表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
27/248

3.魔王の補佐は誰ですか─3


「ちょっとアンタ!何やってんのよっ。」

 その時突然、甲高い声が響く。

 振り返って窓の外を見ると、青い髪の活発ショートカットの女性が、フランツに食って掛かっていた。


 あ…魔王の記憶的に、あれも次期宰相候補の一人─アルフォシーナだな。

「こんな時間に魔王様直撃だなんて、バッカじゃないのっ?」

 キャンキャンとうるさいが、正論だ。

 俺もそう思うぞ。

「うるさいなぁ、アルは~。俺が来たいって思った時に来て、何が悪いんだよぉ。」

「それが悪いって言ってんのっ。」

 全く反省の欠片も感じないフランツに、アルフォシーナが腰に手を当てて怒っている。

 あ…、腰に小さな翼があるや。(からす)的な、真っ黒な羽根。パタパタ羽ばたいているが、あれで飛んでいるのか。


「うるさいわよぉ、アルフォシーナちゃん。」

 今度は、やけに艶っぽい声。

 視線を向けると、赤髪フランツと青髪アルフォシーナの後ろに、金髪ウェーブのゴージャスお姉さまがいた。

 客の多い日だな、おい。またまた次期宰相候補─ミカエラ─登場か?

「ミカエラ!あたしの事、ちゃんって呼ばないでよねっ。」

「あらぁ~、良いじゃないのぉ。ねぇ、フランツちゃん?」

 アルフォシーナが標的を替えて金髪ミカエラに食って掛かるも、プラプラと掌を振って流されている。

 ってかあんまり近付き過ぎると、アルフォシーナの額の一本角が、ミカエラに刺さるんじゃね?


「ミカエラ~、俺までちゃん付けか~い?」

「うふふふふっ、可愛いでしょぉ?」

 苦笑いのフランツにも、ミカエラは婀娜(あだ)っぽい仕草で身体をくねらせていた。

「あのさ~…アンタ等、俺の事を忘れてない?」

 とりあえず、窓の外の珍客達に対し、俺は自分アピール。

 そもそも、夜分に失礼しますって言う、丁重な扱いはされないのか?


「あ~ん、アナタが魔王様ね~っ。ん~っ、今度の魔王様ってば、黒髪の素敵な、お、か、たっ。」

 艶っぽく、ミカエラが腰をくねらせて窓に近付いてくる。

 魔王記憶で、身体に巻き付けられた半透明の羽衣は、飛ぶ為の物だと分かった。

 ってか、身体の線を強調するように巻かれてるんだけどっ?しかもその()れたウサミミみたいなの、角だよね?


「それ以上近付くな、ミカエラ。」

 野太い声が後ろから聞こえる。

 ったく、今度はっ?

 望んでもいない来客を迎える側としては、とても歓迎出来る気分ではないのだ。

 勢い良く振り返り、その後、内心で大きく溜め息をつく事になる。


 いったい今日はもう、どうなってるんだよっ。ってか、そもそも魔王になったのも今日じゃね?

 学校の帰宅途中からこっち、俺が目覚めて一日経ってないよな。

 事故の記憶の後少し途切れてるけど、気付いたら空から落ちて変態ダミアンに拾われ。毛むくじゃら蛇のインゴフに魔王にされ、(ようや)く日が暮れたかと思ったら、夜にはこれ?


 厄日だ。俺の平穏な高校生活を返せよ~っ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