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召喚魔王の俺  作者: まひる
第2章
99/248

4.魔王が仲介します─5


「良いか、バカ共。忘れているようだから言っておくが、虹彩(こうさい)の色が金色なのは魔族特有だ。容姿が様々な魔族だが、それは全てにおいて共通だからこれだけは覚えておけ。」

 俺は3人組にそれぞれ視線を向けながら、最低限の知識だけを告げておく。

 獣人族(いぬ)種ですら、俺が(みずか)ら魔王だと言わずとも認識したのだぞ。鬼族がこんなんじゃ、魔族に先はないかもと不安になるだろ。


「ギャンギャンうるさいよ、アンタ達。魔王様がせっかく知識を与えてくれてるんだから、覚えておきなっ。」

 それでも口々に(わめ)く3人組に対し、アルフォシーナがハッキリと俺を魔王であると告げた。それにより、一瞬だけ彼等の動きが止まる。

 やっぱり気付いていなかったか。まぁ、魔王以外で黒を纏う事が許された唯一の種族だからな、鬼族鴉天狗種は。

 大きく溜め息をつく俺に、3人組の視線が集中する。

 男に見つめられる趣味はない…って、何度目だこれ。


「ま…さか…?」

「魔王、だと…?!」

「こんなチビが…!」

 再び口々に呟く。唖然とした表情のまま、自分達が(いま)だに武器を手にしている事を忘れているようだった。

 コイツ等、またチビって言いやがったよ。単に種族的な問題だっての!


「う、嘘に決まってる…!」

「そ、そうだよなっ。こんなヒョロイ奴が魔王だなんて…!」

「黒髪の人族なんて見た事もないが、どうせ変わり種なんだろっ?」

 初めは戸惑いつつ、それでも3人組で意見が合うと同時に口調が強くなってくる。

 ダメだな、コイツ等。俺の話を全く理解してないや。


「なぁ、アルフォシーナ。この封じ込めアイテム、最悪壊れても良いか?」

「ん。魔王様なら大丈夫。誰も怒らない。」

 小声でアルフォシーナに問えば、当然といった内容の返事が返ってきた。

 正当防衛がどうより、魔王(お れ)だからか。─まぁ良いか、それでも。


「なぁ、お前等。もう少し賢くなった方が長生きできるぜ?」

 そう告げるや否や、俺は3人組に対して威圧する。

 途端、グワリと周囲の空気が変わった。

「ひっ!」

「っ!な、何だっ?」

 (くちばし)と鴉人間が息を呑み、羽根男が意識を失ってその場に崩れ落ちる。

 魔力封じの中にいるからか、3人組も魔力耐性が低くなっているのかもしれない。それでもすぐ隣にいるアルフォシーナは顔色一つ変わらない為、単に3人組の弱さが露見しただけなのか。


「ま、魔王…だと?」

「まさか…、こんな所に…っ。」

 ビリビリとした緊張感の中、喉が詰まったように(くちばし)と鴉人間が口を開いた。


 だからさっき、わざわざアルフォシーナが教えてくれてたじゃん。


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