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召喚魔王の俺  作者: まひる
プロローグ
2/248

プロローグ─2

 で、俺が見ちまったのは…一言でいうと、人ではない。そう、人外(じんがい)だ。

 見間違いじゃないぞ?頭部に明らかな、クワガタみたいな角がある。ご丁寧に、ギザギザとした複数の出っ張りまでついている。


「どうかなされたのですか?」

 不思議そうな顔で聞かれても、俺も困るんだ。

 そう、顔は人とそう違いはない。むしろ、整った顔立ちであると言っても良い。しかも、銀髪ストレートのロン毛。

 だが、その角は何だ。いや、それだけではない。今もバサバサと音を立てるそれは、他に言いようもない程、羽根だろ。羽、翼…そして俺は、人生初のお姫様だっこをされている。

 フギャッ!大ダメージだ。


「…とりあえず、()ろしてくんない?」

 俺が顔に片手を当て、(うな)っている事に疑問を持たれているようだが…今、それどころではない。

 先程肉体に受けたダメージは今はなく、それよりも精神的ダメージが大きかった。


「お言葉ですが、現在地ではその行動は()けるべきだと思われます。」

 丁寧語で反対される。

 何だよ、理由を言えっての。

 押さえた手の隙間から、俺が不機嫌な視線を向けたのが分かったのだろう。

「申し訳ございません、魔王様。」

 俺を姫抱きしたまま、器用に頭を下げる人外。

 いやいや、マオウって誰。…まさか、俺?

「認証の儀を()(おこな)う前の貴方様では、この地は危険が多すぎます。ここはまず魔王城に戻り、認証の儀を…。」

 俺の困惑をよそに、つらつらと話を続けている人外。

 って、おい。


「待て。マオウ、って誰だ。俺は逢見(おうみ)蒼真(そうま)だ。」

 突っ込み所満載だが、とりあえず名前を名乗ってない事に気付いた俺。

 そもそも、落下を止めてくれたのはこの人外だろう。

 見てくれはともかく、俺に丁寧語で話している事もあり、即危害を加えては来ないと思う。…思いたい。


「魔王様は、魔王様にございます。オーミー、ソーマダと(おっしゃ)るのは…。」

「逢見、蒼真。」

「オゥーミィー、ソーマ…?」

 何だその、腐ったような外人(なま)りは。そんなに俺の名前、発音が難しいのか?

 ってか、何故日本語が通じている?俺、日本語しか話せないし…。


「ともかくです。一度、魔王城に戻っていただきたいと存じます。」

 俺の名前を呼ぶのを諦めた人外は、開き直って言い切った。

「俺はマオウとかじゃないって言ってるだろ、人外。」

「ジン、ガイ?…いいえ、わたくしの名は、ダミアン・ルーガス・ヘイツにございます。」

 思わず鋭く言い返してしまった俺だったが、そこは気にしていない様子。


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