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第十三話 無口な少女の心の中は…

皆さん本当に済みません!


長らくの間、お待たせいたしました。

受験やらなんやらで本当に更新に遅れてしまい申し訳御座いませんでした!



さっそく謝ったのですが、次話もどうなるか分かりません……!済みません!



それでは、本編の方どうぞ!

「多国籍軍の結成が決定した」

電話越しに聞こえてくるの水上の声に西森は険しい顔つきを見せた。

「多国籍軍の参加を認める事になると『覇龍』の存在を明らかにする事になりますよ?」

軍事機密にしてある『覇龍』を後に宣戦布告するアメリカに教えると言うのだ。日本が戦艦クラスの艦艇を開発したのだ。『覇龍』の存在を知った瞬間に解析を進める事は間違い無い。

「それは分かっている…だが、アメリカの諜報部によると中国の後ろにはロシアが付くらしい。我が国は此処で倒れる訳にはいかんのだ。それに、平成の大和型が『覇龍』だけではないぞ?」

「そ、それはどういう「それでは宜しく頼んだぞ」

ガチャ。という音がした後、電話が切れた時の音が聞こえてくる。

「今のはどういう意味だったんだ……」

何処となく予想は出来たのだが、水上の考えを知るはずもない西森は戦闘指揮所の仲間と共に首を傾げるだけだった。




――――――――――――



「それにしても不思議な事があるものよね」

既に就寝時間を告げる放送が終わった『覇龍=破龍』の艦内の一室で絶破が吐いた。

「何の事だ?」

ベットに潜り込んだ神谷が聞き返す。小さな寝息が聞こえてくる。恐らく覇月は既に夢の中だろう…

「きりしまの事よ。この前、彼女が神谷に話掛けたでしょ?彼女から人に話を掛ける事自体がもう大事件なのよ」

昨日の勝ち祝いで、普段から話す事すらもほぼ全くと言っても良いほどしない、きりしまが自分から神谷に話掛けたのだ。きりしまの姉であるこんごうは盛大に噴いていたが、正直絶破も噴きそうになった程である。たぶん他の皆もそうだったかもしれない。

絶破自身もたぶん、一度もきりしまと話した記憶が無かった。その上、艦魂の中でもきりしまと話した事のある者も多くは無いのである。前にひゅうがから、きりしまをしつこく追いまわした結果、別世界から取り出した銃で脅され「もう二度と話しかけないで……」と言われたと聞いた覚えがある。ひゅうが自身は、きりしまと喋れる事が出来たと喜んでいたが、どう考えても会話と思えなかった。

とにかく、あのひゅうがをも切り捨てるほど、きりしまは人と接する事が嫌いな艦魂なのだ。

「そんなに凄い事なのか?きりしまが話すのって」

「少なくともこれから始まる戦いよりは凄い事よ」

おいおい。それってどれだけ凄い事だよ。と叫びたがったが、流石に就寝時間も過ぎているので仕方なく「そんなにかよ」と呟いて

布団に潜った。…………が、

(ト、トイレに行きたい……)

てっきりさっき済ましたと思っていたのだが、どうやら行くのを忘れていたようだった。正直、廊下に出るのが怖い。夜は見回りが何人か居るだが、必ずと言って出会えるとは限らない。それにトイレまでの道のりもまた怖い。流石に数量のランプが点いているが、寧ろその方が逆に雰囲気を掻き立てるからだ。しかし、神谷も一人の男である為に絶破に頼る事だけはしたくなかった。最悪な事に朝まで我慢する事も無理そうである。

神谷は何度か布団の中で悩んだ後、ようやく決心した。

(仕方が無い……行くか…)

のそりと身を起こし、覇月と絶破を起こさない様に自室を出た。

自室を出たそこは昼間とは真逆の雰囲気を醸し出していた。昼間なら人が行ったり来たりしている廊下だが夜は全く持って無音。ランプのお陰で足元は分かるので良いのだが、廊下の先の方は真っ暗で何も見えなかった。神谷は一つ身震いをした後トイレまで歩いて行った。



――――――――――――


(ふぅ…何とかし終えたな……後は帰るだけか)

はぁ…っとため息をつきながらトイレを出る。そして真っ暗な廊下を見てもう一度ため息をついた。この場でずっとため息を吐いていても仕方が無いので自室に戻る事にした……………が事件はそこで起きた。




後少しで神谷の自室に着く所だったのだが、丁度曲がり角の所で人影が出て来たた気がした。見周りなら懐中電灯か何かライトらしき物を持っている筈なのだがどう見ても何か持っている雰囲気がしない。とにかく、それが生き物だという事だけは確認する事が出来た。

すると、それがこちらに気づいたように歩み寄ってきた。

「………………」

「………ひっ!」

近づいてきたそれが何かを言っていたが、神谷は余りに突然の事に思考が追い付かず意識を失ってしまった。








『きりしま』の艦内で就寝時間を告げる放送が鳴った。『きりしま』の艦魂、きりしまは自分用の部屋のベットに潜り込みながら『恋愛必勝本』と書かれた本を読んでいた。きりしまの目に映るそのページには恋愛に関する情報が載っていた。

