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第十一話 約束

皆さまこんにちわ‼


あの味、一時的なスランプに陥ってしまって今話は変に感じてしまったらすみません。次話までに頑張って治したいと思います。


さて、そんなこんなの今話。

書き方のスタイルを変えてみました!

それでは、どうぞ‼



4月17日に尖閣諸島奪還作戦で勝利を収めた日本軍は、第二攻略艦隊を尖閣諸島海域の残して本国に戻る事となった。しかし、戻る港は沖縄基地ではなく広島の呉軍港だった。呉軍港から強襲揚陸艦が出航する予定があり、その強襲揚陸艦「神州」、「あきつ」を沖縄基地めで護衛する任務ためだった。




4月19日、第一攻略艦隊は広島の近く、瀬戸内海に入り航海をしていた。そんな覇龍の甲板。

そこで、艦橋の水兵の死角に入らない場所で神谷達は初戦の勝ち祝いを開いていた。





「飲めやぁ~騒げやぁ~」

サイダーの瓶を振りまわしながらひゅうがが騒ぐ。それはもう酒屋の席に座っている酔っぱらったおじさんみたいな感じであった。ちなみに、サイダーなので酔っていない。

「お、おいひゅうが大丈夫か?」

神谷は思わず心配する。しかし、ひゅうがは神谷の声を気に留める事も無く、さらに騒ぎを続ける。

「馬鹿者。調子に乗りすぎだ」

そこにこんごうが、ひゅうがに止めを刺しに来る。こんごうが木刀を振ってひゅうがの脇腹に直撃させた。

「にゃふぅ!?」

ひゅうがは軽く吹き飛ばされ2、3度床を転がった後、壁にぶつかって「きゅうぅ…」と言ってバタリと倒れた。こんごうはひゅうがを吹き飛ばした後、ドスッ、っと床に座ってサイダーを飲んだ。

「ちょ、ちょっとこんごう?いくら何でもあんな事しなくても」

こんごうから受ける痛みを知っている神谷は、こんごうに訴える。しかし「人に迷惑を掛けている奴を黙らせてはいかんのか?」というこんごうの正論により黙るしかなかった。


「あ、あの神谷さん良かったら一緒に飲みませんか?」

気が付けばあきづきが傍に寄ってきていた。

「ん?ああ別に良いよ俺でよければ」

「本当ですか!?ありがとうございます!」

そう言うが早く、あきづきはラムネとコップを別空間から取りだす。そして慣れた手つきで蓋をあけ、コップにラムネを注ぐ。注ぐ時にビンの中にあるビー玉が当たり、カランカランと音を鳴らした。神谷はそれが何となく心地よく感じた。


「はいどうぞ、神谷さん」

そう言って両手でコップを持ち、渡してくる。なんとも愛らしい姿だろうか。

「ありがとう、あきづき」

神谷はコップを受け取りながら、あきづきに微笑む。すると、あきづきは顔を赤く染め顔を逸らした。神谷にはあきづきが顔を赤くしたのが見えず、何故あきづきが急に顔を逸らしたのか疑問を持ったが、彼女の事も考えて無駄な追及は行わなかった。一方、あきづきは顔は赤くしたまま慌てて自分の分のラムネを入れるが、慌てすぎてラムネの瓶を落としてしまった。ラムネを溢してしまい、さらに慌てたあきづきは急いで雑巾を出して床を拭こうとするが、その雑巾も落としてしまい、足で踏んでしまって素っ転んでいた。



「おいおい…大丈夫か?」

少し呆れ交じりに笑いながらあきづきに手を伸ばす。

「あう……一応大丈夫です…」

あきづきは恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にしたまま神谷の手を取る。しかし、神谷があきづきを起こすことは無かった。先ほど、あきづきが踏んで素っ転んだ雑巾が神谷の足元にあったからである。案の定、神谷は雑巾に足を滑らせ起き上がり掛けたあきづきを押し倒す形で倒れる事になった。

「おうわぁ!?」

「え?きゃっ!?」

神谷があきづきの上に覆いかぶさる。

「いったい、何が……?」

一瞬何が起こったのか全く分からなかった。しかし、自分は倒れているという事だけは理解する事が出来た。

「か、神谷さん……」

真下からあきづきの声が聞こえてきた気がした。何でだろうと思いあきづきの方に顔を向けることにした

「なに?………え」

あきづきの方に顔を近づけると、そこにはドアップであきづきの顔が映し出された。あまりにも急な事に神谷の心臓は跳ね上がる。あきづきも、これでもかという位に顔も真っ赤に染めていた。緊張であきづきの口から漏れ出す吐息が神谷に掛かる。その度に神谷の心臓は脈打つ…二人ともどうすれば良いのか分からず硬直しざる終えなくなった所に救いの手が差し伸ばされた。



