第八話 第一攻略艦隊の戦姫
一週間以内に投稿するって前話の時に言ったのに、ジャスト一週間経ってしまった… これはセーフ?アウト?
第八話はじまるよ!
尖閣諸島の奪還作戦まであと一日を控えた覇龍達艦艇。そんな覇龍の一室で何時もの三人は居た。
「明日には此処の港には私たちはもういないのですね…」
「確かにそうだね。はぁ、戦争かぁ…」 「何びびってるのよ」
「いやビビってなんかないって。ってか、絶覇に言われたくないよ」
よく見ると破龍も少し震えている。強がりを言っているにしても怖いものは怖いのだ。
「はぁ!?私がびびっている訳が無いじゃない!」 「嘘つき」 「なんですてぇ!」
破龍が素早く動いたと同時に神谷が「ごふぅ!」と声を上げながら吹き飛ばされていた。しかし、こんなか弱い?女の子ぐらいの艦魂が男の人を殴り飛ばせれるのだろうか。実は、艦魂は人間よりも力はとても強く、大の大人でも艦魂に簡単に倒されてしまうのである。
そんな艦魂相手に喧嘩をする神谷と艦魂の破龍(神谷が毎度の事のようにぼこぼこにされているが)に覇龍は「喧嘩は良くないです!」と、声を掛けるが二人の騒動に声をかき消されてしまって二人にまでは届かなかった。、しかし、そんな覇龍を手助けするかのように突然、「そこまでだよ!二人とも!」という声と共にまばゆい光が部屋の中に現れる。光は人の形を作っていき、
最後には艦魂達が現れた。
「じゃーん!ひゅうがちゃん登場!」
陽気な声と共に、ひゅうがが神谷の部屋に降り立つ。その後ろには、いせの他に何人かの艦魂たちがいた。
「…何しに来たんだ」
すっかり喧嘩の熱が冷めてしまった神谷がひゅうがに問いかける。
「んー?皆を紹介しにきた「貴様が艦魂の見える人間か?」まだ私喋ってるんですけどぉ!?」
ひゅうがが喋っているときに割って入ってきた艦魂があった。
「ひゅうが、お前のその態度はどうにかならんか?私はお前より年上だぞ」
「コミュニケーションを取るのに年なんて関係ないもん!」
その艦魂は小さいため息をついてから「お前は何かがズレているな」と呟いてから神谷に向き直る。
「もう一度問おう、貴様が艦魂の見える人間か?」
目の前にいる艦魂の迫力に少し気押されたが、神谷はちゃんと答える。
「ああ、そうだけど?」
「そうか、頼りなさそうな男だな」
「なんだって!?」
「頼りない」その言葉に神谷は少し怒りが込み上げた。会って間もなく、第一印象だけでそんな事をはっきりと言われたことに少しばかり腹が立った。このまま言われっぱなしでは、男のプライドに反するものがある。神谷はこの艦魂に言い返してやろうと企んだ。
それこそ、プライドに反するものだと思うのだが……
「そういう君はどの艦の艦魂なんだ?」
「私はミサイル護衛艦こんごう型一番艦のこんごうだ」
「こんごうねぇ…どうりで堅そうな訳だ」
「貴様、私を侮辱しているのか?」
「さあ、どうだか…」
「貴様っ!!」
今にもゴゴゴと聞こえてきそうな気迫にさすがの神谷も怖気づく。たぶん、覇月は絶覇たちが助けてくれるだろうと思い彼女達の方を向く
が、彼女達は震えながらひゅうがが連れてきた他の艦魂たちと共に、神谷に手を振っていた。まるで、死にゆく人を見送るように……
神谷が彼女達の行為の意味を理解した時には既に遅かった。
「死に晒せぇぇぇぇ」
こんごうの怒声と共に、こんごうの持っていた木刀が降りかかる。その瞬間自分の中がスローになり、頭の中でこう思った。
変なプライドは持つものじゃねえなぁ…
