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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
17/248

2.魔王として何をしましょう─3


 考えろ、俺。

 この国の歴史書とかを学ぶ手間は─記憶の継承で既に知っているから─掛からない。外見は色々だが、とりあえず言葉は通じる。変態はいるが、目下のところ俺が一番強い…らしい。

 勇者を警戒しながら、国を纏めるシミュレーション物だな。オーケー、オーケー。

 とりあえず、自分の力を知ろう。


「魔王様、戻りました。」

 俺が考えを纏めたタイミングを見計らってか、ダミアンが再登場する。

「よし、ダミアン。身体を動かしたい。付き合え。」

「は、はいぃぃぃ~っ。」

 視線で合図しながら足を踏み出した俺だが、ダミアンは入り口を入ったところで立ち止まってしまった。

 おかしな声を出していたが…、まさかな。


 ジロリと睨むと、小刻みに震えていた身体を直立体勢に直す。

「か、(かしこ)まりましたっ。」

「お前、おかしな事を考えてるんじゃないよな?」

「とんでもございませんっ。」

 歩み寄りつつ(いぶか)しんで見上げるが、とりあえずは問題ないようだ。

()()、覚えてるよな。」

「はいっ、身体に刻んでおりますっ。」

 改めて確認するが、ダミアンの返答は変わらない。

 ってか、刻んで?おかしな言い回しをする奴だ。


「インゴフ。軽く模擬戦が出来る場所は、地下だったな。」

「そうじゃな。あそこは、強固な結界を、二重に掛けてあるからの。」

 記憶の中から、魔王城の見取図を確認する。

 身体を動かし、記憶との違いや己の力を、早めに把握しなければならないのだ。

「ダミアン、ついてこい。」

「はっ。」

 俺の言葉に、意味を理解する間もなく、返答をするダミアン。

 そして俺達は、地下の鍛練場に向かう。


   ◆ ◆ ◆


 ここでは見慣れた黒い扉を開けると、運動場くらいの空間が広がっていた。

 城の地下の筈だが暗くもなく、電灯よりは少し弱い、光る球体に照らし出されている。


 記憶によると、照明(ライト)という魔法だな。前に見た、インゴフの点灯(ライト)松明(たいまつ)的な明るさだったのに対し、この魔法は固定式だ。

 つまりは本当に照明として、設置して使う魔法設備だろう。


「自動照明か?便利だな。」

 周囲を見回し、他に誰もいない事を確認する。

「はい。ここは魔法士の管轄ですので、立ち入る者の魔力に反応して照明(ライト)が発動するようになっております。」

 答える声に振り向くと、ダミアンは当たり前のように、俺の斜め左後ろに立っていた。

 これは俺が右利きである事を考慮しての、その立ち位置なのだろうか。


 ちなみに、インゴフはいない。

 あれはあまり摩核─認証の儀を行う部屋─から出ない、いわゆる引きこもりだ。


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