「ちょ、ちょっとあんた達何してるのよ!」

ちょっと怒り気味の絶破が腰に手を当ててやってくる。「あ…いや………ごふぅ!?」言い訳をしようとした所にこんごうの木刀が飛んでくる。

「見損なったぞ神谷。そういえば、二日前の戦闘は危険過ぎでは無かったか。たっぶりと扱いてやる

覚悟をしておけ」

「ええ!?ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと!俺、ダメージコントロール担当なんだけど!?」

「そうなのか…しかし、行き成り女性に抱きつく事に関しては弁解の余地はないぞ?」

「ご、誤解だって!足が滑って……」

「誤解ですってぇ?何処の口がそんな事いえるの!?」

こんごうと絶破によって睨み殺されそうなほどの恐怖を味わっている神谷は、少しだけ涙目であった。

「あ、あの!神谷さんは悪くありません!私が悪いのです!」

あきづきが神谷の誤解を解くべく、声を上げた。

「大丈夫よあきづき。この変態は私が駆除してあげるから」

そう言って絶破は拳を鳴らす。神谷は「ひぃ」と短い悲鳴を上げていた。

「い、いえ、違います!私の不注意で!私が雑巾を片付けなかったから…!」

「別に庇わなくても大丈夫よ?」

「いえ、私にも責任があります!罰を受けるのなら私も受けます」

「真面目ねぇ……あきづきがそこまで言うのなら良いわ」

あきづきの必死の訴えに流石に許す二人。二人からの恐怖から逃げ出すことに成功した神谷は感謝のあまりにあきづきに飛びついた。

「ありがとう!あきづき!」

「ふぇぇ!?か、神谷さん!何をされるんですか!?」

折角、紅潮の収まった顔が再び真っ赤になる。そこへ再びこんごうの木刀が飛んでくる。

「神谷。今度は弁解の余地はないぞ?」

不気味に光る目をするこんごうに神谷は為す術もなかった。



――――――



「お疲れ様です」

こんごうによってしばかれた神谷に覇月は声を掛ける。ちなみに絶破は、あまりにもこんごうの雰囲気が怖かったので結局、あきづきと一緒に眺めるだけであった。覇月達他の艦魂達は気にすることなく、トークや本読んでいたりと様々であった。

「俺が一体何をしたってんだよ…」

「もうちょっとデリカシーを持ったらどうです?」

さすがの覇月も呆れ気味で答える。しかし、当の本人は何の事かさっぱり分からず首を傾げていた。覇月はため息を零した後、コップに注がれていたラムネを飲み干す。

「自分で考えてみてください」

コップを置きながらそう言ってひゅうが達の元に駆け寄って楽しそうに話を始めた。考えてみてくれと言われても思い当たりが無いのだから考えようがない。しかし、今はラムネを飲む事以外に特にやる事が無いので、仕方が無く考えてみる事にした。



………が



「いや、無理だろ」

無理だった。考えようにも何を考えればいいのかさっぱり分からず、何を考えるかという事を考えていたらその考えにまた考えさせられて考えていると、さらにその考えに考えさせられることとなり、埒が開かなくなったのでラムネを飲むことにした。

