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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
47/248

5.魔王に噛み付いてはダメです─3


「ダミア~ン、帰ってこいっ。もう分かった。」

「…はっ?!も、申し訳ございませんっ。」

 俺はとりあえず、自分世界に入っているダミアンを呼び戻す。

 (われ)に返って慌てるダミアンは、俺の中では既にデフォルトで、もうこれくらいでは動じなくなった。


「ったく…、ダミアンは絶好調の通常運転だな。」

「はい…、申し訳ございません。」

 淡々と告げる方が、ダミアンには効果があるようだ。

 項垂(うなだ)れて、見た目は反省しているように見えなくもない。

 あくまでも、見た目だけだがな。


「とりあえず…怪我とかしてないようだし、もう寝ている必要もないだろ。」

 俺は起き上がって見えている半身を見回し、擦り傷一つない事を確認する。

「今は消えて綺麗なお身体に治っておりますが。闇魔力で包み込む事で、回復に集中しなければならなかったようだと、医師の見解です。」


「ふぅん…。」

 ダミアンが説明をしているが、俺は話し半分に聞いていた。

 そしていつまでも横になっているのも疲れる為、俺はさっさとベッドから降りる事にする。

「あ、お待ち下さ…っ!」

 ダミアンが慌てたような声をあげ、そして硬直した。

 ん?やけにスースーする…なっ?!


 いや、俺も硬直する。

 さすがに、()()とは思わないだろ。


 そして再起動。

 バサッ!

 思わずベッドの上掛けをダミアンに(かぶ)せたが、俺はその後の事を気にしていられなかった。

 とにもかくにも、着る物を探さなくては。


 ◆ ◆ ◆


「…その、悪かったな…。」

 まさかの寝起き早々の失態。

 男の裸なんて見せられても、気分悪いよな。すまん。

 

 着替え終えた俺は、そう思ってダミアンに謝罪したんだが─やはりそこは、変態度も通常運転中だった。


「あぁぁ…ぁぁ…、魔王…様…っ。」

 俺の被せた布団の奥から、絞るようなダミアンの声。

 ヤバい、これは確実に見てはならないものだ。


 このまま俺の寝室に放置するのも嫌だったが、今は(さわ)らぬ方が良しと判断。

 ソッと寝室を脱出する俺である。


 ってか、自分の部屋を追い出されるような感じで、イマイチ気分が浮上しないがな。


 ◆ ◆ ◆


 俺はそのまま、宰相執務室の方へ足を向けた。

 ダミアンがいない筈だから、今は誰もいないのかな。

 魔王城全ての知識があるものの、実際に俺の目で確認した場所は驚く程に少ない。


 つまりは、行こうとする場所に当てがないのだ。

 だから結局、行った事のある場所になる訳で。


 廊下の各所にはいつものように衛兵が立っているが、俺の歩みを誰も(さまた)げたりはしない。

 けど、何だか違和感があった。

 それが何かは分からないが、俺は当初の目的地に設定した、宰相執務室に到着する。


 そしてその重そうな扉を開けた時、違和感の正体が分かった。


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