第十四話 小さな少女の無邪気な笑み
皆さん本当にお久しぶりです!
そして、本当に済みませんでした!
何度も「~までには書く」とか言っておきながら結局投稿しない日が何度もありました…本当に、本当に済みませんでした。
さっさと高校生活に慣れて、投稿速度を上げれる様に頑張ります!
それではどうぞ!
日本海軍の第一攻略艦隊は、強襲揚陸艦「神州」、「あきつ」を率いて沖縄に向かっていた。今日の朝に呉軍港を出発し、沖縄基地に向けて全速前進で向かっていた。第一攻略艦隊が呉軍港に駐在している間にアメリカ軍の軍隊が既に沖縄に着いたという連絡が昨日の24日に届いており、第一攻略艦隊が基地に着き次第直ぐに戦略を立てるとの事で、かつ迅速に素早く来てほしいとの事だった。そのため、現在第一攻略艦隊は全速力で沖縄基地に向かっているのである。
そして何時もの様に『覇龍=破龍』の一室では、一人の男と数人の女の子が騒いでいた。
「ちょっとひゅうが!私のラムネ取ったでしょ!」
「えへへ~それはどうかなぁ?」
「その怪しい笑みはどうみてもあんたでしょうが!」
絶破がひゅうがを捕まえようとするが、ひゅうがはギリギリでかわしながら逃げていた。ほぼ、何時もと変わらない風景である。
「いやぁ…何時も通りだな」
「何時も通りですね~」
神谷と覇月が部屋の隅で座りながら騒がしい二人を眺めていた。現在神谷の部屋には絶破、覇月、こんごう、きりしま、ひゅうが、いせ、あきづき、が来ていた。てるづきとそうりゅうは今日は来ていなかった。
「え、えと…てるづきさんとそうりゅうさんはどうしたのですか?」
「てるづきはやる事があるので行けないと言ってましたよ。そうりゅうさんは私にも分からないですね…」
あきづきといせが何やら話をしているが、神谷の耳にまでは届かなかった。
「きりしま…良かったらお姉ちゃんと一緒にお茶を飲まないか?」
「………」
こんごうは相変わらずきりしまと喋る事が出来ていない様だった。しかし、何故きりしまは他人と喋ろうとはしないのだろうか?と考えてみようとしたのだが、彼女には彼女のそれなりの理由があるのだろう。変な模索はしない事にした。
「それにしても、多国籍軍が結成されるとはな……」
多国籍軍の結成が決まったと知ったのは今日の朝。西森艦長によって教えられた。参加国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本が主軸となって、その他の国々も多数参加するらしい。
「世界はどうなってしまうのでしょうか……?」
覇月がふと、呟く。
「それは分からない。日本もどうなるんだろうな……」
自分達はたった一人の兵士。だからこれから何が起こるのかも理解する事は不可能。先の事をいくら考えても結果は出てこないのだ。ただ、日本の兵士として戦うだけなのだ。
「嫌な事にならないと良いのですが……」
そういって覇月は神谷と共に目の前の騒ぎを眺めているのであった。
―――――――――――――――
「え、え~と……神谷さん……」
「何だ?いせ……」
いせの言葉に返事をすると、恐る恐る返事が返ってきた。
「な、なんでこんな状況に?」
いせが困惑してる「この状況」とは、神谷と二人きりという状況である。小学5年生くらいの少女にとっては神谷は少し怖いのかもしれない。
「いやぁ…実はな……」
事の成り行きは数分前の事だった………
「神谷くん~私達には慣れて来た?」
言いながらひゅうがはラムネの瓶を持ちながら、酔った人のような真似をしながらフラフラと近づいてきた。そして、ストンっという感じで神谷の横に座った。
「少しは慣れて来たけれどやっぱりまだ実感出来ないな」
艦魂と呼ばれる者に会って既に数日が経つのだが、それでも偶に、目の前の彼女達が本当に存在している者なのだろうか不思議に思う時が少なからずとも何度かあった。
「まぁ、私が神谷君の立場だったら同じだよ。だから、これからゆっくり私たちに慣れていけば良いと私は思うよ!」
そう言いながらひゅうがは、徐に立ち上がって背伸びをした。
「そうだ!神谷君が慣れるよう、いせに練習相手になって貰おう!」
