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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
56/248

6.魔王は売約済みです─2

 あれから平穏な日常が戻り、俺はダミアン付きなら、城内の何処を歩いても問題ないまでになった。


 日に日に次期宰相候補者達が魔王城に戻ってきており、それと同時に、リドミラとの婚約発表も近付いて来ている。


蒼真(そうま)ぁ。遊んでぇ?」

 相変わらず身体のラインを強調した薄着で、柱の横から足を出す色気ムンムンのミカエラ。


 何の遊びをする気だ、こら。


「遊ばん。」

 溜め息をつきながら返答し、その横を通り過ぎる。

 これから宰相執務室に行こうとしていたのだ。


 それにしても、無駄に広い通路に、立ち並ぶ無駄に大きな柱。これらは人が一人、(ゆう)に隠れるサイズがあった。


「あ~ん、蒼真ぁ~。」

「ダミアン。こういう柱は、不用心じゃないのか?」

「そうですね。今まで何とも思いませんでしたが、確かに細身の者でしたら、身を(ひそ)める事が可能ですね。」

 無視されたと訴えるミカエラを放置したまま、俺は安全性をダミアンに問い掛ける。

 ダミアンもそれへ真面目に切り返しつつ、俺に寄り掛かろうとするミカエラを片手で制していた。


「んもぅ…蒼真、意地悪ぅ。いつもダミアンちゃんとばかり一緒で、わっちはつまらないのよぉ。」

 訴えながら自分の身体を抱き締めるようにする為、余計に胸が強調されている。

 ってかミカエラ、普段は何をしているんだ?


「ミカエラ。遠征、ご苦労だった。通常の仕事に従事(じゅうじ)してくれて構わないぞ。」

 一旦(いったん)足を止め、とりあえずミカエラに(ねぎら)いの言葉を掛ける。


 だが、ミカエラから思わぬ切り返しを受けた。

「わっちの仕事はぁ、お風呂と自分磨きなのよぉ?」

「は…?」

 思わず、()で聞き返してしまう。


 いや、待て。これは謙遜なのか?


「早くわっちの所に来て、一緒に遊ぼうよぉ。」

「…遊ぶ、とは?」

 額を押さえつつ、甘えてねだるミカエラに問う。

「え~?そんなのぉ…、ここでは言えないわよぉ。」

 クネクネと身体をしならせ、何故か照れるミカエラ。

 おいおい、言えない事って何だよ。


「…ダミアン。次期宰相候補者の選抜基準は、特定の変質性か?」

 思わず遠い目をしながら、ダミアンに八つ当たり気味(ぎみ)の問い掛けをした。


 だが、ダミアンは一瞬唖然としたものの、すぐにいつものように直立姿勢をとる。

「は…、いえ。わたくしは、詳しい事は分かりかねます。魔法士様が全てを(にな)っておりますので、詳細は…。」

「良いよ、分かった。…真面目に答えるなって。」

 あまりにも迷いのない返答であった為、俺の方が逆に反撃を受けた感じだった。


 はぁ……、俺がおかしいのか?

 魔族なんだから、人としての常識が当てはまらない事を、頭では理解してるんだけど。


 何処か皆、何故か変質的なんじゃないかっ?


誤字訂正(2016,04,28)

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