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召喚魔王の俺  作者: まひる
第2章
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4.魔王が仲介します─6


「こ、コイツ…魔力封じが効かない、のか?」

「バカなの?魔王様は封じの魔石なんて効かないのよ。あたし達魔族の頂点たる存在の魔王様に、鬼族鴉天狗種封じが与えるのは軽い圧迫感くらいじゃないかしら。」

 鴉人間の言葉に、アルフォシーナが鼻であしらう。

 まぁ、言っている事に間違いは(ほとん)どない。


「くっ…、このままじゃ俺等が不利だ。封じの魔石を止めろ。」

「いや、奪われないように手元に持ってないから今は無理だっ。」

 焦ったように(くちばし)と鴉人間が言い合っていた。

 情報駄々もれなんだが、こんなんで良いのか鬼族鴉天狗種。


「頭が足りなさすぎるな。策略は慎重に細部まで詰めないとダメだろ。」

 思わず溜め息をつきそうになるが、威圧が解けてしまうのは拙いと気を引き締める。意図した訳ではなく視線が鋭くなり、増した魔力に当てられて鴉人間の顔がひきつった。

 ちなみに今の俺の魔力は、通常時の三割程度抑えられた状態である。それにこの程度の魔力封じでは、上位の鬼族鴉天狗種なら100%の封印は難しいと思われた。


「アルフォシーナ。どの程度余力がある?」

「ん。半分程度。」

「だよなぁ。これ、封じの使用者によって効果が変わるのか?」

「そうかも。普通は(おさ)がやる。アイツが(おさ)の末っ子だから、言いくるめて持ってきたんじゃないかと思う。」

 ぐうの音も出ない(くちばし)と鴉人間を見て、アルフォシーナが(くちばし)の方を指差す。


 (おさ)の子がこの程度の能力なのかと一瞬頭を(よぎ)ったが、能力が確実に遺伝する訳ではないのだ。

─社長の息子が使えないとか、良くある話だしな。

 だがその不出来な息子に対し、どのような教育を(ほどこ)したかが問題になる。まぁ、見たところ放任されているようだが。


「アルフォシーナはどうしたい?」

「魔王様を愚弄したから、処罰を与えるべき。」

 視線を向けて問えば、アルフォシーナは表情も変えずに言い切った。

 処罰、ねぇ。この魔力の低さでは少しばかり酷かもしれないが、その身で感じてもらった方が良さそうだしな。

「分かった。じゃあ、アルフォシーナの父さんに会いに行こうか。」

「良いけど…、何で?」

「竜族との橋渡し役にな。」

 俺の言葉にキョトンと目を丸くするアルフォシーナだったが、続けられた答えにニコッと微笑んだ。逆に三バカ残る二人の方は息を呑んだが。


 中々珍しい物を見られたな。普段表情が欠落してるから、彼女の笑顔は破壊力抜群なのだ。

 惚れるなよ、バカ共。


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