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野生児が4人と会話して会話して

感想アドバイス誤字脱字指摘批評罵詈雑言何でも来ぉい!

…………すいません罵詈雑言は勘弁してください……感想お願いします……

ミシェルも薄荷もゲーム内の名前です。本名じゃないのです。要するに何が言いたいかってーとミシェルは日本人。ガレンも。

薄荷はっかと名乗った男は倒れた男の一人を背負って、俺に次の街への道を案内した。俺ももう一人を背負った。

最初に呼び捨てにしてしまったのでそのままだが、もし気に入らないなら呼び方を改める、といったら笑ってそのままで良い、といった。なかなか人の良さそうな奴だ。

教えてもらった薄荷という漢字はとても難しく、ミントという意味だと教えてもらうまでなんでこんな名前にしたのか不思議でしょうがなかった。ハッカと聞いた時点で気付けよ、俺。

実年齢を聞くと、秘密だと言われた。高校生にも見えるし大学生にも見える容姿をしているので推定もできなかった。

門三かどみミシェルの方はミシェルにちゃん、をつけて呼べと繰り返していたが、反抗してつけずに呼ぶことにした。

次の街に着いた。この街、ルダはリヒテンと比べるとさほど発展した様子はないが、(というかリヒテンが発展しすぎなんだろう)とにかく広さはある、大きい街だった。

水の都、という感じ。ルダ、という名は道中に薄荷から聞いた。ヨーロッパのどこかにこんな街が実在したと思う。

水の都といっても水路しかないわけではなく、行き来に不自由しないように道や橋はたくさんあった。

NPCが小さい船(ボート?)で水路を行き来している。


「いやあ、助かったよ。ミッ……(ミシェルがジト目)シェルちゃんは胴もガレンも背負えないし、僕も二人を同時に背負うのは無理だから、ヒデカズがいてくれて本当に助かった。本当にありがとう」

「この程度の手伝いなら、例を言われるようなことでもないさ。それより、薄荷、この二人の名前を教えてくれないか?」

「こんなに時間がたっても目を覚まさないんじゃ、状態異常で気絶してるんだと思う……ちょっとショップでそれ用の薬買ってくる」


おい、それじゃミシェルと二人になって……行ってしまった。

ミシェルは俺を獲物を横取りした奴としか見てないので、二人きりというのは相当に気まずい。いや、前衛二人がいるけど。気絶中の。


「ヒデカズ。ミシェルに言うことはないですか」

「あー、あれだろ、獲物とっちゃってごめん」

「言葉に誠意が感じられないです。それか何かもので償えです」

「とかいっても、あのままだと4人仲良く全めt」

「だーかーらー!!ヒデカズがいなくてもミシェルが起死回生の怒涛の反撃をふぐ!?」


ミシェルたちと会う前に倒したモンスターから得たアイテムの、リンゴを口に突っ込んでやった。

ついさっき台詞をぶった切られているのでおあいこである。


「お前の言いたいことも分かった。だが俺の言い分も認めろ。それでイーブンだ。そのリンゴはやる、落ち着け」

「……慈悲で許してやりますです」


とはいいつつ、やはり俺をきつい目つきで睨んでいるのは変わりない。


「……そういや4人の職業知らないな。ちょっと言ってみてくれ」

「話そらしましたですね。まあ良いですけど」


リンゴをかじりながらミシェルが言った。

因みにそのリンゴはHPをちょっと回復する。これは赤リンゴだが、青リンゴはMPを回復だ。


「ミシェルが火の魔法使い、薄荷ちゃんが堰師、前衛二人が拳闘士ですよ。まあ属性は違いますけど」

「何で薄荷にちゃん付け?」


するとミシェルはにっ、と笑って、


「反応が面白いからですよ」


なんていいやがった。

ミシェルの笑顔を見るのはこれが初めてになるが、始めて見る笑顔がこんな悪そうな顔とか、嫌だ。


「ええと、じゃあ属性が火、水?、それと」

「雷、また火ですね。結構良いパーティだと思いますですよ。属性的な意味で」


ミシェルはグループのことをパーティというみたいだ。まあどちらでもいいか。


「拳闘士はそのまま、殴る攻撃をする職業だろ?でも、その、堰師というのが分からない。どういう職業なんだ?」

「堰師は堰師です。水属性ですね、聞いて分かるですけど。防御に長けた職業で、その代わり攻撃力はまるでないですね。基本、波師という対になる職業があるですけど、それと二人合わせて本当の力が発揮される職業です。そうなればかなーり、強いらしいです、まあ実際見たことはないですけど。

