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野生児のクエストが終わって

それからおばあさんNPCの家の近くでツノウサギを狩った。基本的に家を大きく離れないようにしてかったので、家を見失うことも無かったし。(そのときはまたウォッチでNPC検索すればいいだけなのだが)

ツノウサギの角50個、集まった。

が、そのときの空は白んでいた。朝五時。


「まあ、ありがとう、これでいつでも傷薬が作れるわ。お礼よ、もっていって」


そうやっておばあさんからもらった傷薬50個。おばあさん、こんなにくれていいんですか。

角1個から1個の薬ができるとしてもプラマイゼロ。NPCのすることはわからん。

とにかく、ここでのすることは終わったので町へ戻る。

道中のツノウサギは軽く蹴れば消えるようになった。行きと帰りで全然強さが違う。

レベルって大切だな。

町に到着。入り口に「リリス」と書いてある看板を見つける。出るときには気付かなかったし、初めてこの町に入ったときは反対側の入り口から入って、看板を見ていないので、あっちの入り口には無いのかもしれない。

娘NPCに会い、おばあさんが元気だといっていたことを伝える。このようなクエストはしっかりその内容を言うことが必要とされるようだ。


「まあ、元気でしたか。よかった、気がかりで仕方なかったので、そのことを知らせてくれた貴方には感謝の言葉が尽きません。本当に、ありがとうございます」


これで、クエスト完了。お礼として(?)経験値をもらった。ゲームの中でしかできないお礼だ。


「さて……これからどうするか」


今終わったクエストはすることが無かったからしたクエストであって、終わればまたすることが無いのだ。

いや、この世界がペタゴの世界だというなら、それはほかの人と協力しろという意味じゃないのか。MMORPGとはそれを目的にしたゲームなのだから、MMORPGであるペタゴでそれをするのは至極理に適っている。

そういうことで、とりあえずイリヤスに電話しようと思ったが、時計は5時20分。自重した。

結局次の街に着けたのかどうか知らないが、次の街に着けて無くても着いていても関係なく、電話をかけるには早すぎる時間だ。なので、電話をかけてもよさそうな時間まで街の外でモンスターを倒していることにした。



今まで、モンスターはツノウサギしか見たことが無かったが、もう少し町から離れればほかの種類のモンスターも見られるだろうと思って、少し足を伸ばすことにした。

邪魔なツノウサギを蹴っ飛ばしながら進んでいくと、気付かないうちに、周りのツノウサギの角が一本から二本になっていた。見た目の変化に従ったのか、一本角のより少し強い。

周りの二本角ウサギを倒して、安全を確保してからウォッチでドロップしたアイテムを確認。ツノウサギの角とは別に、ツノウサギの上角というのがドロップされていた。

じょうつの、と読むんだろうか。要するにツノウサギの角の、すごい版ってことだろう。

新しいウサギを倒して適当に時間をつぶし、ウォッチの時計が7時になったのを確認してから、イリヤスに電話した。

ちなみに、装備品は実際に触れて装備できるのに、回復アイテムは数字の上でしか効果が分からなかった。傷薬をウォッチで使用してもHPが回復するだけで、(HPというのがそもそも数字の上でしか分からない)実際に怪我して薬を使うよりはそっちのほうが良いが、なんだか拍子抜けという感じがする。


「もしもーし」

「あー……ヒデカズか。もしもし」


なんとも気の抜けた声。朝に弱いのだろうか。


「いろいろあったんだけど、一段落したからお前と一緒に狩ろうかと思ってな」

「昨日の今日でいろいろって、何があったんだよ。後で聞かせろ。それより、どうやって集合する?」

「イリヤスはもう次の街か?」

「そう、意外と遠くて、着くのが遅かったんだ。寝たのが一時、寝床探しに一時間半」


睡眠時間6時間か、俺と大差は無いな。

くああ、とあくびが聞こえる。

「んーと、俺が急いでその街に行くから、街周辺で狩ってろ。ついたら電話する」

「あー、じゃあ会うのは昼ごろになるかもな」

「できるだけ急いで行くさ。あと、その町の名前は?」

「カンタータ、土の街。じゃ、切るぞ」



会話=電話です。

今気付いたけど兎をモンスターって言うの違和感が。

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