表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
35/248

4.魔王にサカらないで下さい─1


 ふぁ~…、眠い。

 朝の(ひかり)に目を覚まし、やはりこれが現実なのかと一度だけ項垂れた。

 まぁ、すぐに復活したけどな。


 今は広い食堂にポツンと、寂しいお一人様朝食だ。

 いや、実際には一人ではないか。周囲を侍女風な女性型魔族に囲まれているからな。

 ただ、食べているのが俺一人。どうやら(おそ)れ多くて、魔王と食事は出来ないそうだ。

 くそ…、寂しくなんかないぞっ。


 それにしても、一言で魔族といっても、色々な姿をしているな。

 獣耳がついた…いわゆる獣人タイプもいれば、鬼のようなタイプ、昆虫タイプもいる。

 あ、魔王知識が、見目の整った者程、強い力を持ってると教えてくれた。


「魔王様。本日のご予定は、お決まりですか?」

 咀嚼(そしゃく)しながらボンヤリとしていた俺に、ダミアンが声を掛けてくる。

 そういえば、コイツもずっと後ろにいたな。

「あ~…、そうだな。とりあえず、今日はダミアンの観察をするつもり…だ。」

 思わず言葉に詰まってしまったのだが、俺の言葉を聞きながら、ダミアンの表情がこれ以上ない変化をもたらした。


 真面目な顔で、予定を確認してきた時は良かった。だが徐々(じょじょ)恍惚(こうこつ)としてきて、今では発熱を疑わんばかりの瞳ウルウル、頬はポーっと火照(ほて)ってる。

 本当に大丈夫か、コイツ。


「おい、顔を引き締めろ。」

 ムッとして、少し鋭い口調で告げた。

「はっ…、申し訳ございません。あまりの嬉しさに、心ここにあらずといった状態でした。」

 我に返ったダミアンは、慌てて言い訳じみた言葉を並べる。

 うん、見てて分かったけどな。


「言っておくが、他の奴等が各方面に出払ってるからだぞ?」

 誤解を与えないように、初めに釘を刺しておく。

「はっ。承知しておりますっ。一番だからと言って、至極嬉しいのですが、うぅ…っ、わたくし自身を抑え込んでおります(ゆえ)、うぅ…っ、大丈夫でございます。」

 話しながら、時折前屈みになるダミアン。

 抑え込んで、か。確かにな。コイツの場合、調教…教育が必要だから仕方ない。


「力を抜くなよ?」

「はっ。(かしこ)まりました。」

 俺の確認に、元気良く答えるダミアン。

「よし。食事が終わったら、お前の執務室に行く。政務を取りまとめているんだろ?」

 魔王記憶にあったが、ダミアンが仮宰相としての仕事を(おも)(おこな)っているらしい。

 という事は、一番次期宰相に近いと言える。


「はいっ。お待ちしております。」

 そして深々と頭を下げ、ダミアンは食堂を退室していった。


 しかし…、あの見た目でファンはたくさんいるだろうに、下半身を固めてるとかって…有り得んよな。

 この場にいる女性型魔族に、真意を聞いてみたいもんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