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探偵気取り  作者: サクラ
2/2

「よし、屋根裏から逃げれば…」

「お嬢様危険です。お部屋へ戻りましょう。」

これで何度目だ。どこから逃げても追ってくるこの大三は!

ちくしょう。いつもなら簡単に逃げられるはずだがこの大三が側近になってから一度も逃げられたことはない。

「お嬢様、今日は私のお仕事をご覧になりますか?」

私はこの瞬間逃げるチャンスだと思った。

「いいわ、お仕事を見してちょうだい。ちょうど気になっていたものだから。」

「分かりました。車で事務所までいきましょう。あと助手ということにしておきますので服装をなるべく派手になさらないようお願いします。あと名前で呼びますのでご了承下さい。」

このとき私は探偵がしていることを甘く見ていたと思う。


車に乗った時電話が鳴った。

「はい、大三です。はい、了解しました。すみませんお嬢様、現場にそのまま行くのですがよろしいですか?」

私は戸惑わず答えた。

「いいわよ。」

「ありがとうございます。」

車で依頼主の話を聞いた。依頼主は40代ぐらいの主婦、買い物に行っている間に泥棒に入られたらしい。警察にも連絡したが早急に解決してもらいたいので探偵をやとった、とのことである。

「あなたが依頼主ですね?」

「はい、田村 瑠美(たむら るみです。」

「私が木村探偵事務所、木村大三です。こちらが助手の悠です。」

呼び捨てはいやだったが我慢した。

「よろしくお願いします。」

「依頼は泥棒の逮捕でよろしいですか?では、詳しくお話を聞いてもよろしいですか?」

「はい、

今日の朝近くのデパートまで買い物に行きました。鍵はきちんとしました。あと侵入者が入ればアラームがなります。でも鳴らなかったんです。お昼前に戻ったら部屋が荒らされていてすぐ夫の(さとし)に連絡しました。そして警察にも連絡しました。でも夫の様子がおかしいので夫に隠れて探偵を雇いました。警察には伝えてあります。」

瑠美さんの夫が気になったので調べたら有名な政治家だった。私は重要なことだと思ってをメモした。

「それ私にも見してくださいね。」

ムカつくなこいつ、

「はい、分かりました。」

笑顔で言ってやった。

そのあとは警察にも事件のことを聞いた。警察も智さんの行動はおかしいと思っていたそうだ。しかし証拠がないので手出しができないらしい。そこで私たちに尾行をしてほしいとお願いされたわけだ。

私は逃げることすら忘れていた。

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