ラムネを飲みながら、何気なく周りを見回してみるとふと、視界に本を読んでいるきりしまが映った。

読んでいる本が気になり目を凝らして見てみるとそこには、『恋愛必勝本』と書かれていた。

「ぶふぉ!?」

思わず噴き出してしまい激しく咽る神谷。そんな神谷に気が付いたきりしまが近寄ってくる。

「大丈夫…?」

「ぶふぉ!?」

今度はこんごうが吹きだす番だった。普段から自分から話す事が無いきりしまが自分から話しかけたのだ、それを見ていたこんごうは驚くしかなかったのだ。

「これ…ハンカチ。良かったら使って……」

別空間から取り出したハンカチを取りだして神谷に渡す。

「あ、ありがとう」

「どういたしまして……」

きりしまはそう言うと先ほどの場所に戻り本をまた読み始めた。

「ばば、馬鹿な!きりしまが自分から話掛けるとは…」

先ほどから驚きを隠す事が出来ないこんごう。それもそのはず、何時も彼女は自分からきりしまに何度か話を掛けるのだが全く相手にされない

なのに今、目の前でそんなきりしまが神谷に自分から話しかけたのだから驚く事に無理もない。

「神谷ぁぁぁ!」

「え!?何何何!?こんごう!」

「死ねぇぇぇぇ!」

「なんでだぁぁぁぁ!?」





――――――





「そういえば今年は早咲きだったな…」

痛む頬を擦りながらふと、前にニュースで言っていた事を思い出した。

「そうなのか…どうりで今年は桜が見れない訳だ……」

先ほどの事を全く気にしていない様子のこんごうが気づいたように呟く。こんごうの言う通り毎年いつもなら海岸に近い公園に咲いている桜の花びらが

咲き乱れていて桜吹雪が舞っているいるはずなのだが、今年は全てが何も身に着けていない裸の桜の木しかなかった。

「残念ですね…楽しみにしていたのに……」

覇月が本当に残念そうに肩を落としながら呟く。

「来年、再来年もあるじゃないか。だからまだ何度でも見れるさ」

「でも、来年は皆さんと見れるのでしょうか……」

覇月の一言に神谷は言葉を詰まらせ、他のメンバーも顔を曇らせる。今は戦争中だ。この戦いが何時まで続くか分からない。そのため覇月の言う通り

来年から皆揃う事が出来るかどうかも分からないのである。このメンバー全員が居なくるという事だって0%では無いのだ。



「大丈夫さ。絶対に皆で戻って桜を見よう!……約束だ」

優しい笑顔を見せる神谷。その笑顔に何人かの艦魂はドキッっとしてしまう。


もちろん皆が絶対に戻って来れるという保証なんて無い。でも、戻ってこれると信じる事は出来る。

神谷自身もどうしようもない怖さがある。戻って来れないかもしれないという恐怖がある。

それでも、戻って来れる、戻ってきたいという思いはある。それは彼女達もそうだ。

神谷の一言で彼女らは笑顔に満ちる。

「そうですね!絶対に戻ってきましょう!」

「神谷にしては良い事言うじゃない」

「確かにそうだな。神谷の言う通りだ」

「私も神谷と見たいから……がんばる…」

「私も頑張ります!皆さんと一緒に見る為に!」

「さすが神谷君~良い事言うねぇ!」

「せ、精一杯がんばります!」

「私も最後まで皆さんに付いていきます」

「最後まで私が水中から守ってあげるわ」

彼女達は覇龍の甲板に立ち陸地を眺める。そんな彼女達は、恐れを感じない凛とした姿であった。




最後の桜の花びらが散った…………





神谷はこの日の事を忘れるなんて無かっただろう………















作者とキャラ達によるあとがき☆コーナー


~覇龍艦内、神谷の部屋より~


神谷「作者、なんで俺の部屋なんだ」


作者「何となく」


神谷「おい!」


作者「それよりも、いつもと違う書き方はどうでした?」


神谷「俺はちょっと見にくいな」


作者「誰もキミの意見を聞いていないよ」


神谷「なんでさっきから俺の扱い酷いんだ?」


作者「そういうキャラだからだよ、弄られやすいんだよ」


神谷「損な役じゃねぇか…」


作者「水野君と変わる?」


神谷「それは駄目だ!あいつが主役をやると色々と大変な事になる!」


作者「……そうだね、規制が掛かりそう……」


神谷「だろ…?」


作者「だね…」


神谷「そう言えば、新しい艦が出てきてたけれど」


作者「ああ、「神州」と「あきつ」だね」


神谷「モデルはあるのか?」


作者「もちろん!かつての日本陸軍が使用していた「神州丸」と大日本帝国陸軍が使用していた「あきつ丸」という特殊艦から来てるよ。ちなみに、今の強襲揚陸艦の先駆けと言える艦だったんだ」


神谷「ふ~ん」


作者「分からないのなら最初から聞かないでくれよ……」


神谷「艦魂のキャラは?」


作者「まだ決まってないよ……っていくか人の話はちゃんと聞こうね?」


神谷「それではまた、次話で!作者曰く、毎回次話の構成は決まっていないらしいです。」


作者「そ、そんな事無いに決まってるじ、じゃないか!」


神谷「やっぱ前途多難だな」

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