、魔王出現の報告は、西方諸国東部地域から寄せられていた。

だから以前、人工の『祭壇』を作るなどして罠を張ったりもしたのだ。


結果、かかったものは魔王ではなく『悪魔レオノール』というものであったが。

そこから、いろいろな歯車が狂い、現在勇者パーティーは、中央諸国のデブヒ帝国にいる。



「まあ、あの師団で訓練したことで、確かに俺らは強くなったけど……」

「ですよね! 強い人と訓練すれば、もっと強くなれるということですよね!」

ゴードンの言葉に、すぐに乗っかる勇者ローマン。

彼の行動原理は、現在のところ『強くなりたい』一心であった。


「けど、王国の『水属性の魔法使い』って、名前も分からないんでしょ?」

「はい……オスカーさんは結局、教えてくれませんでした……」

斥候モーリスの言葉に、勇者ローマンはうなだれる。


「王都で、有力な情報が得られればいいのですが……」

正直、これ以上時間をかけるのは好ましくないと思っている最年長グラハムであるが、ローマンがやる気になっているのは好ましいことなので、なかなかに難しい舵取りだと感じている。


少なくとも、情報収集などでは時間をとりたくはないと。


本日一話目です。

この後、いつも通り21時に本編『0109』を投稿します。

よろしくお願いいたします。

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