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召喚魔王の俺  作者: まひる
第3章
184/248

6.魔王のあり方─8


「どうしてもか?考えは変わらないのか?」

 何度も確認をする。

「勿論。……僕は蒼真に置いていかれたって分かった時、凄くムカついたんだよね。」

「いや、何でだよ。おかしいよね、俺だって好きで事故った訳じゃないし。」

「そんな事は問題じゃないんだ。僕を、親友を放置プレイってどんなSなの。」

「はあっ?」

 既に論点がずれていた。

 だいたい、自分が死ぬ時に親友を道連れって方がおかしいだろ。そもそもあの時一緒にいた訳でもないし、放置プレイとかなんだっての。

 俺が混乱している間にも隼人との会話は続く。


「でね?僕は考えたんだ。蒼真のいない世界はつまらないから、どうしようかな~って。」

「いや、親友の分まで生きろよ普通に。」

「嫌。小2から一緒だったんだよ?人生の半分だよ?」

「だから何だよ。異世界に召喚されて俺の事忘れて、勇者って呼ばれて楽しんでたんだろ?」

 何だかバカらしくなってきた。

 俺は俺で、自分の事を忘れられてかなりショックを受けたんだからな。

「あ~、そうだね。蒼真の事を思い出せない間は、何か引っ掛かるものがありながらも比較的楽しかったかも。あ、冗談冗談。ごめんってば、蒼真。」

 売り言葉に買い言葉なのは分かっているが、隼人の放った言葉は俺の中の深いところを(えぐ)った。

 すぐに俺の様子に気付いて謝罪をしてくる隼人がまたムカつく。


「隼人の言い分は分かった。勇者として華々しく散って、あわよくば魔族に転職したいって事だな。」

「うん、ざっくり言えばそんな感じかな。」

 説得も何も必要なく、隼人は勇者でなかった頃と何も変わらなかった。

 自分に良い意味でも悪い意味でも真っ直ぐで、そのくせ少し天然。

「お前を魔族に出来なかったら、俺も一緒の墓に入ってやるよ。」

「うん、それで良いよ~。」

 根本的な解決にはならないかもしれないが、軽いノリの隼人から了承をもらう。


 そして俺達は再び剣を交えた。先程よりも激しくぶつかり合う刃。

 互いに遠慮がなくなったというか、本気で己の力を発揮出来ている。

 勇者と魔王の力の激突に耐えかねてか、空がおかしな色に変化して大地が更に震えた。

 周囲の地面が削れて吹き飛んでいく。

 近くにはダミアンと戦うその他三名の人族がいる筈だが、『勇者』と『魔王』の決戦に首を突っ込むバカはしないようだ。というか、次元が違い過ぎて出来ないのか。


 それでも俺と隼人の剣と魔法は止まらなかった。


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