4月2日 告白後編
ついに後編です。
急展開な予感
「しゅんっ!!これどうゆうことっ」
いつを見た瞬間私の口からその言葉が勝手に出てきたんだ。
そんなはずない...私がこんなものもらうはずない。
だってそうでしょ!?
だって、おかしいよ…そ、そうおかしいっ。あいつには彼女もいるし何より昔ほど私たちは仲も良くないし…それに私何か選ぶなら他の周りの女の子の方がよっぽど可愛いし…。
とにかく私がこんな手紙もらう理由なんて一つもないはずだ。
「ねぇ、どうゆうことか早く教えてよっ」
これ以上、待たされたら私の心臓がどうにかなるんじゃないかってほど、ドキドキ高鳴っている。
何でこんな高鳴っているんだろう…あいつ相手に…もしかして体調不良?そうじゃあければ、どうしたんだろ私……。
「お前、それ…きちんと読んだ?」
駿君が鼻頭を掻きながら目線も合わせず聞いてきた。やっぱり素っ気ない……。
「急いできたから読んでないけど?」
「じゃぁ、この場で読んで。俺あっちのベンチで待ってるから」
俊君は早口でまくし立てると、やっぱり私に目も合わせないでベンチの方に歩いて行ってしまった。
やっぱり冷たい、あいつ。そんなやつが私に告白するはずがないよね。
うん…きっと何か理由があるんだ…。うん、そうだ…きっと。
手に未開封の手紙を握りしめたまま少しの間考えた。
その時、私は悟ってしまったんだ…。
私は今日の昼に友達が昨日に騙された話を聞いたことを思い出していた。
そっか…、多分ドッキリなんだ…種明かしがこの中に書かれてるんだ…。
友達に聞いて始めて気がついたけど、昨日ってエイプリルフールだったらしいから…、今日に気づいたあいつが一日遅れで私に嘘をついたんだ…きっとそうだ。
あぁ、馬鹿らしい…まんまと騙された。
エイプリルフールなんてイベント、小学生以来意識したことなんてなかったから、すっかり騙された。
急激に冷めていく鼓動を感じながら、手紙を持ったままあいつの後ろに回る。
「きちんと読んだか?」
ゆっくり立ち上がると、やっと顔を見て話してくれた。
「……。ねぇ、しゅん君…全部、エイプリルフールだったんだね」
「うん…本当にごめん…」
俊君が気まずげに頷くのを私はただただ見ていた。
すると手紙を持つ手を暖かい何かが濡らしたんだ。
なんだろう、と上を向くと突然視界がぼやけた。
暖かな何かは私の頬をつたって、ポトリポトリと床に染み込んだ。
そっか私泣いてるんだ…。
そう自覚してしまうと、もう涙が止まらなかった。
胸がいたい…理由なんてわからない、でも痛い、すごく痛い。
私はしゃがみこんで、喉から漏れる声を必死でころした。
きっと、あいつは困ってるから…冗談ごときで泣かれるなんて思ってなかっただろうから…だから維持でも泣き止まないといけない…これ以上私はあいつを困らせたくないっ。
どれだけ止めようとしても溢れ出す涙は止まらなかったんだ。
「なぁ千春…、きちんと思いを伝えた今、もう一回きちんと言わせてくれ」
私の横にしゃがんで、ゆっくりと頭を撫でながら優しい声で、私にそう語りかけたんだ。
せこい…せこかった。どれだけ顔を見られたくなくても駿君にそう言われると顔を上げてしまうんだ。
私はぐしょぬれの顔で精一杯笑ながら顔をあげた。
「なに?別に嘘のことなんて「お前のことが好きなんだ!!」」
精一杯絞りだした私の強がりは正面から見つめてくる俊君の声で掻き消された。
「え?」
「お前が俺のことなんて好きじゃないのはわかってる。小さい時に傷付けといて今更都合が良すぎるのもわかってる、俺が昨日ついた嘘がお前を傷つけたのもわかってる…どれだけ不器用で、思いが伝えられてなくても俺はお前のことが好きなんだ!ちっさい時からずっとずっと千春の事はが大好きなんだ!!」
「え?へ?なに?」
状況に頭がついていかなかった。頭が真っ白になって、ただただ心臓がやかましく音をたてていた。
「だから、俺と付き合ってくれっ」
私の目をまっすぐ見て俊君はそう言った。
嬉しかった…ただ嬉しかった。
「……はい」
何も考えられない私の口からするりと言葉が出た。
「しゃぁああああああああああああああ」
いきなり立ち上がった俊君がガッツポーズを取りながらいきなり叫び始めた。
その状況をボーと見ていた私の頭がやっと状況を飲み込み始めた。
「へ?えぇ!?ちょっと待って待ってっ!」
忘れていた分を取り戻すかのように顔が火照り始める。
「ぁああああああああ、あ?……んと、何?」
ガッツポーズをとっていたあいつが気持ち悪いくらいにやけながらこっちにくる。
「ごめん、5分考えさせて…返事はきちんとするから」
にやけ顏だったあいつの顔がサッと青ざめて、引きつり笑になった。
「お、おう…わかった、5分後にまた聞くわ」
そういうだけいうと、手をついてうなだれ始めた俊君をほっといて、私は考え始めた。
私にとって、あいつは…俊君はなんだろう…。
俊君って私の何?友達?幼馴染?少し違う気がする、ましてや他人なんかじゃない。もっと大切な何かだ。
俊くんのことを考えてるだけで楽しくて、ただくだらない事を喋って登校してるだけで幸せで…きっと私にとって、俊君はそうゆう人だ。
そっか、私俊君が好きだったんだ…。
やっと気付けた、やっとモヤモヤの正体がわかった。
そっか…そうだよね、俊君だもん…。
「ねぇ俊君、こっち向いて」
うなだれる俊君の近くまで近寄って、しゃがんでそう告げた。
「もう良、っ!?」
俊君の言葉は途中で途切れた。正しくいうと私が無理矢理、途切れさせた。
目の前で驚いて目を見開いて赤くなっている俊君が少し可愛い。私は俊君の体に腕を回すとギュッと強く抱きついて、今よりもう少しだけ強く唇を押し付けた。
すると駿君がゆっくり目を閉じると私を優しく抱きしめてくれた。
しばらくたって、お互いがゆっくりと顔を離すと私は少し荒くなった息を整えると、
「私も好きです、俊君。付き合ってください」
私は優しく彼を蹴りながらそう彼に告げたんだ。
夕日が沈みつつある屋上で私たちは恋人になった。
やっぱり急展開でしたね。
ちっ、リア充爆発しないかなぁ←m(_ _)m
冗談はおいといて次はデート編です。