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01【召喚されました】

このページを開いていただき

ありがとうございます!


最初は短めの投稿になりますが

徐々に長文になっていきます。


何でそうなったかというと

……文章を書くのに慣れてきたからです。


物語の中に残酷な描写が出てくることがあります。

また色んな展開を考慮してR15にさせていただきます。


どうぞご覧ください!

 

「さぁ、選ぶがよい ……

 我々とともに我が国の勇者となるか

 生まれ育つ故郷に戻るのか…」


 これが、この国の王様の最初の言葉だった


おそらくだけど今の言葉は私に向けて言ったのよね? 正確には私と同じ様に床に座り込んでいる、私たち 4人に向けての言葉だろう


石造りの床の先には3段の段があり、その段上には玉座と言うのだろうか? 猫脚の細工の施された立派な椅子がある。


その椅子から立ち上がり、両手を広げて優しい笑みをたたえている男性は、50代半ばくらいだろうか? 深紅のベルベットのマントに身を包み、頭上には煌びやかな王冠、ブラウンの髪に口ひげを蓄えるその威厳のあるお姿は、誰がなんと言おうと王様だ


あの冠についてる宝石って本物なのかしら?

だとしたら凄くない?

かなり大きいのもついてるんだけど


なんとなく彼から目をそらせない雰囲気だけど、好奇心には勝てずチラリと視線を右側に移すと、裁判所のような高めのテーブルが後方へと延びていて、そのテーブルの向こう側から私たちを見下ろしている人達がいる


なんか、お爺ちゃんばっかりね

すっごい背の高い人もいてなんか怖い


バタンッ!と大きな音がしてとっさに後ろを振り返ると、ずっと後ろの中央にある大きな扉が開けられ、ローブをまとった人たちがバタバタと出ていくのがみえた


そのままぐるりと辺りを眺め、改めて自分が今いる部屋の大きさを知る

部屋というよりここは大きな教会のような造りだ


扉が開いたままだったので、何となくもう一度扉のある方を見ていると、お爺ちゃん達の最後尾にいた小太りの男性が、慌てて扉を閉じた


あの人は比較的若いわね


ぽっちゃり系の人っていまいち年齢不詳だけど、他のお爺ちゃんと比べるとかなり若い方だと思う


再び視線を前に戻そうとしたとき、私と同じく後ろを見ていた隣の女の子と目が合った

制服を着ているので高校生なのだろうか?

 アーモンド型のクリッとした目を大きく開き、肩より少し短い栗色の髪を内側に巻いて整えている。その髪をふわりと揺らして首をかしげた


ヤバっ! この子めっちゃ可愛くない !?


彼女も何か言いたそうな表情をしているけど、たぶん私も同じような顔をしているのだろう

無理もない、こんな状況だ。

とりあえず今は話しかけず、私がそのまま正面を見ると、女の子も私と同じように前を向いた


あっ、いつの間にか王様が座ってる


ふと、先程は気がつかなかったが、王様の椅子の横手には、脚の長い小さなテーブルがあった

その上には宝石箱みたいな箱が置いてある


あれはなんだろう??


そして改めて室内に訪れる静寂


さて、この状況をどうしたら良いかと戸惑っていると、サイドテーブルの一番前にいる、長身で白銀髪の老人が口を開いた


「 王よ」


それを聞いてちょっと笑いそうになる

あ、やっぱり王様なのね?そうだと思った!

この出で立ちで王様じゃなかったら何だっていうのよね?


「 僭越ながら、このオーティスからこの者たちへ、この度の召喚式への経緯を説明してもよろしいですかな?」


「 おぉ!そうだなオーティスよ!この者達はまるで今の状況が分かってないようだ。そなたから説明をしてやるのがいいだろう!」


「はっ、承知致した。では …」


オーティスと呼ばれた老人が、こちらをゆっくりと向き直り再び口を開きかけたとき、また後方でバタバタと足音が近づいて来た。老人はやれやれと視線を奥へやった


「 どうやら騎士たちが戻ったようだ。おいっ!サンチョ!扉を開けてあげなさい!」


老人がそう叫ぶと、先程の最後尾にいる男性が扉へと駆け寄り「どうぞ〜」と声を掛けている


あは! あの人サンチョって名前なんだ

うんうん、いかにもサンチョっぽい

でも『オーティス』とか『サンチョ』とか外国の人の名前よね? 話している言葉はみんな日本語なのに?


