『7月21日 6ページ目』
7月21日 日誌担当「掃除係・ロブ」
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おい、イヴァン! 何やってんだよ、お頭の悪口書いてやれって言っただろ。何が「ミカクニンセイブツ」だ。そんな物、この世の中にいるわけねぇだろ!
それに、誰だ、この日誌をお頭の部屋の前においたヤツぁ。もう少しで、俺達の書き連ねたブツを読まれるところだんたんだぜ!!
あんなナマケモノのお頭も、剣の腕だけは立つんだ、もし仮に見られでもしたら、俺達全員サメのエサか、剣舞の練習台になっちまう。
だいたい、女だの男だの、ミカクニンセイブツだの、恋をしてるだの……この日誌は「妙ちくりんなウワサ日記」か? もっとまともに、お頭への苦情や嫌味を書けよ。俺には書き切れねぇほどあるぜ。
どうせ今回の分書いたら、俺はここを出て行くんだ……今まで溜めてきたあのナマケモノ船長への嫌味をたっぷり書き込んでやる。
まず最初に気に入らねぇえのが、お頭の「女顔」と、「女みてぇな口調」と、あの弱々しい細ぇところだ。俺が船長だったら、あんなヤツぜってぇに船員なんかにはしねぇ。
それに、身の回りは汚いは、地図は書けないは、お宝は途中で捨てるは、舵は握らないは、方角は決めないは……あんなのは、海賊じゃねぇよ!!
よく今まで『ギンギン海賊団』のリーダーとして誰にも文句を言われずにやってきたと、表彰してやりたいぜ。
おいお頭、覚えてろよ、今までさんざんコキ使いやがって。俺が船を持って船長になったら一番にこの船を襲撃してやる!!
……長くなったな。俺はどこかの船の船長になる、あばよ。
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