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召喚魔王の俺  作者: まひる
第1章
15/248

2.魔王として何をしましょう─1


「まずは手始めに、ダミアン。お前の下半身に、物申す。」

 認証の儀を(おこな)った部屋─摩核─から移動し、玉座の()にやって来た俺達。

 そこでとりあえず、今から何をするかの話になった訳だ。


「わたくしの、ですか?」

 不思議そうに小首を(かし)げるダミアン。

 いや、綺麗な顔してるが、下半身は何度かの放出で湿ってるから。

「イチイチ俺の言動に反応して、イってるんじゃねえっ。」

 思い切り指を差してやる。


 出会って早々から、コイツはおかしかった。

 この短時間の間に…、いったい何回昇天すれば気が済むんだよ。

「ですが、魔王様。我々の感情は…その、肉体と直結しておりまして。」

「それは聞いた!けど、頭では理解してるが、感情では納得出来んっ。縛っとけ!」

「良いんですかっ!?」

 感情的になって怒鳴り付けると、何故か興奮した表情で食い気味に問い返された。


 …お前、それで良いのか。

 一気に怒りが冷え、冷めた目でダミアンを見る。

「魔王様。ヘイツ次期宰相候補は、肉体的絶倫、でしてな。他の四人の、次期宰相候補と比べても、身体能力は、ずば抜けております。」

 淡々とインゴフが教えてくれる。

 けど、そんな情報はいらん。

 この顔で、絶倫って…いや、散々見せつけられたけど。ってか、それならどうすりゃ良いんだよ。


「他の次期宰相候補達が、こちらに戻れば、少しは落ち着くかも、しれませんな。」

 インゴフはシレッと告げる。

 他人事だと思って─いや、本当に他人事なんだけど。

 だいたい、コイツを選んだのもアンタだろうがっ。


 いかんっ。このままでは、変態話にしかならんではないか!

「ダミアン。俺の前でイくの、禁止な。」

「も、もしも…。」

「…通常状態に戻るまで、接近禁止。もしくは、おれの気分で接近禁止期間を設定する。」

 アワアワと震えるダミアンだが、俺はそう言い捨ててやった。


 だいたいもしもの心配するなんて、約束する気もないんじゃねぇかよ。

「返事はっ。」

「は、はい…っ。」

 俺の鋭い問いに、ダミアンは勢い良く返事をする。

「とりあえず、着替えて来い。分かったな?」

「か、(かしこ)まりました。」

 深く頭を下げ、ダミアンは玉座の()を退室していった。


「宜しいのですか?彼が一番、護衛に向いています。(そば)を離すのは、得策とは、思えませんがね。」

 インゴフからは表情が見えないものの、何故だか楽しそうな雰囲気が伝わってくる。

 くそっ、遊んでやがるな。

「いくら腕っぷしが強くても、隣で昇天されるのはどうかと思うぞっ。ってか、他の次期宰相候補達があぁだったら、俺はどんな無理しても帰るぞっ?!」

 拳を握り締め、俺は立ち上がった。


 俺は魔王とか言われて持ち上げられても、変態と共にありたくないんだっ!


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