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召喚魔王の俺  作者: まひる
第3章
130/248

1.魔王は人族でした─5


「全く貴方達ときたらぁ。」

「もう少し、考えて。」

 ミカエラとアルフォシーナに冷たい目で見下ろされる。


 俺の横にダミアンが寝ているのだが、ここは医務室。王城内にある各鍛練場に併設されている場所だった。


「ったく、驚かせやがって~。警告音が聞こえて駆け付けてみれば、地下の鍛練場が崩壊したって聞いてよぉ。」

 ベッド横に足を組んで座っているフランツは、腕を組んで偉そうである。

 だがそれに対して何も言えないのは、俺とダミアンの鍛練という名の()()が引き起こした結果だったからだ。


 あの時──二人の力が衝突し、核爆発と見紛う程の衝撃が解放された。結果、地下鍛練場は結界ごと崩壊。一時は何処からの襲撃かと、魔王城が騒然となった程である。

 勿論俺と連結(リンク)している四魔将軍は警告音で呼び出され、崩壊した地下から俺とダミアンの救出。同時に瓦礫の撤去や安全策、結界の再構築依頼等、細々とした作業を(おこな)ったと聞いた。

 そしてコンラートはその最終調整に行っていて、現在も戻っていない。


「すまなかったな。」

「申し訳ありませんでした。」

 二人して謝罪するも、ベッドに横たわったままでは全く格好がつかなかった。


「現魔族最強の二人が同時に倒れたら、人族にナメられるだろぉ。ってか、あの魔力波は人族の集落にも届いてるだろうから、近いうちに何らかの反応はあるだろうがなぁ。」

 大きく溜め息をつくフランツ。

 四方の人族とのいざこざが落ち着いたばかりだというのに、本当に申し訳なかったと思う。


「もう終わったことだものぉ。蒼真だって、たまにはハジケたいのよぉ。それに人族が何かしてきても、わっち達がまた遊んであげれば良いだけでしょぉ?」

「ん。魔王様は寝ていて良い。あたしが守る。」

「はいはい、そ~ですねぇ。そん時は俺も強制参加だからねぇ。……頼むぜ、本当にっ。」

 ミカエラとアルフォシーナから微妙に擁護されつつも、フランツの怒りが完全に静まった訳ではなかった。


 そこへ、静かなノックの音が響く。

「魔王様。」

「コンラートか。入れ。」

「お目覚めのご様子で何よりでございます。」

 入室の許可を得て入ってきたコンラートは、俺を確認して深く頭を下げた。


「あぁ、世話をかけたな。それで、地下はどうだ。」

「滅相もございませぬ。地下鍛練場は上部ドームの崩壊は勿論の事、場内は大きく欠損しておりました。現在土魔力の使い手が総出で形成作業中にございます。暫くは使えませぬが、王城までは被害がありませぬ(ゆえ)、魔法士のお歴々からは安堵の溜め息が聞こえておりました。」

 出来るだけ感情を見せないように問うも、コンラートからの返答は中々に凄いものだった。


 本当にすまない。


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