そして木刀が神谷のわき腹に直撃し、神谷は部屋の入口の扉まで吹き飛んだ。尋常な痛さだった。破龍のパンチとは全く持って比にならない。破龍かこんごうどっちのパンチを受けたいかと聞かれたら、喜んで破龍のパンチを受けに行くだろう。
パンで例えるなら、食パンで殴られるのと、フランスパンで殴られるぐらいの差だ。いや、今はそんな事どうでもいいのだが…
直撃を受けて悶え苦しむ神谷を見て、周りの艦魂はこんごうを怒らしてはいけないと痛感した。そして、神谷を殴り飛ばしたこんごうは満足しかたのように笑顔だった。
こんごうの攻撃を受けた等の本人は、死ぬような痛みにまだ苦しんでいた。そんな神谷の近くに一人の艦魂が近づいた。
「大丈夫、艦魂の攻撃で死ぬことはない。また、傷が表に出ることも無い。痛みは体中を駆け巡るけども…」
「げほっ、げほっ。き、君は?」
咳き込みながら腹を押さえてその少女に問う。
「私は、ミサイル護衛艦こんごう型二番艦きりしま…」
「げほっ…きりしまって言うんだね、よろしく」
そう言って神谷は手を差し伸べた。
「……」
しかし、きりしまは差し伸べられた手を無視して、そのまま光に包まれ自分の本体へ戻ってしまった。
「きりしまは人見知りなのか、コミュニケーションを取るのが苦手なのか分からないが、あまり他人と接する事が無いんだ。おかげで、私も姉妹なのにほとんど喋ったことがない」
こんごうが不満交じりに説明してくれた。
「ふ~ん…こんごうと接しないのはこんごうが怖いから…!!」
神谷はそこまで言って慌てて口を押さえるも既に遅く、こんごうにははっきりと聞こえていた。
「ほう…貴様はもう一度私の鉄槌を喰らいたいのだな…」
「いや…そういう意「はああぁぁぁ!!」ぎゃぁぁぁぁ!?」
神谷は言い訳をする間もなく声を上げながら木刀を振ってくるこんごうの木刀に吹き飛ばされた。しかも、木刀を当てられた所は先ほどと全く同じ場所である。
そして神谷は、また一人で悶え苦しんでいた。
「さすがに可哀想になってくるわね何回もあんな姿を見てると…」
「そうですね…」 「そうだね…」 「こんごうさん怖いですぅ」
破龍に続き、覇龍、ひゅうが、いせも可哀想なものでも見るような目で神谷を見ていた。
数分後、やっとの痛みから解放された神谷は残りの艦魂たちの紹介を受けていた。
「それで、君は?」
「私は、あきづき型護衛艦一番艦のあきづきです!今作戦は一生懸命頑張ります!」
「同じくあきづき型護衛艦二番艦のてるづきと申します。今回は誠に宜しくお願いします」
「あきづきとてるづきって言うのか、今回はよろしくね」
神谷は手を差し出す。
「は、はい!宜しくお願いします!」 「はい、全力を尽くします」
そう言って神谷が差し伸べた手を握るあきづきは、ほんのりと顔が赤く見えた。
笑顔であきづきとてるづきと握手をしている神谷と、神谷と握手しながら少し顔を赤らめているあきづきを見て、破龍は不満そうな顔をしていた。
「神谷!次の子よ!」
ちょっと怒り気味の声の破龍に神谷は疑問を抱えながら「ちょっと早くないか?」と示唆した。
「そうでもないわよ、さあ早く!」
なぜか破龍が暴走しそうだったので、神谷は仕方なくあきづき達に「絶覇が暴走しそうなんでごめんな」と一言謝ってから
次の艦魂と挨拶した。あきづきから離れる際に「いえ、全然大丈夫です」とあきづきが言ってくれた。良い子だなと素直に神谷は心の中で思った。ちなみに、こんごう達は覇龍と一緒にガールズトークをしていた。
「この子よ」
「君がそう?」
目の前の女の子に問いかける。
「ええ、私はそうりゅう型潜水艦一番艦のそうりゅう。よろしくね」
