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女の子はみんなシャーロットっていうの ヒーローは悪役令嬢を募集中

作者: 野月 逢生


俺は内心うんざりしながらも、訪ねて来た女性に椅子を勧める。


「シャーロット・ジャンクーさんですか」

彼女は少し眉をひそめた。俺が様やレディをつけなかったことが不満らしい。


「そうですわ。貴族で、銀髪、碧眼。美貌で、名前はシャーロット、あなたの探しているヒロインにぴったりでしょう?」


少し顎をあげて僕を見つめる瞳は自信に満ちている。


確かに彼女は美しい。


でもだ。


探しているのは、心優しい悪役令嬢だ。こんな高慢な女はいただけない。


「残念ですが」


俺は飛び切りの王子様スマイルでご免なさいを告げると、彼女を慇懃に送り出した。



扉を閉じようとすると、少女が一人つんのめるようにしてドアから入ってきた。


そして、何もないところで転ぶ。


ドジっ子属性か。


「やだー、また失敗しちゃいましたー。初めまして、私、シャーロット・ギャグです」


赤毛に、ハシバミ色の瞳。歳は10歳から12歳くらいの背丈だが、胸は成人並だ。



「ご免ね、幼女趣味はないので」


これまた、丁寧に送り出す。



それから、次から次へといろんなシャーロットが現れた。


黒髪、金髪、茶髪に、エルフに獣耳。


だが、どれもこれもピンとくる女はいない。




〖いい加減に決めてもらえませんかね〗



神様(プロデューサー)が天の声を響かせた。


そう、物語の神様だ。そして俺は次の物語のヒーロー候補。この町にはたくさんのヒーロー候補とヒロイン候補がいる。


ヒロインとヒーローがお相手となる人物像の条件をいくつかあげると、神様(プロデューサー)は結婚紹介所よろしく、お見合いを設定してくれる。



俺のつけた条件は、シャーロットという名前だけ。



ちなみに俺のスペックは輝くような金髪で、海のように蒼い瞳、長身で痩せてはいるが実用的な筋肉がついている。

もちろん顔も、声もいい。頭脳は補佐役の宰相候補よりは少々劣るが秀才の部類だ。だが一番得意なのは剣。


性格は読んでの通り、少々俺様。でもヒロインには激甘になるらしい。



「なかなか、ぴったりの女性には会えないもんだな。シャーロット」

俺は最愛の彼女に声をかけた。


すでに、最愛の人がいるから、決めることができないのかもしれない。


〖わかりました。もう締切ギリギリです。その子をヒロインにしましょう〗


天の声が俺に福音を与える。


〖飼い猫を溺愛する王子。猫を人間にする魔法を探して旅にでる。ふむ、いけそうですね〗


おお、これで、この町から出ても思い切り、シャーロットを可愛がることができる。


俺は愛しのシャーロットが嫌がるまで何度も何度も抱きしめ、撫でまわした。


だが、俺は思いもしなかった。

その行為がシャーロットのトラウマになり、人間になったとたん、彼女は悪役令嬢になる。そして、モブのヒロインと俺をゴールインさせるよう画策して成功してしまうことを。




エッセイなのに、短編と思ったひと、申し訳ない。


ここのところ、恋愛ものを書くために、積極的に読んでいたのですが。

「シャーロット」率が高いもので、それをお題にして書いてみました。

最初は、自分がシャルロットという名前(シャーロットのフランス語読み)のキャラクターをハイファンで書いてるから、気になるのかなと思っておりました。


しかし、あまりの多さに、なろうの検索して調べたところ、シャーロットでヒットした数が80作近く。

内、30作近くが今年に入ってからのものでした。

約、三割近く。多いですね。(ヒロイン以外だともっと多いかも)


英国の王女がシャーロットなのも影響しているのかなとも思いますが。

現実にも多いし。

ただ、なろうで、連鎖反応的に増えているのじゃないかと感じました。


面白がってシャーロットものを、最初は読んでいたのですが、最後は誰がだれやら。

どのシャーロットだっけと、冒頭の短編になりました。


タイトルの元ねたはゴダールの映画

「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」

です。


出てくる片方のヒロイン名前もシャルロット。

(ロメールとゴダールが創ったヴェロニクとシャルロットと言う二人のヒロインの短編連作です)

お気になる方は見てみてください。

というか、ぜひ見てください。

(これを言いたくて半分投稿したようなもの)



さて、

名前、ネーミングはなかなか難しいものがあります。西洋風だと特に。


この場合、シャーロット(英語)シャルロット(フランス語)シャルロッテ(ドイツ語)

これは全部同じ。これは解りやすいですが。

シャルルとチャールズが同じと知った時には驚いたものです。

なんだか語感で性格まで違うような気がします。


ご存じの方も多いかと思いますがシャルロットはシャルルの女性系です。


世界観を統一するために、英国読みか、フランス語読みか、ドイツ、イタリア、スペインもある。

悩むところです。


そこら辺はある程度、臨機応変でよいと思いますが、一つの名前で、一つの国で、ごちゃまぜだと、?と思うこともあります。


ファーストネームは英国、ファミリーネームはドイツ・オーストリア、国の名前は東欧みたいな時です。

名付ける時に、一度、考えて欲しいと思います。


そして、言語の深みに一緒に落ちましょう(勧誘)


自分も、ナンチャッテな時もありますが、このひとは、何世代か前に他国からきた人とかの設定を密かに作ったりしてます。そこらへんは作者の楽しみの一つでもありますね。




自分も使っていてなんですが、(ただし、シャルロットの今年に入ってのヒロイン使用は、10件に満たないヒットでした)


シャーロットじゃない、ヒロイン作品に当たりたい。今のところ、引きが強すぎてます。


追記

活動復活してからも、ついシャーロットを追いかけております。

かわいいシャーロットにはつい☆をあげたくなりますね。

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