part4
「綺麗な雪山ですねえ…」
「そうだろ?」
転移の石でセントノーザレアに到着しました。元の時代では、セントノーザレアには小さい頃何度か来た覚えがあります。が、やはり過去の時代なので、石レンガを中心とした古風な感じの街並みですね。でも、街の北部に連なる山脈は、時代を越えても全く変わらず、そこに少し安心感が持てました。
「さて、と。早速図書館に行って情報を集めるとするか」
「はい!」
前回『勇者の福音』を手に入れるために来た時は、セントウェスティアの王様の情報にしたがって、ノーザレア地方の東側に焦点を絞って情報を集めていたようです。そして、今回はノーザレア地方の中央から西側の辺りに遺跡があるとの情報を王様から頂いてたみたいなので、今回はそこに絞って情報を集めるみたいです。
少し歩くと早速図書館に着きました。入口で受付を済ませ、中に入ると、手前に読書用のスペースが確保されていて、奥や二階には本棚が集中している、という構造になっていました。
「本棚が多いですね……ライラスさん。ここからどうやって目的の情報を手に入れるんでしょうか……本の置き場所を知っている司書さんでもいればなんとかなりそうですが……」
「ああ、ちゃんといるから心配すんな」
「よかった……」
との事なので、司書さんのアドバイスを元に、早速情報を本で集めていきました。
調べた内容を逐次共有していき、ある一つの結論にたどり着きました。
「どうやらセントノーザレアから北にある村の付近にあるみたいだな」
「地図によると、川に掛かった橋を渡っていくみたいですね」
「いやー勇者の福音の時は川を渡らなくてよかったよ。川を越えたら地上の魔物の生態系が変わるからさあ、大変なんだよ。え、どんな風に変わるんだよ、だって?それはね」
「訊いてないからさっさと行くぞ変態」
「だから変態じゃなくてヘンリーだからね?いくらアリアがナイスバディをしていて気を抜くと胸の谷間に目線が行きそうになるからといって、そんなことをするような僕ではないからね!?」
……怪しい。ちょっと真顔で差し迫ってみましょうか。
「……本当は?」
「悟られないようにこっそり見てましたすみません」
「正直者でよろしいです」
全く……私こんな役回りじゃなかったのに。一体誰のせいでこうなったんでしょうね?
まあ、こんな茶番は置いといて、早速北へ向かうことにしました。
道中では例によって魔物と遭遇することが多々ありましたが、特訓のお陰で足を引っ張ることなく戦えました。川を越えた先では、今まで戦ったことのない種族の魔物もいましたが、遺跡の情報を集めるついでで手に入った情報で的確に対処できました。図書館の情報量舐めちゃいけませんね。
と、いうわけで、難なく遺跡を見つけ出し、その入口までたどり着きました。
中に入ると、早速声が聞こえてきました。
「怒りの試練を受けし者よ……その力に値する力、知恵、そして心を示せ……」
その声を聞いてだんだん詳細まで思い出してきました。
勇者の試練は、勇者とその仲間の力、知恵、心を試すものです。具体的に言うと、まずは遺跡に作られた謎を解いて先に進む。次に、試練の番人と戦う。そして、最後に試練の番人からの問いかけに対し、勇者としてふさわしい答えを出す。といった流れとなっております。
……え、ヘンリーが言ってたんじゃないか、だって?そんなことは知りません。
まずは、遺跡の謎を解くことから始めましょう。
入口を進むと……
「色つきの珠が六つあるな……」
「しかもそれぞれ違う色になっているみたいだねえ。赤、青、黄色、緑、茶色、水色。うーん、何を示すんだろう……」
「ちょっと貸してみてください」
私は二人から珠を受け取りました。感覚を研ぎ澄ましてみると、その珠からは、それぞれ違う属性の魔力を感じました。そして、多分これは魔導解放じゃなくても魔力を引き出せるのではないかとも思いました。これを、ほかの皆さんに伝えると……
「なるほどね。でも、だからといってなんの役に立つのかはまだまだ分からないけどね」
「とりあえず、遺跡をさらに進んでいこう」
ライラスさんの言う通り先に進んでいくと、少し広めの空間に出てきました。
次へ進む道はちょっと先にある高台にあり、何とかしないと登れないような感じになっていました。壁には棘のある、枯れかけているつたが張っており、壁を無理矢理よじ登るにも無理がありそうです。まあ、元々登れそうな壁の角度ではなかったのですが。しかも……
「何この大きな穴。しかも下にはトゲトゲがあるから落ちたら確実に死ぬぞ」
ヘンリーの言う通り、落ちたらやばそう穴が。
ざっと見た感じでは他になんのヒントもなさそうでした。
「これどうするかな……」
「もう少し詳しく調べた方がいいかもしれませんね。ヒントがあるかもしれませんし」
そういう訳で、壁とか穴とかをもう少し注意深く見ることにしました。
[解説]
つまりあの珠でミスティックαで対応する属性の魔法を使えるようになるワケダ。
それが何を意味しているかは今回の冒険ではさほど意味無い。