しかし何で薄荷ちゃんはそんな職業選んだですかね」

「本人に聞かないと分からないか」

「というか一度聞いたですよ。どうして波師の人がいないのに堰師を選んだのか」

「……で?なんて言った?」

「笑って答えてくれなかったです……」


沈黙。

そのままどちらもしゃべることなく、薄荷が帰ってきた。


「ごめんごめん、ショップの場所が分かりづらくて。どう?少しは仲良くなれた?」

「全然」「全く」

「そ、そう……そりゃ残念。じゃ、アイテム『着付け薬』を投与……ごめんヒデカズ、ウォッチ使い慣れてなくて、自分じゃなくて誰かに使うときはどうすれば?」

「ウォッチの『コミュニティ』から『贈答』、んで投与」

「コミュニティから……あ、あった、サンキュー」


そして、前衛二人が起き上がった。


「あ?ここは……もとの街じゃあ……」

「ルダ……もしかして俺ら、死んだのか?それに、一人多いぞ?」

「起きたね。おはよう」

「ああ……たしかあんのオオカミに吹っ飛ばされて……」

「おはよう?」

「俺は後ろ足で蹴らr「おはよう?」

「いやはっk「おはよう?」

「…………おはよう」「おはよう」


それを聞いて満足そうに微笑む薄荷。「おはよう」に何のこだわりがあるんだ……


「紹介するよ。全滅するとこだったのを「だからミシェルがはぐっ!?」はいはいミシェルちゃんは黙ろうかー?全滅を助けてくれたヒデカズ」


……ミシェルはずっとそれを言い続けるつもりだろうか。


「どーもヒデカズです。獲物とっちゃってすいません」

「そうなのか、助けてくれたみたいだな、ありがとう」

「そもそも俺が油断してなかったら……。ありがとう」


倒すはずだったモンスターを取られたということにも気にせず感謝を述べてくれる。

「ありがとう」の言葉は嬉しいものだな。


「俺は熊之古くまのこ どう。職業は火属性の拳闘士だ」

「ザンク・ド・ガレン。何か名乗るときにこの名前が恥ずいな……ちゃんと日本人だ。雷の拳闘士」

「あ、俺は土の魔法使いです」

「敬語なんていいぞ?べつに気にしない」

「俺も」

「じゃあ、そのとおりに。起きて唐突に悪いけど……二人は職業が同じだから出会うことはできるとはいえ、4人が出会うのは、難しいんじゃないか?どうやってこのグループができたんだ?」

「それは、僕が答えるよ。まず僕がこの街で堰師になってすぐ、ミシェルちゃんを見つけたんだ。それで声をかけてグループを組まないか話をしていたら胴が俺も混ぜろって加わってきたんだ」

「そんな横暴な言い方は、していない」


胴が訂正。


「そんで、3人だったところに次はガレンが入ってきたんだな。まあこんな感じで4人になったんだ。そしてグループを組んで、この街から近いあのところで狩ってたんだ」

「因みにそれはいつの話?」

「ん?今日の朝だぞ?」


なるほど。しかし話を聞く限り、それが本当ならかなりゲームセンスの良い4人の集まりってことになる。今朝あったばかりであのチームワークは、相当センスが良くないと、なかなかできないだろう。

