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召喚魔王の俺  作者: まひる
第4章
187/248

1.魔王と神力─1


「のった。」

 隼人の提案に俺は悩む間もなく答える。

「それでこそ蒼真だよ。策は任せても良い?」

「あぁ。……ダミアンを使おう。」

 却下される事を想定していない隼人に、俺は背中の闇魔力の翼を羽ばたかせて彼の聖剣を払った。直後、二人の間に大きな空間が出来る。


 その隙をついての念話。

『ダミアン。大きくなれるか?』

『はい、魔王様。魔力を使っての疑似個体でしたら、如何様(いかよう)にも。』

『OK。それなら、背中に軽く俺が乗れるサイズでこっちに来い。そしたら少しここから移動したいから、隼人を背後から脚で掴みあげてくれ。あ、演出だからな。傷は付けるなよ?』

『かしこまりました。雑魚の方の拘束が完了致しましたので、すぐにそちらへ参ります。』

『あぁ。』

 そんな風にダミアンとの打ち合わせが終了し、俺は隼人へニヤリと笑みを向けた。

 たったそれだけで通じたのか、隼人も小さく笑う。

 本当に、こうやっていると小学校の頃に悪ガキしてた頃を思い出す。色々と悪巧みしたな──子供ながらに、だけどさ。

 ただ、現状の俺達の手には本物の刀剣があるって事だ。


 再び魔法と互いの刃を交えていると、そう時間を置かずに巨大な影が勢い良く突っ込んでくる。勿論それはダミアンで、頭部までの大きさは二階建ての家くらいか。

 まぁ、見てくれはデッカイ鳥。

 そして俺の希望通りに隼人の背中を片足で掴みあげ、再び空に舞い上がった。

 そして俺は難なくその背に飛び乗る。

『このような風体で宜しかったでしょうか、魔王様。』

『あぁ、最高。このまま魔王城の南に行け。あそこに大きな湖があったろ。』

 既に俺は、魔王知識の中から都合の良い目的地を検索済み。

 このサイズのダミアンが舞い降りても問題がなく、尚且つ隼人との戦闘に被害がもっとも少ない場所だ。

 それに魔族の国の中心地に当たる為、そこまでは人族も進行してきてはいないと判断したのである。

『かしこまりました。』

 ダミアンも当たり前にその場所を知っているようで、方角を告げただけで了承が返ってくる。


「隼人~。乗り心地はどうだ~?」

「あ~……、最高とは言い難いけどね。プラス何だか頭が痛くなってきた気がするんだけど、上空の空気が薄いからかなぁ。」

 下を覗き込んで問い掛ければ、当たり前のように苦笑が返ってきた。

 ……頭痛だって?

『ダミアン。少し高度を下げてくれ。』

 心配になった俺は、念話でダミアンに告げる。

 しかし、返ってきた言葉は予想とは掛け離れていた

『神力が侵食してきます。』

 比較的落ち着いた声音──いや、声帯を震わせて話している訳ではないのだが──で、内容は結構ヤバそうな事をダミアンが答える。


 ちょっと待て。いったい何が起こっているんだ?

 俺は慌てて魔力の気配を探る。

 下を覗き込んで目を凝らし、隼人に集中。些細な変化も見逃さないようにだ。


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