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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
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3.魔王の補佐は誰ですか─2


 魔族だろうが何だろうが、王に対し、火急(かきゅう)の用事でもなければ不敬だろ。

「俺が魔王だと分かっていてその態度とは、躾のしがいがあるな。」

 目が慣れてきた事もあり、フランツの姿がハッキリと見えるようになった。


「えぇ~っ。俺、躾されちゃうの~?それってさ、どんな風に?エロい?」

 (あき)れたように言い捨てると、フランツは楽しそうに聞いてきた。

 長い髪は全体的にウェーブが掛かっていて、角はないが、口許には立派な犬歯が見える。

 吸血鬼って感じだな。


 ってか、何でエロいか聞くんだ?

「馬鹿か。」

「えぇ~っ、良いじゃん。エロいの、好きだろ~?人族なんて、しょっちゅうヤってんじゃん。」

 ジト目を向けると、自分の意見を言い連ねる。

 ったく、これは人族に対する偏見か?

 そもそも繁殖期が特別決まっている訳でないのだから、種族的相違だろ。


「フランツが何を期待しているかは知りたくもないが、それを俺に押し付けるな。」

 アホらしいとばかりに片手を振るい、俺は室内に身体を向けた。

「ちょっと待ってよぉ~っ。せっかく来たんだからさぁ?とりあえず、俺と遊ぼうよっ。」

 俺の拒絶にめげる事なく、フランツは尚も言い(つの)る。

 馬鹿なのか、根気があるのか不明だ。

 だがそれでも、このまま付き合う事は出来ない。


「お前と遊ぶ気はない。そもそも、北の討伐指揮はどうなっている。」

 ハッキリと言葉にし、尚且(なおか)つ責任を問う。

 確か魔王の記憶でフランツは、北側の人族討伐の指揮を任されている筈だった。

「えぇ~っ。ちゃんとやってるよぉ、俺。今は新しく魔王様になったっていう奴の顔を見に来たんじゃん。けど、まさかこんなチビッ子とは思わなかったけどな~っ。アハハっ。」

 にやけた顔で話し、最後には堪えきれなくなったのか、本当に笑い出す。


 いかん…落ち着け、俺。そもそもコイツが入ってこないのは、俺が認めていないからだ。

 魔王の私室だけあって、オープンに見える窓には強力な結界が張ってある。いくら力ある魔族といえども、俺の許可なく入室は出来ない。

 第一、廊下にいるダミアンが、何もなく入ってこない筈はないのだ。


「勝手を言ってるなよ?」

「何さぁ~。ヤる気になったぁ?だいたいさぁ、元々人族なんだろ?ちょっと味見させてくれない?」

 俺の睨みは効かないようで、更なる不敬発言である。

 おいおい、大丈夫か?魔族。

 こんなんで本当に、魔王をトップとして纏まるのかよ。


「なぁ、なぁ~っ。聞いてんのぉ?」

 返答をしない俺に()れたのか、フランツは催促してきた。

 それでも必要以上に窓に近付かない。見た目程、阿呆(あほう)ではないのだろう。


 だが、どうすれば良いか。一度叩きのめしておくべきか?


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