素直に感嘆する。


「逆にこっちから聞いて良いか、ヒデカズ?」

「全然かまわないけど」

「お前のレベルはいくつだ?俺ら四人が、油断してたとはいえやられた相手を一人で倒したんだろ?そのお前のレベルが聞きたいんだが、いいか?」

「ああ、その程度。いいよ、別にそのくらい。でも、攻撃するたびに動きが止まったから、かなり楽に一方的に戦えたけど。まって、今ウォッチ見るから」

「自分のレベルぐらい把握してないのか?」

「レベルとかには頓着してないからね……あ」

「どうした?言いいたくないなら無理して言わなくて良いぞ?」


うーん、自分がチート持ちなのすっかり忘れてた……ウォッチ見て始めて気付くとかアホか俺は。まあ、いいか、レベルぐらいなら。



「レベルは、よんじゅ「はああ!?」



レベルを言いかけるといきなり台詞をぶった切られた。訊いといてそれはないだろう。


「40!?よんじゅうっていいかけましたよね今!?何でそんなにいっちゃってるの!?チート?チートなのぉ!?」


取り乱したミシェルがいう。うん、チートなんだよ。

というかあれキャラ作りだったんだな、『です』が抜けてるぞ。


「よんじゅって、ホント!?絶対嘘だってそれ!?」

「残念ながら、本当だ。嘘じゃない」


ガレンと胴の拳闘士コンビのほうは絶句している。

チートがあるのである程度の差をつけてしまうのは仕方がないと割り切ることにした。

そうでも思わないと俺の精神ダメージが……!


「ちなみに4人のレベルは、」

「25」

「26」

「21」

「26です」


順に、ガレン、胴、薄荷、ミシェル。

そんなことを聞くと俺のレベルがかけ離れていることが分かってしまう……

さっきウォッチで見た俺のレベルは46だった。


「そ、その高レベルの理由は」

「俺にもわからない」

「……」

「…………」


しかしこの場を何とか取り繕わないと。

でもチートのことは話さないほうが良いだろうし……ううむ。


「……でも、意外だな、あんなに上手に4人で戦っててそのレベルって。もっと上いってるかと思ってた」

「あんなに?いつから見てたですか?」


しまった墓穴掘った!


