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野生児がなかよし兄妹と別れて

書いてる途中にきえたorz

くっそやる気でねぇ


とりあえずは 友録(フレンド登録)をして、俺から今までの話をした。


「なるほど、僕が知ってる情報もあったし知らなかった情報もあったよ。情報が補強されたって感じかな。ともかくありがとう」

「なに、俺のは行きずりで得たような情報だから、感謝されるような労力は使ってないぜ」


俺のほうからの情報を話した。情報は命よりも重いという言葉を聞いたことがあるが、友達に話すことに何の問題もないだろう。


「じゃあ、こっちの情報を話しますね」


こほん、と咳払いをする。

一瞬、かわいいな、という言葉が頭をよぎる。

この魔性のかわいさが同年齢の(俺の年じゃなくてキョウコちゃんと同じ年の)男子の好意を一身にひきつけている、という噂を聞いたことがある。だが、論ずるまでもなく事実だろう。そのせいでその男子のことを好きな女子は失恋を繰り返しているとか。これも事実だろう、末恐ろしい子だ。


「私達の話せる情報は二つです。一つ目、このペンタゴン・オンラインの世界に連れ込まれた人は日本全国から来ているらしい、ということ」

「僕らはこの街から出ていないけど、それでもこの街で北は北海道、南は佐賀県まで、日本各地からばらばらに連れ込まれているみたいだ」

「何で佐賀県?」

「何でって言われても……実際、佐賀県より南出身の人がいなかったんだから」


だよな、意味のない質問だとは思った。


「そういうことがあるから、今カミエさん県外の高校に言ってるんだっけ、カミエさんに会えるかもね」

「あの噂に聞く水前寺先輩のお兄さんなら、いてくれればかなり頼りがいがあるとおもいます」


あの噂、か。それは良い意味(頭が良い人)か、 悪い意味ペタゴのやりすぎなのか、どっちなんだろう。

どっちの意味でもいいけど、俺としてはいて欲しくない。あの兄貴はペタゴに関してはとんでもなくうざいから。


「それと、ペンタゴン・オンラインは日本のみで遊ばれているゲームです。外国の人は在日でもない限りこの世界にはいないでしょうね」


非常に納得のいく理由ありがとう。


「いえ、どういたしまして。それで、二つ目の情報です。


レベル1よりも上のレベルから始まる人がいるということ」


え?

いや、レベル1から始まらないって、何ソレ?1以外に始まるところとかある?


「現にお兄ちゃんはレベル16から始まっています」


ええ?

俺もイリヤスもレベル1から始まってるし、それって、絶対におかしいよな?じゃあ、チートってやつか?俺がこの身でチートの存在を実証したんだからチートが他にあってもおかしくはないよな?あ、それともバグか?あの自称運営AIに全能じゃないってことの証左になるんじゃないか?


「絶賛混乱中悪いけど、たぶん僕がレベル16なのはカミエさんに進められてペンタゴン・オンラインをやってた時期があったからだよ。まあ、すぐ飽きてやめちゃったんだけど、そのときに僕が作ったキャラクターがたしかレベル16くらいだったと思う。だからこれは仮説だけど、この世界に来る以前にペンタゴン・オンラインをやってた人はそのときのキャラクターで始まるんじゃないか?」


あー、そういうことか。

じゃあ兄貴最強じゃん。


「なのでさっき水前寺先輩のお兄さんがいてくれれば頼れる、といったんです」

「却下」

「なんで、ヒデ」

「いや、辰巳もキョウコちゃんも絶対勘違いしてるけど、ペタゴに関して良いところがないのがあの兄貴だから。あらぬ期待抱いてるよ、二人とも」


少しでも期待度を下げておきたい、もしこの兄貴が世界にいて会ったら、ものすごく失望するだろうから。


「そうかなあ……まあ、この世界にいなかったら何の意味もない議論だし、いいか」

「まあ、実の弟の水前寺先輩がそう言うなら……」

「そうそう」


そんな感じで、俺と兄妹の情報交換会は終わったのだった。


◇◆◇◆◇◆◇


情報交換会的なことが終わってから、タツミとキョウコちゃんにこの街の施設をいろいろ教えてもらった。施設なんてどこも同じだと思っていたけど、リリスやカンタータにはなかった施設もあった。強化所なんてのもそれだ。俺が鍛冶屋だと思ってたところがそれだ。強化所ともうひとつ生産所がセットになって鍛冶屋みたいな施設に入っている。

強化所は武器防具をアイテムやペタを使って攻撃力・防御力を上げる加工をするところ。生産所は同じようにアイテムやペタを持ってきて武器防具を作るところらしい。タツミいわく、それらもできるようになりたいらしい。

それらの施設に加え、ポータルという施設(?)があった。

連れられて行ってみたら、これぞ魔方陣!って感じの円から光が満ち溢れていた。


「ヒデ、乗ってみて」


タツミがそう言うので、言われたとおりにする。

踏んで大丈夫か、と思ったけど、踏んで消えたりするようなヤワな線ではなかった。

光る魔方陣の上に立つと、


『どの街へ移動しますか?