これはどうゆう事なの??


すると制服の女の子とは反対側の、私の左隣にいる男の子が溜め息まじりに呟いた


「 マジかー!ホンモノじゃん!!」


彼は色鮮やかなスカイブルーのTシャツに、ベージュのチノパンスタイルで、手首にはシルバーと革紐のバングルをチャラチャラと身に着けている

年齢は大学生あたりか社会人なのか、このくらいの歳の子はよく分からない。 けど私よりは若そうだ。

何が本物なのか、彼の合わせて私も扉に目線を移す


 …… うわぁ!なるほど、うんうん、これは本物だわ!


部屋に入ってきた一行は、銀箔のサーコートに刺繍の入った蒼のマント姿で、腰には長い剣を携えていた

 その重厚感のある格好がいかにも自然なので、隣の男の子が言う『本物』という表現がとてもピタリと当てはまる。きっと先ほどの老人が言っていたように、この人達は騎士と呼ばれる人達なんだろう


 騎士の一人はまっすぐ進み、私達の横を通り過ぎると王様の前で跪いた


「 グレンよ魔導師らは無事であったか?」


「 ハッ!彼らはただいま回復処置を施しており、引き続き調査へと戻ったようでございます!」


「 そうか 。よい、分かった。そなたらもよく戻った。」


「 ハッ!!」


 凄い …… まるで海外の映画みたい


グレンと呼ばれた騎士は、私たちを一瞥すると、オーティスと呼ばれる老人と目線を合わせ頷きあう。そして、後ろに控えた他の騎士達にも合図を送り、左側のサイドテーブルへと向かった


そのやり取りをしている間に、サンチョともう一人の男性がどこからか椅子を持ち寄り、私達にも座るよう勧めてくれた。床に絨毯は敷かれているけど、その下が石なので足が痛い、だからこのタイミングでの椅子はとてもありがたかった


 私も猫脚の椅子が良かったな、とかぼんやり考えていると、制服の女の子の更に右隣にいる男性の方から「なんなんだよまったく 」とぼやく声が聞こえる

 その男性はサンチョから椅子を受け取ると「ありがとうございます」と丁寧に礼を言い、だけど「 はぁ〜 」とだるそうに溜め息を吐きながら椅子に浅く座り足を組んだ。


うわぁ、あの人なかなかに態度が悪いわね

というか露骨に機嫌が悪い


年齢は40代くらい? もっと若いかも

少しくたびれた白シャツの袖を 5分程度まくりあげ、グレー のスラックススタイルでいかにもサラリーマン風。だけどネクタイはしていない。一体何のお仕事をしているのかしら?


それでも私よりはマシな服装かもしれない

そう思って自分を見下ろすと黒のジャケットに黒のパンツ。おまけにインナーも黒で黒のパンプス。髪は後ろでキッチリ一つにまとめ、前髪も完全にピンで留めてカチカチに固めてある

眼鏡は大きな黒の丸フレーム

仕事帰りだったから仕方ないけど、こんな所に来るならもう少しマシな格好で来たかったかも

うーん、これじゃまるで他の3人のマネージャーのようなスタイルよね


だいたいここってどこなのよ??


私たち4人が椅子に座るのを見届けると、サンチョ達もバタバタと元の席へと戻った


そしてまた訪れる静寂 …


な、なんだか静か過ぎて耳が痛いわ

大変なことに巻き込まれたのは分かるけど、この緊張感は堪らない


なんかね? そう、嫌な予感しかない。


オーティスと呼ばれる老人が、改めて王様を、そして私たちを見つめ今度こそ静かに口を開いた


「 それでは説明しよう、この国の一大事を皆で話し合おうではないか 」


あぁ 聞きたくなかった

なんとなく予想はしてたけどこういう時ってやっぱり一大事なのね?

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