「いやその……あのオオカミが出てくるちょっと前から!」

「…………(ジト目)」


この状況、やばい。

逃げるようにして分かれるというのも視野に入れて考え始めた俺だが、


「そんなに強いんなら、何か称号あるだろ?」


ガレンのこの言葉で助かった。


「そうそう、一応称号持ってるよ」

「何て?」

「『生える土棘』」

「?もっかいいってくれるか?」

「『生える土棘』」

「……どきょくって何だ?」


ガレンが首をひねる。


「あ、もしかしてあれですか、ハ○レンみたいな」

「土から何か飛び出してたよね。突き出してた」


ここは見ていた二人に説明してもらう。


「へえ……そんな魔法があるのか」

「うん、まあ、そういうまほうがあって」


チートとはいわない。いえない。


「で、それを使うから生えるどきょく、と。どきょくって、なんていう字を書くんだ?」

「つちに、とげ」

「ふうん……」

「…………」


ガレンの言葉を最後に、誰もしゃべらなくなった。話題が無い。


「今夜はどうする?」


しかし沈黙を破ったのは薄荷。


「どうするって、なにがどうするですか?」

「この4人グループでこれからも狩りしたりしていくことになるだろうけど、夜ごとにメンバーが離れ離れで寝ると、翌朝の集合にとられる時間が惜しい」

「どうする、じゃなくて薄荷はいいたいことがあるってことだろう、それは。4人が同じ場所で寝泊りする必要があるって、そういいたいんだろう」


胴が鋭い眼光と抑制の聞いた声で言った。それは獰猛で自尊心の高い猛禽類を思い出させた。


「じゃあ、宿を取ってみるか。今まで宿を取ったことが無いから分からないけど、でも十分出せる金額で止まれると思う」

「今日で結構稼ぎましたですしね。オオカミを倒されるまでは」


根にもたれてるなー。


「じゃあ宿、取ってみようぜ?それでいいだろ?」


ガレンが促すと、他3人がうなずいた。うなずいたが、


「僕らはそうするけど、ヒデカズはどうするの?」


薄荷がきいてきた。


「ヒデカズさえ良いなら、しばらく僕らと一緒にいても良いんじゃないか?皆も、良いだろ?だから」

「……わかった。しばらくは、このグループと一緒にいることにする。

でも、それはしばらくだ。レベル的な差ができてしまっているし、一緒に狩りをしてもお互いに得るものは無いだろうし」

「分かってるよ。いつまでも一緒にいないかなんて言わない。一期一会、ってことが言いたいだけなんだよ、俺たちは」

「ミシェルをその中に入れないでくださいよ」


◇◆◇◆◇◆◇


さし当たって、宿を探したのだが、すぐ見つかった。

宿はバーと一体になっていて、一階がバー、それより上の階が泊まる所らしい。

バーには意外と多くのプレイヤーたちがいて、活気が今まで見たことがないくらいだった。


「あの辺のモンスター、お前倒したか?」

「ねえ、レベルいくつになった?」

「あの装備がほしいんだ、一寸金かしてくれね?」


その活気はただ人が多いというだけの活気ではなく、前向きに生きているが故の活気のようだ。

見ると、若い人が多く、大人(オジサン的な年齢)は少ない。やっぱり若い方が適応できるのだろうか。


「バーだね、ここは」

「ですね」

「じゃあそういうことで、何か頼んでみようか」

「じゃあ、じゃねえ薄荷。この人数がいるんだ、俺らの分のベッドが余ってるのかを先に心配しろ」

「それなら胴、君が行って来てよ、明らかに宿泊専門な受付の人がいるでしょそこに」


そういって薄荷が指差したのは、カウンターで飲み物を出してる人(NPC?)と少し離れて、ペンと紙を前にして立っている人だ。

ピシッとした服、真面目な表情、良いホテルの従業員って感じがする。でも場違いだな、ここでは。

胴がガレンを見る。

ガレンは肩をすくめる。

そして胴がその人のところへ歩いていった。


「胴が行ってくれたことですし、何か注文しましょう!」

「注文って……バーって注文って言葉を使う店だっけ?」

「使っても良いと思うが……ミシェルが言うとファミレスにいるような気分になるな……」


俺の疑問にはガレンが答えてくれた。

いつの間にかミシェルと薄荷がテーブルの一つをとっていた。そこで二人が手招きしている。

俺とガレンは歩いていって座った。


「こんなに人を見るのは、この世界に入ってからは初めてだね」

「ですねえ。そう考えるとなんだか感慨深い気がします」

「他のテーブルはいろいろ頼んでるな。スパゲッティにピザに」

「あっちはチーズフォンデュか。……どうやって作ってるんだろう、裏方がいるのか」

「ヒデカズ、そんなメタな疑問はダストシュートしちゃってください。食べられるときに食べておく、人間はこれが大事ですよ」

「何を言ってるのか……。あ、でも」

「どした?」

「運営に質問したことがあるんだけど、この世界、何も食べなくても生きられるし何も問題ないみたいだけど」

「あー知ってる。それ僕も質問した。

でも、食べなくて良いからって、食べちゃだめって訳じゃないでしょ?偶には何か口に入れて飲み込みたくなるのは自然なことだと思うけど?」

「ペタの無駄遣いになるとしても?」

「無駄じゃないよ、即物的な見返りを求めちゃだめなのさ」


そこで胴が戻ってきた。


「とまれるようにしてきたぞ」

「胴さんきゅでーす」

「そんな気持ちのこもってない感謝はいらん」


