野生児が寝て起きて
一週間ほど連日投稿。
俺は、久しぶりに家の布団で寝た。次の日が月曜日だったから。
絶対に、昨夜はそうだった。はず。
昨夜は山で寝ていない。
はず、なのに。
どうして俺は山で目覚めた!?
俺は、水前寺 英和。辰見はヒデと呼んでいたし、林果はカズと呼んでいた。
名字は水前寺だが三百六十五歩のマーチを歌ったりしない。丸くなって「しいたけ」とか言わない。
自他共に認める野性児。山こそわが住処。
住んでいるのは地方都市にも程遠い田舎。
両親・祖父祖母など健在。
紙重という兄がいる。現在少し離れた普通科高校(ちょっと有名)に家をでて通っている。
大体、こんなところが俺のプロフィール。
野性児。山が好き。だから分かる。
目を覚まして、体を起こしていない俺の視界に映るこの木たちは俺の知ってる木じゃない。
なにがあった、何があったんだ俺。
とりあえず起きる。
まず第一に木に触る。
木自体に違和感はないが、リアルに山で育ったような俺は、違和感を禁じ得ない。
木を隠して森隠さず、というか。木を隠すなら森の中、の悪い面か。
どの木も全く同じ形をしている。
そんなわけがない、どんな木も全く同じに育つなんてあり得ないんだ、と脳が叫ぶが視覚がそれを裏切っている。
かえりみて我が身。
普段着ている服(つまり山へ行く時の服)を着ている。夜着で寝たはずなのに。
さらに気づく。
左手首に、見慣れない腕時計。しかし、何か脳裏をくすぐるような……。
バンドが黒、本体は赤。でも色には記憶が反応していない。
画面はタッチパネルのようだった。画面には、アナログな長針と短針が自分の仕事をしていた。
画面から視線を上げる。
ここ、どこだろう。
これが、今一番強く思うことだった。
誤字脱字感想(辛口甘口両方)歓迎です。
腕時計的な奴はiPodnanoみたいなものだと思ってもらえれば。タッチパネル。
また、365のマーチは水前寺京子、丸くなってしいたけはUFOの夏イリヤの空、ここどこだろうは日常です。何してんだ俺。