 リリス(注意!この街にはポータルがありません!)

 カンタータ(注意!この街にはポータルがありません!)』


という文字が俺の前に出た。


「タツミ?何か出たんだけど」

「おー、ちゃんと出たか。それは、たぶん他の街に移動できる魔方陣だ」

「ああ、だから街の名前が出たのか。二つ名前が出てる」

「ヒデはこれまでに二つの街を通ってきたって言ったよね?その二つ?」

「そう」

「じゃあ、それは行ったことのある街にしか転移できないんだと思う」


この注意! ってやつは行っても戻って来れませんって事だな。

まあ確かに世界中どこでもいけるようじゃ面白くないよな。

俺はポータルから退く。


「ポータルか、便利なものだな」

「まあ、いろんな街に行かないとだけどね。世界中動き回れ、って運営のメッセージなのさ」


芝居っぽく手を広げて天を仰ぐタツミ。冗談だってことだろうな。あの運営がそんなメッセージをこめてこんなものをつくるはずがないと思う。

しかし、どうして俺はこんなに運営に辛く当たるのだろうか、自分でもわからないが、先入観だろうか。……何の先入観……?

まあ運営のことはどうでもいいや。


「あ、それと強化書のこと、ヒデは知ってる?」

「教科書?勉強は嫌いだぜ?」


何でいきなりそんな話がでてくるんだ。

と思ったら違う「キョウカショ」のことだったらしい。


「強化書っていうのは武器や防具をグレードアップするアイテムのこと。例えば成功率100パーセント、攻撃力プラス1の強化書があったとして、攻撃力20の武器にそれを使ったら攻撃力が21になるってわけ」

「ふうん、そりゃ便利なものがあるんだな」

「でも、成功率100%っていったでしょ?成功率70%とか30%のとかもあるし、強化に失敗したら武器破壊、なんてのもあるから」


マジか、強化書こええ。


「まあ、今のところ必要ない情報かな。一応、って事で話したけど」

「そっか、サンキュー、タツミ。じゃあ、俺そろそろ行くことにするから」

「え?さっき会ったばかりじゃ」

「そうですよ、いくらなんでも早くないですか」

「とは言うけどね。俺、二人みたいにやるべきこともないし、本当に、することがないわけ。本当ならモンスターを倒してレベルアップすることが目的なんだろうけど、それはちょっとね、俺には合わないし。

だから、次へ次へと進むことにしたいと思う。何をするわけでもないけど、進みたい」


俺のしたいことは、今までなかった。今もない。でも、当面の生きる目的みたいなのが決まった。


「タツミみたいに立派なことじゃない。誰かのためになるわけでもない。でも、そんなことでも、いいだろ?」

「……僕みたいに、って言うけど、僕のことは置いておくとして、それも立派な生きる目的だよ」

「私もそう思います。水前寺先輩がお兄ちゃんに遠慮するのも分かりますが、誰に遠慮しようと自分の意見には絶対に遠慮しちゃダメです」

「お、キョウコ珍しく良い事言った」

「珍しくって何よ、お兄ちゃん」

「いや別に……」


兄妹で仲良く口げんかを始める。本当に仲が良い。


そうか。…………そうだな。


「キョウコちゃん」

「だってお兄ちゃんが……はい?呼びました?」


兄妹で仲良く口げんかをしていた途中で声をかけたので台詞を切ってしまった。


「キョウコちゃんの言うとおりだ、俺は何か遠慮していたみたいだ。自分に正直ではあったつもりだけど、素直ではなかったらしい。そのことに気付いたよ。ありがとう」

「あ、えと、お礼なんて……良いです、よ?」

「こら、言われたお礼には何て言うんだった?」


タツミがキョウコちゃんの頭に手を置く。


「どう、いたしまして……」

「そう、その言葉」


頭に置いた手をそのまま、撫でる。

あ、キョウコちゃんの顔がアブナイ感じになっている。


「じゃ、じゃあ、行くから……じゃあな!」

「ああ、またいろいろと協力してもらうつもりだからな!またすぐ会おうな!」

「おう!」


こんな感じで、同級生の兄妹に別れを告げた。



急なストーリー展開、ごめんなさい。お願いします、着いて来て下さい……!

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