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召喚魔王の俺  作者: まひる
第2章
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5.魔王を誘惑してはいけません─1


 私室で目を覚ました俺は、ボンヤリと次の目標(ターゲット)を考える。

 ダミアンは終わった。フランツもアルフォシーナも終了となれば、次はミカエラかコンラートである。

 そんな己の思考に浸っている間に侍女風魔族が俺の身の周りを世話してくれ、気付いた時には既に身形(みなり)が整っていた。

 いつの間にか、立っているだけで全てを整えて貰える事に慣れてしまっている自分に愕然ともする。俺は普通の高校生だった筈なのに。


「魔王様。…魔王様?」

 突然目の前に大きな影が現れ、思わず闇魔力で攻撃をしてしまいそうになる。

「何だ、ダミアン。」

 内心の動揺を必死に抑えつつ、俺の顔を覗き込んでいたダミアンに問い掛けた。

「いいえ。ノックを致しましてもお返事が頂けず、魔王様に何かあったのではないかと失礼を承知で入室させていただきました。」

 深々と頭を下げたダミアン。

 どうやら、俺が再び思考の最中にあった為に気付かなかったようである。


「そうか。良い。少し考え事をしていた。で、何の用だ。」

「はっ。ミカエラが魔王様にお目通りを申し出ております。」

 俺の問い掛けにダミアンはスッと腰を落とし、片膝を床につけて答える。

 いきなり(ひざまず)かれるとか結構ビビるんだけど、そこは魔王(おれ)相手だからだよな。これもまた少し慣れてきてるんだけど。


「…そうだな、ちょうど良い。次の観察対象はミカエラにするか。」

 ダミアンのクワガタ角を見ながら、俺は先程の思考を思い出す。

 リミドラとの婚約式後くらいからあまり顔を見てない気もするが、基本的に今の俺に直接関係しているのはダミアンだからな。

「では、玉座の()に…。」

「良い。どちらにしろ、近くで観察するんだ。一応ミカエラにも執務室があるんだろ?」

 謁見用の場所にミカエラを呼び出そうとするダミアンの言葉を遮り、俺は直接(おもむ)く事を告げた。

 しかし、呼んでいる方の彼女に俺から出向く事は体裁が悪いのだろう。顔を歪ませたダミアンの反応から察する。


「あ~…、抜き打ち調査だな。アルフォシーナの執務室は酷かったぞ。まぁ、ミカエラの場合はゴミ部屋になってはないと思うが。それに私室ではないのだから、私物の持ち込みは限度があるだろ。」

「それは…そうですが。魔王様がわざわざ足を御運びになるなど。」

「だから、突然行くから抜き打ちなんだろ?それに、俺一人で行くとは言ってない。」

 咄嗟の思い付きで話をはぐらかせたが、ダミアンは渋ったままだ。

 俺はそれならばと、奥の手を用意してある。


「ダミアンが案内してくれ。」

「っ!」

 ハッキリと告げた。途端にダミアンが息を呑んで硬直する。

 やっちまったか?けど、俺だけじゃミカエラの執務室の場所が分からないし。


 魔王知識にあるそれっぽい部屋を片っ端から覗く訳にもいかないからさ。


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