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召喚魔王の俺  作者: まひる
第2章
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1.魔王は人ではありません─4


 ニマッとフランツが黒い笑みを浮かべようが、俺は模擬戦をすると決めたのである。


「んじゃあ~…、騎士団各部隊長。魔王様との模擬戦を開始する。勝利条件はどちらかの降参、もしくは日暮れまで。(さん)!」


 フランツが鋭く命じ、各部隊長がそれに答えて周囲に散った。

 正確には、俺の周囲を取り囲むように立ち位置を変えたのである。


 本気でヤる気。面白い程に殺気を感じた。


 まず手始めに、一番図体の大きな竜族が飛び上がる。

 だがその動きは陽動で、実際には亜族達が獣人族と共に大振りの剣で斬りかかってきた。


 勿論本物─キレッキレの真剣なんだが、彼等は全く手加減をする気はないらしい。

 俺としては相手を殺す気はないから、これまた厳しい対応を迫られる。


 でも(よう)は、弾き返せば良い。

風壁(ウインドシェード)─俺の周囲─。」

 そう思い至った俺は、自分の周囲に風の防御魔法を展開する。


 攻撃転用可能な風の壁を、俺の周囲を張り巡らせる形でイメージ─発動。

 各部隊長達の攻撃を、軽々と弾き返した。


 獣人族も亜族も、個々の種族差で大きさが異なる。

 これ等全てに対応するには、実際問題として数が多すぎるのだ。

 俺は、誰一人として殺したくはないから。


 だが、魔族である彼等も甘くはない。

 弾かれたくらいで諦めてくれる程、(ぬる)い性格を持ち合わせてはいないようだ。


 簡単にいえば、魔法攻撃に切り替えてきたのである。


 俺の風の防御魔法壁に、ガンガンと様々な魔法が当てられた。火、水、氷、雷、土。

 中には、同系統の風魔法を当ててくる部隊長もいる。


 ここは鍛練場だから、地上にあるとはいえ、地下の鍛練場と同様に対魔法結界があるのだ。

 けどさすがに、地下のよりは強度に問題がある。

 俺の風の防御魔法に弾かれた各魔法が、その(たび)に鍛練場を取り囲む結界にぶち当たり、揺らしていた。


 これ、壊しそうだな。

風壁(ウインドシェード)─鍛練場全て─。」

 壊してしまえば、後々問題が出そうと判断した俺。

 鍛練場全てを取り囲む風の防御魔法を、即座に張り巡らせた。勿論、小声で。


 現在進行形で、各部隊長との模擬戦最中の俺。

 魔王(ゆえ)の有り余る魔力を使って、周囲への配慮をするのは俺的には当たり前だけど。各部隊長はそれが気に入るか分からないからな。

 つまりは、自分達の力を(あなど)っているのか、とか言われかねないし。


 けど実際、(あなど)られているのは俺の方。

 人族としての見目に、各部隊長達は獣人族と亜族だけで攻撃をしてきた。

 鬼族、ましてや竜族の出番はないと思っての事だよな。


 これでも俺、魔王だよ?

 勿論、力も記憶も、しっかり引き継いでるんだけど。

 舐めてかかってるとマジ、痛い目みるぜ?


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