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召喚魔王の俺  作者: まひる
第3章
183/248

6.魔王のあり方─7


「何さ、良いところだったのに。」

「いや待て、おかしいだろそこんとこ。何で自死を選択してんだ、ボケ。」

 思い切り突っ込んでしまったが、これは致し方無い。

 何を勘違いしているのか、自分が死ねば丸く収まると思ってそうだ。

「だって僕が蒼真の命を削ってるんでしょ?」

 ケロッとした隼人の言葉に、俺は脱力して座り込む。

 普段周囲を見る力が非常に高く優秀な隼人だが、彼には天然という必殺アイテムがあった。


「あのな。俺は、『召喚された者の命を代償に勇者としての力を与えてられいる』と言ったんだ。何勝手に、勇者が魔王の命で強化されている事になってんだよ。それなら、討伐しなくても勇者が存在しているだけで丸儲けじゃないか。」

「あ、そっか。……って事は?」

 説明には納得してくれたようだが、結論まで辿り着いてはいない。

「だから、勇者としての力を使うと隼人の寿命が削られる。」

「そうなの?僕、結構勇者してきたけど。」

「あぁ。こっち……魔族の見立てでは、既に本来の寿命の半分を使用済みだ。」

 お気楽な隼人に分かりやすく言葉にすれば、キョトンと間抜けな表情を晒した。

 そうだよな、ショックだよな……。

「そうなんだぁ。」

「って、おい軽いな!」

 慰める体勢になっていた俺に、予想の斜め上をいく隼人の見解だった。

 ずっこけそうになるのも当然だろ。


「だって、使用済みなら仕方ないよね?僕が今勇者なのは変わらないんだし、蒼真が魔王なのも事実なんだよね?」

「あ、あぁ。それはそうだ。」

「なら再度、勇者対魔王の決戦といこうよ。」

 ちょっとそこまでコンビニいこう的なノリで続けられた。

 待てよ?俺は懸命に隼人と戦わなくて済むように考えていたんだが、何故こうも好戦的にやっちまおうって思考に走っている?


「だからな?勇者としての力を……。」

「うん、聞いてたよ。僕が負けたら、蒼真の力で魔族にしてよ。」

「はあっ?」

 何だか話が見えない展開をされているようだ。

 隼人が勇者としての力を使って寿命がなくなっても彼の負け。魔王としての俺に敗北しても彼の負け。

 そこを、負けたら俺の……魔王としての力で『魔族』にして?そんな事が……いや、俺は人であったのだから不可能ではないのか?

「……俺が負けたら?」

「うん、勝者報酬として僕を魔族にして。」

「いやいやいや。同じだよね、それ。全くもってシリアスじゃないよ、どんな流れだよ。」

 全力で突っ込んだ。

「だって蒼真は魔族なんでしょ?」

 逆に不思議そうに隼人は首を傾げる。

 どうしましょ、この子。


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