胴も座る。


「宿泊代は翌朝らしい。夕食、つまり今だな、これは金を払って食べ物を買っているが、朝食はオプションだから、朝食後に払えばその分高くなる、食わなきゃ現価だと。

あと、宿泊人数の限界ってのはないらしい。無限に泊まれるわけだな。さすがは非・現実」

「あ、胴、」

「あーあー、心配するなお前の分も取っておいた」


安心。よかった。


「そんなことよりなんか食べたいです!」

「「自分で買いにいって来い爆発娘」」


胴とガレンがはもった。


「まったく、レディーに買いに行かせるなんて、非常識にもほどがあるですよ」

「腹の立つ奴だ。薄荷、お前も行け。お前ら二人が戻ってきたら俺たちが行く。交代だ」

「了解。」


ミシェルと薄荷が腰を上げ、カウンターのほうへ歩いていった。


◇◆◇◆◇◆◇


今、テーブルの上に並んでいるのはピザとハンバーガー。完璧に場の雰囲気無視だが、全員が同じものを頼んだのだから人間というのは不思議だ。


「何でみんな同じものを食べようとするかなあ……」

「薄荷、あきらめろ。自分だって同じものを食べようとしてるだろ」


何をあきらめるのか分からないが、そういってガレンがたしなめる。


「はむ、すごくおいしいですね……空腹は最高の調味料といいますが、それなら絶食は究極の調味料ですかね。んぐ、もっと買ってきましょうか」


先駆けて一人食べるのはミシェル。それを見ておのおの食べ始める。

しかし、本当においしい。2倍、3倍の値段を払っても良いくらいだ。払わないけど。NPCも受け取るとは思えないし。


「ところで、ヒデカズ。蒸し返すようで悪いけど、何であんなにレベルが高いんだ?何も心当たりとか、ないのか?効率よくモンスターを倒すコツとか……」

「悪いけど、何もない。どうしてこんなになったのか、一番知りたいのは俺だ。本当に分からない」


嘘だ。興味を抑えようとして抑えられていないガレンに悪いけど、おいそれと教えてはいけないと思った。周りの人の耳に入るかもしれないわけだし。


「そうか……再三聞いて悪かった」

「二度目だよ」


微笑みはサービス。料理のせいで出た俺の気まぐれ。

普段は微笑みかけるなんてこと絶対にやらない。


「で、その腹立つレベルの話を置いといてです、称号ってどうやって広まるですか。自分のステータスでしか見れないなら広まるわけが無いと思うですけど」

「いや、ステータスでしか見れないわけじゃない、ウォッチでどんな称号の人がいるのか、見れる」

「どんな風にだい?」

「ウォッチで、中略「略すな」称号獲得者ってとこがあって、そこで新しい称号が次々表示されていく」

「でも、全部ウォッチだけで、そんなに名前が広まる?」

「まさか。ほら、あれ」


ガレンが指を差す。

そっちには、いかにも情報交換、という感じで話し合っているグループがあった。二つの離れたテーブルにそれぞれグループがいて、たまに称号がどうとかレベルがどうとか協力とか狩りとか、そんな話し声がちょっと聞こえてくる。


「まああんなふうに口から口へ伝わっていくんだ、きっと」


ガレンが称号についてやたら詳しくてきぱきと説明していく。

何故にそんな詳しい?


「いや、自分の称号にしたいのがあってな……恥ずかしながら、全く申請を受け付けてもらえなかった」

「それっていつの話?」

「結構前だ」

「この4人で狩り始めるよりも?」

「前だ」

「それってレベルいくつですか?なんてつけてもらいたいのか分からないですけど低いレベルで申請して簡単に称号がもらえるわけが無いと思うですが」

「だよなあ、分かってるんだけど……」


あきらめきれないらしい。

何て称号をつけてほしいのか聞くが、どんなに聞いても教えてくれなかった。


「でも、申請と勝手につけてもらうのと二つでも、どっちにしてもそんなに簡単に称号って得られないと思うけど。すごいよね、ヒデカズを含めて、称号持ってる人は」

「あ、そういえばの話なんだけど、いい?」

「どうぞどうぞ」


話を中断して譲ってくれる薄荷。すまん。


「俺たちはレベル1から始まってるけど、ペンタゴン・オンラインをやったことがある人はそのキャラクターのレベルで始まるらしいってこと」

「はい?もっかいいってください?」

「ペンタゴン・オンラインをやったことがあれば、ちょっとしたチートになるってこと」

「…………」


4人絶句。


「その情報は、どこからなんだ?おまえ自身とは言わないだろうな?」

「言わないよ。知り合いに情報屋志望の奴がいてね、そいつと別れるときに餞別代りにもらったんだよ」


そうか、といってため息をつく胴。


「めちゃくちゃな世界だな、ここは」

「今更」



言ったのは誰だか、もしかしたら俺かもしれないが。

あまりにも自然な言葉だった。

そうだな、あまりにも今更だ。

しみじみと感じた。感じられるようになってしまった、と言うほうか正確かも知れない。



小説の内容の続きをしばらくしてから出します。その間投稿ないかもです

内容も一寸飛びますし……

そういうことです、ほんのちょっとの充電期間をさせていただきます、再開の折にはよろしくお願いします。

一ヶ月以上あける気はないですけど、2週間で充電しきれるかな、2週間目標。

新生活は慣れないのです。

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