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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
29/248

3.魔王の補佐は誰ですか─5


 俺は次期宰相候補の五人を前に、大きく溜め息をついた。

 今は場所を移動し、とりあえずのところ、玉座の()に全員を並ばせている。ついでに、インゴフも叩き起こしてやった。

 …深夜だがな。


「…で?お前等、他に言いたい事はないか。」

 玉座の肘掛けに片肘をつき、胡乱(うろん)な視線で見回す。


 各々(それぞれ)の態度は、これまた様々(さまざま)だ。

 インゴフは俺の(そば)に立ち、真っ直ぐ次期宰相候補達を見ている。

 フランツはそっぽを向いて、気に入らなさ感をバリバリ(かも)し出していた。

 アルフォシーナは、何故か食い入るように俺を見ている。

 ミカエラはやたらと身体をくねらせ、自らのボディラインを見せつけるかのようだ。

 コンラートは…、この場合の普通か。筋肉質の身体を小さく丸め、床に片膝をついている。


「とにかく、俺が新しい魔王だ。お前等はインゴフから選出された、次期宰相候補の五人である事は知ってる。だが、あくまでも候補者だからな。俺が気に入らなければ切り捨てるから、それだけは覚悟しておけ。言いたい事がないならこのまま解散だ。各々の持ち場に戻れ。」

 次期宰相候補達から発言がなく、意見がないものと見なして、それだけ言い付けた。

 だが、誰一人としてその場を動かない。


 何なんだよ、いったい。

「どうした。」

 涌き出た怒りを押さえ付け、問い掛ける。

「コイツも人族だろ?」

 フランツだ。

 この赤髪は、初めから俺の事を小バカにしている。

「以前は、だ。」

 俺は事実だけを述べた。

「何でこんなちっさい人族の命令に従わなくちゃなんねぇの?」

 不満を口にするフランツは、他の次期宰相候補達に問い掛けているようだった。


 だが、ちっさいは余計だぞ。お前等がデカいだけだからな。…傷付くだろ?


 ダミアンが俺との身長差から210センチだとすると、フランツは200センチといったところか。コンラートはダミアンより大きいから230センチ、ミカエラは俺より少し大きくて180センチだろう。

 安心出来るのはアルフォシーナだ。恐らく、150センチ程。一番小さいのは、明らかに彼女だ。


「何だよ。違うのか?アル。」

「ちっさい言うなっ。」

 ムッとしていたアルフォシーナに問い掛けた途端、フランツは噛み付かれていた。

 いや、本当にガブッとな。

「ぅおっ?何すんだよ、アル!」

 フランツはアルフォシーナの頭を鷲掴みしようとするが、捕まえる前に逃げられ、ミカエラの背に隠れられてしまう。


「後で覚えてろよ?アル。」

 噛み付かれた腕を撫でるフランツは、ジロリとアルフォシーナを睨んでいた。

 その左腕には、しっかりと歯を立てられた後が付いている。

 あ、勿論、血は出てない。歯形が黒く刻まれているだけだ。


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