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計り知れない彼の秘密

 モザイクが必要だと思う。

 担任から彼の住所を教えてもらった次の日、休日であることを利用して私は彼の家を探していた。

 コンビニで場所を尋ねつつ、辿り着いた先にあったもの。


「ひ、一人暮らし……? ここで?」


 明らかに大きすぎるそこは、どちらかというと家族向けだと思う。

 高級住宅街に差し掛かった辺りから、おかしいとは思っていたけど。


「え……入りたくないんですけど……」


 自分の格好と目の前にそびえるマンションを交互に見ながら呟く。

 場違いすぎて、ちょっと泣けてきた。

 もうちょっと可愛い服を着てくればよかった。

 まさか、こんなところだとは知らなかったから。


「と、とにかく……インターホン鳴らすだけでも」


 エントランスに入って、またもや驚きで絶句する。

 自分の姿が映るほど磨かれた床はますます私に居心地悪さを感じさせた。

 恐る恐る奥に進み、インターホンの前に立つ。

 部屋番号を入力して暫く待つと、聞き慣れた声が聞こえた。


『ひ、ひよちゃん……っ?』

「こんにちは。……来ちゃダメでしたか?」

『今すぐ迎えに行くから、待ってて!』

「あ、先輩!?」


 プツン、という音が思ったよりも大きかった。

 学校を休んでると聞いたから、体調が悪いのだと思っていた。

 でも、そうでもないらしい。

 少なくとも今の対応を聞くと、いつもと同じように思える。

 ……まぁ、彼のいつもなんて知らないも同然なのだけど。


「ひよちゃんっ」


 本当にすぐに来た。

 そんなことを思いながら、私は声のした方へ振り返った。

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