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召喚魔王の俺  作者: まひる
プロローグ
3/248

プロローグ─3


 それよりもコイツ、自分の名前を名乗ったではないか。

 つか、長いんだよ。

「デミ…、ルー…?」

 分からなかった。

 ()い物みたいな言葉だったかも。

 だいたい、横文字なんて聞き慣れないんだ。一度でハッキリと復唱出来るかっての。


「どうか…ダミアン、とお呼び下さいませ。」

「あ…、ダミアンね。オーケー。」

 長々と聞き取れない名前を言わされるよりもマシだ。

 俺はそう思い、早々に人外の呼び名を脳内メモに書き加える。

 ってか…何でイきそうな顔してんだ、コイツ。

 俺が名を呼んだ直後、恍惚(こうこつ)とした表情で身悶(みもだ)えているダミアン。

「…おい。」

 (あき)れと軽蔑の視線で見上げる。

 って…俺は今、コイツに姫抱きされてるんだった。


 空中に(とど)まっているから、誰に見られるでもないんだが…怖い絵だよな、これ─男同士の姫抱き─って。

「は…っ、申し訳ございません。つい、嬉しさのあまりタッ…。」

「それ以上言うな。15禁にしたくはないんだ。」

 (われ)に返ったかと思うと、ピー用語を堂々と言い放つところだった。

 本当にイきそうだったのかよ。…変態か。


「も、申し訳ございませんっ。魔王様に名を呼んで頂き、恐悦至極に存じますあまりにボ…。」

「おいっ。」

 頬を紅く染め、潤んだ瞳で何を言うつもりだ。

 いくら見た目がイケメンでも、変態は却下だろ。いや、それでも良いという変わり者はいるかもしれないが、少なくとも俺は却下だ。

「下ネタ禁止。お前の下半身事情はどうでも良い。」

 頭を抱えたくなってきた俺は、大きく溜め息をつきながら告げる。


 だが、この変態には伝わらなかったようだ。

「ですが魔王様。我々の感情はペ…。」

「ぅおいっ!」

 バシッ。

 思わずその場のノリから、スナップを()かせ、手の甲で突っ込んでいた。

 …ヤバい。

 いくら変態と言えども、コイツは人外。善人を(よそお)っていても、感情が下半身に直結しているとか言っている時点で、既にアウトだろ。


「……………。」

 恐る恐る見上げた。

 って、確実にイってるっ。

 全身を小刻みに震わせながら、口を半開きで恍惚(こうこつ)()らぬ方を見てやがる。

 俺、変なのに拾われた気がする。物凄くするっ。


「ぁあぁ……とうとう、シャ…。」

「喋るな。」

「ですが、セ…。」

「うるさい。」

「しかしながら、わたくしの…。」

「黙れ。」

 いたちごっこ、と言って良いのか。

 ダミアンが口を開く(たび)、俺は警告する。


 とにかく、ひたすらピー用語を口にしたいらしい変態と、俺はどう接すれば良いんだ。


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