「恋愛の必勝その19、夜寝静まった時に寝込みを襲え。とにかく相手の主導権を自分に握らせる事を意識する事。決して相手に主導権を握られないよう気をつける事。自分のやっている事に疑問を持った時にはこの言葉を思い出せ――恋愛と戦争ではあらゆる戦術が許される。」

きりしまは本を見たまま一度頷くと、きりしまの周りが光に包まれてそのまま消えてしまった。



初めて会った人間の男は神谷幸次といった。初めての人間に興味を持った。初めての男に興味をもった。初めて自分の事が見える人間に出会えた事に興味を持った。神谷幸次という男は不思議な人間だった。初めて会う自分に、何時も無表情な自分に対して笑顔を向けてくれた。表では素っ気ない振りをしていたが、何かが温まる感じがした。そして、もっと彼に興味を持った。だから、この前は思い切って自分から喋りかけてみた。彼はきょとんとした顔で自分が差しだしたハンカチを受け取っていた。そんな顔もするんだ……彼女はもっともっと彼を知りたくなった。



しかし自分気持ちには気づく事の無く……




思い切って『覇龍=破龍』に飛んできたが、流石に夜中にいきなり人の部屋の中に入るという訳にもいかないので、神谷の自室の前に降り立った。確か前に覇月と絶破が神谷の部屋で一緒に寝ていると聞いた事がある。その為、彼女達を起こさないように静かに扉を開こうとしたが、きりしまが扉を開けると事は叶わなかった。足音が聞こえてきたからである。しかし、明かりは無い。という事は恐らく見回りでは無いだろう。とすると他の艦魂か人間か……そう思考を巡らせている内に足音が近づいてきた。とにかく足音の正体を確認するために角を曲がった。するとそこには見覚えのある人物が居た。


神谷だった。


しかし、神谷の方は誰か分からず混乱している様だった。それもそのはず、きりしまは艦魂の為人より目が良い。そのため、暗闇でも少しぐらい先までなら相手を確認する事が出来るのだ。しかし、この暗さでは人間の視力では目視する事は不可能な暗さであった。

「神谷…………」

「…………ひっ!」

きりしまが神谷の名前を呼んだのだが、神谷の方は聞き取れなかったのか小さく悲鳴を上げて気絶してしまった。こうして目の前で気絶して貰っては次に困るのはきりしまの方である。行き成り倒れた神谷にきりしまは躊躇したが少し悩んだ挙句。神谷をベットまで連れていく事にした。運よく神谷の自室が直ぐそこに在ったため神谷を連れていくのにそこまで苦労はしなかったが、覇月と絶破を起こさない様に運ぶのが大変だった。神谷をベットに寝かせた後、きりしまはしばし神谷を見つめていたが、暫く見つめた後、急に神谷の額に軽く口づけた。何故行き成りこんな事をしたのかは、きりしま自身も分からなかったが、自分がやったことを思い返し、顔を真っ赤にして光に包まれていった。



次の日、神谷は昨晩の事など忘れたかのように起床した。


きりしまは昨晩の事を忘れたくても忘れられる訳が無く、神谷を見た時は一瞬固まったが、直ぐに何時もの自分に戻った。


土から小さな芽が出した一夜であった。










作者とキャラ達による!あとがき☆コーナー


~こんごう・127mm54口径単装速射砲の傍~



作者「いやぁ~凄い久しぶりなってしまった」


こんごう「全くだ。一体どうしたらそんなに遅くなるんだ」


作者「受験で忙しかったんだよ!」


こんごう「その割には歌ってばかりだったらしいではないか」


作者「え?なんでそれを……」


こんごう「当てずっぽうだ」


作者「なっ!」


こんごう「しかし認めたな?」


作者「ひぃぃぃぃ!すすす済みませんでしたぁぁ!」


こんごう「歯を食いしばれぇぇぇぇ」


作者「ごふぅぅぅぅ!」


作者「………」ピクピク


こんごう「騒がしいくて済まなかったな」


こんごう「さて、今回はこれで……ん?作者の置手紙か?」


『皆さん、いつもご愛読有り難うございます。作者として恥ずかしい事なのですが、実は作品を見返して気が付いたのですが、絶破さんの漢字が「絶覇」になっていったのです(ここまで全部)ですので全て訂正をしておきました。(たぶん)それに加えて、キャラクター紹介編の水野君の紹介文を少し増やしました。今後、物語上で新しく設定が出来たり、ネタバレをしなくても良くなった所などが出てきましたら、どんどん付け加えていく予定です。その度にちゃんと報告致しますので安心して下さい。以上!   さくしゃ』



こんごう「……だそうだ」


こんごう「なんという間違いをしたんだ作者は……」


こんごう「あとでもう一発殴っておくか……」


こんごう「それでは、今回は世話になったな。また次話で会おう」




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