-幕開け:全ての始まり-
中学1年生の俺、この年で言うのもなんだが、適当主義者の岡林 律はいつもの如く、適当になんとなく幼馴染に宿題を任せに、これまた何となく行こうとしていた。
そうして到着し、すぐさまインターフォンを鳴らすと、すぐに出て来る。
カメラのあるインターフォンだから、相手からも誰かはわかるのだが…。
『はい、どちら様でしょう?』
「俺だよ、オレオレ」
『帰れアホ。また宿題押しつけに来たんでしょ』
「いやぁ…多少はね?」
『何が多少はね?よ。なんで毎度毎度こっちが宿題しないといけないのよ…』
「頼む!この通りだ! 」
『はぁ…ま、みっともないからちょっと待ってなさい』
そうやってインターフォンが切れると、しばらくして玄関が開き、幼馴染が顔を出す。
「はぁ、もう何度目よ……ってその袋はなに?宿題だけの大きさじゃないよね?」
「フッフッフッ よくぞ気が付いた。これぞ我が最終供物!ピザポテトとかカラムーチョとか色々なスナック菓子だッ!」
キメ顔でそういいながら宿題を入れた紙袋の中から何個か取り出すと、コイツは単純なのか、目を輝かせている。
「さ!速く入りなさい!そしてそれを寄越しなさい!さぁ早く!」
単純過ぎる…。とりあえず困ったらピザポテト、じゃがりこなどを適当に持っていけば必ず了承する。流石チョロイン…。
そうこうしながら俺達は宿題を何とか終わらせる(主にこの鈴野が全部終わらせたのだが)。
「いやぁ、持つべきものは友とはまさにこの事だ!」
「調子こくな適当主義者…」
コイツの名前は鈴野 七海。
幼馴染で、6歳の時から親同士の面識があり、それの子供だからということで何度か泊めたり泊めてもらったりしている。
「あ、そうだ」
と不意に鈴野は口を開ける。
「今日確かデパートの方でお菓子の79円バーゲンあるから手伝ってよ」
「またお菓子バーゲン?ほんとそういうとこだけは情報網広いよなぁお前」
「宿題やってあげたでしょー?!」
「へいへいわかりましたよー…」
そういいながらも重い腰を何とか上げ、外に行き、デパートの方へと向かった。
かくして、俺達はデパートの3階にあるお菓子専門店へと立ち寄り、お菓子の争奪戦の時間まで待つことにした。
「にしても量が尋常じゃないほどあるけど、お目当てなんなんだ?」
「無論、スナック菓子。あ、もちろんかば焼きとかもあったら全部取ってね」
「全部ってオイ…無理だろ…てかこんなちっさいビニール袋一個に入るだけ持って行っていいとか…」
渡されていたビニール袋は、ピザポテトなどの袋が三つ入ればいい所ほどの袋だった。
まぁそれだけ客に行き渡るように配慮したんだとは思うが…
「うん、それを使って無理矢理入って そのまま零れ落ちなければ全部込みで500円。最高じゃん!」
「いやそんな大阪のおばちゃんのような高等テクなんてないぞ俺」
「ずべこべいわずやる!」
「アッハイ」
そうしていると悲鳴が聞こえ始めると同時に大声で叫ぶ存在がデパートの中央から響いた。
「てめぇらよく聞けっ!今からここは全部選挙した!客であろうが店員であろうが出てこい!来なければ皆殺しだ!」
俺達は何が何だかわからないが、とりあえず隠れないとヤバいとだけ悟り、小さい体で隠れるため、裏の方へと走った。
ここのデパートには何度も何度も来ているため、全ての地形を把握している。
流石に裏側まではわからなかったが、とりあえず裏側に行かなければいけない気がしたのだ。
「おい!どこ行くよ!」
「知らない!とりあえず外に!」
「バカ!外出たらハチの巣だぞ!」
「じゃあどうしろって言うの!?デパート中央占領されてるんだよ!?」
「俺にいい考えがある。ゲーマー舐めんな!」
「ゲームじゃないしこれぇっ!」
などと声を殺しながら階段を上がっていく。
「ちょっとどこ行くの?! ここ屋上向かう通路でしょ!?」
「普通に考えて、ガンシューティングの鉄則は、見えない場所に人がいる。ならここは見える場所にはあの声のやつだけ!他のやつはトイレとか後ろの控室とかを見に行くはずだ!」
