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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
19/248

2.魔王として何をしましょう─5


 両手で柄を握り締め、再度俺は踏み込む。

 短距離であるが(ゆえ)、接地点で魔力を爆発させるようにして勢いをつけた。

「っ。」

 ガキッ!

 二つの刃がぶつかり、耳を突き抜ける金属音が鍛練場に響く。

 その瞬間だけ、珍しくダミアンが苦痛の表情を浮かべたのが分かった。すぐにそれを消されたが。


雷電(ライトニング)。」

 次に俺は、身体全身に稲妻を(まと)う。

 本来ならば─人間ならば─命はないだろうが、今の俺、見た目は瞳の虹彩(こうさい)以外変わって見えないけど、肉体の強度は増しているようだ。

 つまりは全くといって痛くも痒くもなく、全身が発光して電気を()びている事が分かる程度。

 そしてその磁力を利用し、大地から(わず)かに浮かぶ。自分の身体を、擬似リニアモーターカーにしたのだ。


 ガン、ガッ、ギン、ガギィッ!

 幾度も方向を変え、ダミアンと打ち合う。

 だが、どの方向からの攻撃も刃を合わされ、攻撃が通らない。それどころか、初期位置が全く動いてないんだ。

 …さすがに身体能力は敵わないか。

 それならば、と俺は手にした長剣に魔力を集める。

氷槍(アイススピア)。」

 長剣を芯とし、魔力で氷の槍を形成した。

 これで、身長差から来るリーチをカバー出来るだろう。


 ガン、ギンッ、ゴッ!

 当てども当てども、全てダミアンに受け止められる。

 魔力込みでも、俺の力じゃ敵わないって事か?

 悔しさから氷の槍を握り締める。だが、それでも打開策を考える。

 ダミアンは俺の攻撃を受け流す程度であって、とても手一杯には見えない。全力を出していない事は明らかだった。


 悔しい。もっと力を…そうだ。力の使い方、検索。

 頭の中の膨大な知識から、俺は今の自分にあった情報を取り出す。

 まぁ、意識的に探そうとすると、勝手に幾つも思い浮かんでくるんだけどな。超、便利機能じゃん。


雷電(ライトニング)─足首まで─解除(リリース)炎装(ファイアイクイップ)─残る全身─。」

 俺は魔法をイメージする。

 雷電(ライトニング)を足首から下のみに残し、頭部を含む全身を炎の鎧で包み込んだ。


「お前の余裕、ぶち壊してやる。」

「っ?!」

 ニヤリと悪い笑みを向けると、ダミアンが目を見開く。

 そして炎魔法の力を借り、増強させた突きを食らわした。


 ダミアンが(みずか)らの剣を盾にするが、氷の槍はそれを食い破り、彼の左肩に突き刺さる。

「っ!」

 顔を(ゆが)ませ、背後へ飛ばされるダミアン。


 だが翼ある彼の身体が、そのまま無様(ぶざま)に壁へぶち当たる事はない。

 バサッと大きく羽根を広げ、すんでのところで(ちゅう)(とど)まった。


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