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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
33/248

3.魔王の補佐は誰ですか─9


「四魔将軍は?」

「それは、次期宰相候補の、方々です。今現在、各方面の、人族討伐に向かっている事も、その一貫ですので。」

 インゴフは淡々と答える。

 魔王の側近である宰相や四魔将軍は、魔王が勇者に討伐された時点で、すぐに代役が務めるようだ。

 恐らく、過去幾度の魔王交代の際も、こうやって来たのだろう。


「俺の選択権は、選ばれた次期宰相候補から、宰相を決める事だろ?」

「それがまず、初めの政務に、なりますな。」

 インゴフは、ペロリと細い舌を出し入れする。

 うん、やはり蛇だな。

「分かった。んじゃ、とりあえず今日はここまでな。もう遅いから、お前達もしっかり休むんだぞ。」

 俺は片手を上げ、次期宰相候補の五人に告げた。

 とりあえず、長い一日がこれで終わる。そう思っていた。


「お待ちください、魔王様。」

 コンラートが立ち上がった俺を呼び止める。

 何だよ、解散って言ったろ?

 俺は少しムッとして振り返った。

「そうです、魔王様。まだ本日の夜伽(よとぎ)の相手を、ご指名頂いておりません。」

 ダミアンが言葉を続ける。

 ………は?

 今、俺の頭の上を、デッカイ(からす)が飛んでいったぞ。


「何…。」

 問い返そうとして、不意に頭の中で魔王記憶が再生された。

 …マジか。


「そうよぉ、蒼真(そうま)ぁ。わっちはいつでも準備万端よぉ?」

「あたしは…待ってなんか、いないんだからねっ。」

「俺は呼ばれんでも良いがなぁ?」

 ミカエラが(しな)を作り、アルフォシーナはそっぽを向き、フランツは首を(すく)める。


 も、もしかして、これがあったからコイツ等…戻ってきたのか?

 俺はかなりパニックになっていた。

 いやいや、待て待て!つい今日─正確には分からないけど、俺の意識的な─まで、普通の高校生だったんだぞっ?!

 そんなの知るかよっ!ってか、要らん!!


「…必要ない。」

 若干声が震えていたかもしれないが、可能な限り平生(へいぜい)(よそお)って答える。

 いや、本当に…それ以上何も言ってくるなよ?


「そっかぁ、良かった、良かったぁ。んじゃ、俺は戻るな~。」

 元々乗り気でなかったフランツが、早々に背を向けて玉座の()から退室する。

「残念…じゃ、ないんだから。おやすみなさい…。」

 少しだけ項垂(うなだ)れながら、アルフォシーナが退室していった。

「もぅ~、恥ずかしがり屋なんだからぁ。でも…、後でコッソリ、わっちを呼び戻しても良いからねぇ?んじゃ、おやすみ~、蒼真(そうま)っ。」

 何もしなくても大きな胸を、(さら)に強調して見せながら、投げキッスをしてミカエラも退室する。


 ってか、お前等も早く帰れよっ。

 口に出しはしないが、俺は目の前の銀髪と茶髪に胡乱(うろん)な視線を向けた。


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