彼女は手を差し伸べてくる。
神谷はなにか素っ気ないなと思ったが
「ああ、よろしく」
そう言って神谷も手を差し伸べ、そうりゅうの手を握った。
「一応今回私達が所属する第一攻略艦隊の艦魂たちの紹介は一通り終えたわ。ってなんで途中から私が説明してるのよ。これってひゅうがの役目じゃなかったの!?」
名前を触れられたひゅうががガールズトークの中から抜け出して破龍の傍に駆け寄ってきた。
「いやぁーなんか破龍ちゃんノリノリっぽかったから任せような~って。なんか破龍ちゃん神谷君と一緒に居ると楽しそ……むぐぅ!」
破龍はひゅうがが喋り終える前に口を押さえた。…がひゅうがが言いかけた言葉があきづきだけには聞こえていた。あきづきはピクっと耳を動かすと、二人の会話が聞こえる所まで近づいた。
「な、何をいってるのよ、楽しんでるわけ無いじゃない」
慌てた声でひゅうがに囁く。しかし、その顔は赤く説得力がない。逆に図星を表しているようなものだ。
「破龍ちゃん分かりやすいねぇ」
「はぁ!?何を言ってるの!?」
異常なまでに取りみだす破龍にひゅうがは笑いを隠せなかった。
「な、何笑ってるのよ!」
恥ずかしさと怒りで真っ赤になった顔で破龍は怒った。
「は、破龍ちゃん。それ何ていうか教えてあげようか?」
「教えるってなんのことよ」
「破龍ちゃんの気持ちだよ」
私の気持ち?ひゅうがが何を言っているかさっぱり分からないと言う様な顔をした。
そんな破龍の顔をみてひゅうがは、やっぱり判ってなかったか。とでもいう様にため息をついた後、口を開いた。
「たぶん私の予想だと、破龍ちゃんは神谷君に恋してるんだよ」
「ふぇ!?な、何を言ってるのよあんた」
――私が神谷の事が好き?そんなはずな訳がない。あんな男のどこがいいのよ。
そう思い神谷の方を向く。すると、神谷と目が合ってしまった。その瞬間、破龍は神谷を直視できずに顔を真っ赤にして俯いた。
――なんで、神谷を見るとどきどきするの?これが好きという気持ちとでも言うの?
そう考えると、神谷の前にいるのが恥ずかしく感じて、居た堪れない気持ちになった。
そんな破龍を見て、あまりにも面白かったのか、ひゅうがは腹を抱えて笑い転げていた。全くもって能天気な少女である。このあと、ひゅうがは破龍に怒られる羽目になったのだが……
一方神谷は、部屋の現状を見て不安で仕方がなかった。
さっきまでガールズトークをしていた覇龍といせとこんごうであるが、覇龍といせはいつの間にか肩を寄せ合って寝ているし、こんごうは何故かは知らないが、神谷の椅子を壊している。てるづきとそうりゅうはいつの間にか消えて居なくなっているし、あきづきは何故か顔を真っ赤にして偶にこっちを見てくる。破龍は先ほど真っ赤な顔でこっちを見た後、笑い転げているひゅうがに拳骨を喰らわしていた。
これで明日の戦闘は大丈夫なのかと不安だけが募る神谷であった。
絶対に次話は一週間以内に投稿することを此処に宣言します!
という事で頑張ります!
さて、今回のお話はどうでしたでしょうか?
自分の気持ちに気付いた絶覇、これからの展開が作者も楽しみです。
この前、これを読んでいる私の知り合いに、「なろうのIDを持っていないから感想書きたいけど、書けないから作って」と言われたので、ブログの方を始めました。
恐縮ですが、もし、なろうIDも持ってない方々で、感想などがありましたら、そちらにお書き下さい。
http://zetuha.blog.fc2.com/
では、次話 尖閣諸島奪還作戦 をお楽しみに。