「え、てことはこれって」
「裏の裏ってわけさ! 屋上に行けばたぶん配電盤とか色々あるから、そこの裏に隠れるんだ!」
「なるほど!こういう時だけ頭が利くんだから!」
「こういう時だけってなんだよ!」
ツッコミを入れながらも屋上へと行くのだが───。
「おい…なんだよこれ…聞いてない…ぞ」
そこには、鍵が施錠された扉があった。
なんど動かしてもビクともせず、鍵を探さなければいかないハメになってしまった。
「俺に任せろとか言ってた割にはこの事考えてなかったんだ…」
「て、テレビでは全部開いてたんだよ!畜生…出戻りかよ…!」
「ど、どうしよう…来たらまずいよ…!」
「わかってる!考えろ…考えろ考えろ考えろ…!」
一旦戻って鉢合わせしたら殺されるのはわかってる。
いや、かといってここにいても時期に見つかる…
「…!そういえば、立ち入り禁止の場所 まだあったよな?!」
「え、あったっけそんな場所…でもあったような…」
「あったよ!そこに行こう!」
そう言って俺は鈴野の手を取って、道中にあった薄気味悪い扉の所へと走っていった。
そこしかないと思ったのは、何故かわからない。
だが、一つだけ確証があった。
昔、親父の所に釘を打ち出す機械があったことを思い出した。
たぶんそこの場所は工具用の場所。危ないからといって立ち入り禁止にしているのだと俺は思った。
そうしてなんとか階段を降り、身を隠しながらその場所へと来る。
「はぁ…はぁ…はぁ…やっとついた…」
「これで失敗だったら本当に…怒るからね…」
息を切らしながらもその扉のノブを捻ると…ビクともしなかった。
「…嘘だろオイ」
「はぁ…振り出しに戻った…」
そうしていると、コツコツという音とともに男たちの声が響いてきた。
「おい、そっちの屋上の偵察をしてこい。俺はこっちの渡り廊下を偵察する」
その声と共に悪寒が過った。
すると次の瞬間…。
──カチャンッ──
さっきまで扉が開かなかった立ち入り禁止のドアの方から聞こえた。
「速く相手くれっ…ってん?!」
軽く開いたのだ。
「え、なんで…」
「わ、わからないけど速く!」
声を殺しながらも俺達はその部屋の中へと入った。
暗くて何が何だかわからない場所だったが、外の電気が付いたところで擦りガラスだったため、中がおぼろげに明るくなったが…そこは、俺達が知っているような場所ではなかった。
そこには祀られたような跡、夥しいほどの呪符が張られていたのだ。
「お、おい…まずい場所に来ちまったんじゃ…」
「…き、奇遇ねぇ…私もそう思ってる…」
俺達2人は悩んだ。このまま外に出て殺されるか、ここにいて、もしもって時の恐怖に怯えるか…。
だけど、俺は思った。コ
コイツを守れるのは俺だけなんだ…と。
なぜそう思ったのかはいまだにわからないが、そう思い口を開いた。
「あ、安心しろ。俺が守ってやるからここにいよう…!」
そう、そうとしか言い方が思いつかなかったが、とりあえず恐怖心を押し殺すためにはこうしか出てこなかった。
「うん…頼りにしてるから…」
そう言うと、寄り添ってきた。相当怖いのだろうか、体が震えているが、俺も正直すっごく怖い。
どんなことになるかはわからないし、どんな物がここにあったのかもわからない。
ふと気が付くと、俺はある場所を見ていた。
壁の方向だ。その方向を向いているのか、何故かは俺もわからなかった。
目が離れない…まるで首を掴まれ、無理矢理その向きに固定されてるかのように。
無理矢理にでも鈴野も見ると、鈴野も同じような事になっていた時…背後からこう、女の人の聞こえた。
「──生きたいの?可愛い子供達」
どうも、新参の九尾と申します。
絵描きなどもしながら色々と手を出していたら小説にまで手を出し始めてました。
ちなみにまだどうやって終わらせるか決まっておらず、見切り発車レベルで書きなぐっています。
至らない点がありましたら、ご指摘、お願いします。