中々良い事を思いついた!というような顔をしていせを呼んだ。神谷は、心の中でいせに気の毒に…と同情の言葉を送っておいた。それと共に、ひゅうがに対してこんな姉を持たなくて良かったと思ったのは秘密である。
「……という訳で、こうしていせが呼ばれて俺の隣に座っているって事」
これまでの経緯を一通り説明して「ふぅ」とため息を吐いてから、隣にいるいせをチラッと見る。
「はぁ…全くお姉ちゃんったら……」
流石のいせも天真爛漫な姉には手を焼くのだろうか、ため息を吐いていた。
「お互い大変だね…」
苦笑いをしながら言うと、どうやらいせも同じような気持ちだったらしく「そうですね」と言いながらクスリと小さく笑った。自由すぎる姉のおかげで疲れているかもしれないし、さっさと解散でもするかと考えていた所に自分の顔を覗くいせが見えた。
「どうかした?」
「折角ですから何かしませんか?」
「でも、何もすることが無くないか?」
実際周りは海。二人でやることと言ったら限られてくる。それに今日は風が強いのでトランプなどは簡単に風に飛ばされてしまうだろう。
「そう言えばそうですね……」
そして、「う~ん」という様に考え込む。まだ見た目は全然小さいのに、一生懸命に頑張ろうとするその姿はちょっと可愛らしく見えてしまう。
「あ、あれ?神谷さん、なんか笑ってませんか?」
一生懸命考えるいせを微笑ましく見ていたからであろうか、どうやら笑っていると勘違いされたらしい。
「いや?笑ってなんかいないよ?」
そういせに向かって笑う。
「ふぇ!?そ、そうならいいですぅ…」
何故かいせが、顔も急に真っ赤にして顔を逸らしてしまう。神谷は、いせがなんで顔が赤くなったのかは分からないがとにかく、いせにはいせなりの理由があるのだろうと心の中で勝手に決め付けて自分を納得させた。
「あ、あの!今日はもう解散しても良いですか?姉に振り回されすぎて疲れちゃいました」
やっぱり疲れていたのだろうか?まぁ、これ以上彼女を疲労困憊にさせる訳にはいかないので、とにかく解散する事にする。
「分かったよ。それじゃあ、気を付けて自分の艦に帰れよ?」
ただ普通に瞬間移動を使えば良いだけの話なのだが、いせがこうも幼い子に見える為、何故か注意せずにはいられなかった。
「は、はい。……あ、あの!良かったら今度から神谷お兄ちゃんと呼んでもいいですか?今までお姉ちゃんだけだったので……」
あぁ…それもそうだろう。生れてから今日まで喋る事が出来る人間を見た事が無かっただろうし、そう呼びたくなるという気持ちも分からなくはない。
「そういう事なら全然大丈夫だよ。もちろん大歓迎さ」
「本当ですか!?やったぁ!」
まだいせと出会ってから数日しか会っていないが、彼女もこんな風に喜ぶ事ができるんだなぁ…と一人思う神谷であった。
「それじゃあ私は自分の艦に戻りますね!」
「あぁ、気を付けてな」
特に気を付ける事など無いのだが……
そんな会話を交わした後、いせの体が光り、消えて行った。
まずは足から、次に腰、そしてその次は胴、そして最後に頭という順で、「いせ」の飛行甲板に少女が現れる。もちろんその正体はもちろん「いせ」の艦魂である。しかし、その小柄な体は、ヘリコプター搭載型護衛艦という空母のような巨大な外見に似合わず、10歳くらいの少女の様な容姿をしている。そんな彼女はご機嫌な様なのか、「神谷おにいちゃん」という言葉を発しながら、自分の飛行甲板を嬉しそうに笑顔でスキップをしていったのであった。
あとがき☆コーナー!!
~きりしま・127mm54口径単装速射砲の傍~
作者「本当にすみませんでした!」
きりしま「………」
作者「次話からは段々投稿速度を上げていきたいと思います」
きりしま「………」
作者「こんな生意気な事を言いますが、どうか見捨てないで下さい!」
きりしま「………」
作者「あの、きりしまちゃん?何か言ってくれない?」
きりしま「………」
作者「僕一人じゃ結構きついよ……」
きりしま「………」
作者「………」
きりしま「………」
作者「………話してくれたら神谷君との会話数を増やしてあげるよ」ボソッ
きりしま「………!」ピクッ
作者「本当だよ?」
きりしま「作者……」
作者「なんだい?」
きりしま「くたばれば良いと思う……」
作者「ちょっと泣いてくる」
きりしま「………」