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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
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3.魔王の補佐は誰ですか─7


「あぁっ!ミカエラ、魔王様に近付き過ぎですっ。」

 コンラートと言い合っていたダミアンが、ミカエラの行動に気付いて叫ぶ。

 距離感を告げられて視線を落とせば、それはそれは豊満な胸元が見えた。

 グハッ…、大ダメージ。

 驚いた俺は勢い良く()()り、そして思い切り後頭部を背凭(せもた)れに強打したのだった。


 いや、俺も男だし?金髪ゴージャスお姉様の胸元をこんな間近で見て、何とも思わない訳ないだろ。

 けど、それはそれ。ダミアンみたいに、ところ構わず発情はしないの、俺。


「大丈夫~、蒼真(そうま)ぁ。」

 歯を食い縛って両手で頭を(かか)える俺に、ミカエラは何故か(さら)に身体を寄せてくる。

 いやいや、本当に近いって。


「大丈夫だから…、少し離れてくれ。」

「そうですよっ、ミカエラ。だいたい、魔王様に対する言葉遣いがなってませんっ。」

 片手で制する俺の言葉に便乗して、ダミアンが身体を割り入れながら、ミカエラに注意をした。

 

 今度はダミアンが近い。

「お前等、初期位置に戻れ。」

 玉座に集まる銀髪と金髪に警告する。


「はっ。申し訳ございません、魔王様。」

「はぁ~い。わっちも戻るわよぉ。」

「全くもって、距離感を正しく把握していない者達ですな。」

「あたしはちゃんとここにいた。」

「俺も動いてないしぃ。だいたい、何でそんな人族の…。」

 様々な言い分が飛び交う中、相変わらずフランツだけは敵意を納めていなかった。


「インゴフ。この中から次期宰相候補を選ばなかったら、どうなるんだ?」

 俺は溜め息を押し殺しつつ、(そば)に立つインゴフを見上げる。

 これ等の次期宰相候補達を選んだのは、他でもないインゴフなのだ。


「彼等が現在、魔族の上位である事は、事実。それに、魔王様との連結(リンク)も、既に整っております(ゆえ)、変更は認められませんな。」

 断言し、蛇頭を上下に揺すっている。

 一人で納得して頷いてんじゃねぇっての。


「拒否権は。」

「ございません。魔王様を選出するのも、魔法士。次期宰相候補も、同じく。そもそも、我々魔法士がいなければ、認証の儀を(おこな)う事も、魔王様との連結(リンク)を確立させる事も、出来ませんからの。誰か一人を決めるのは、魔王様ですがな。」

 問い掛けも即、否定だ。

 ってか、魔法士最強じゃねぇかよっ。


「…あ、そう。」

 (あき)れて、それ以上何も言えない。

 もう、どうにでもなれと叫びたくなるだろ。…やらないけど。

 こうも周りの思うがままになるのが、非常に(しゃく)(さわ)る。


 この世界、絶対に変えてやるっ。


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