『7月20日 5ページ目』
7月20日 日誌当番「こぶん1・アンディー」
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ヘイ! おいら、アンディーだじぇぃ。お頭に隠れてコソコソ日誌を付けるのも楽じゃないんだじぇぃ。今も、いつお頭に呼びつけられるんじゃないかってヒヤヒヤしながら、貨物室の床に寝ころんでこれを書いてるんだじぇぃ。
今までの、読ませてもらったけど、みんなだんだん話がズレてってるんだじぇぃ。
と、とにかく、今まで、「お頭は女、説」や、「お頭は恋をしている、説」、「実は人間じゃない、説」……色々出てるけど、やっぱり、一番イヴァンが正しいと思うんだじぇぃ! ミカクニンセイブツ……良い響きだじぇぃ。
だって、あの「お頭」が結婚やプロポーズだなんて……。きっと一生無縁だと思うんだじぇぃ。
あの女の人みたいな顔で、「君が好きだよ」なんて言われたら、きっと気持ち悪いじぇぃ。それにお頭に、甘い言葉は似合わないんだじぇぃ。
バシバシ剣を振って、どさどさゴミを散らかして、バサバサ地図を落として、船が斜めに傾いても水没しそうになっても、自分じゃ舵を絶対に握らないのがお頭なんだじぇぃ。女の人に優しい言葉を掛けてるお頭なんて、お頭じゃないんだじぇぃ。
おいらは「イヴァンが正解」に、10000コイン賭けるんだじぇぃ。
そうだ、お頭の不審行動について、おいらからも情報があるじぇぃ。2日前の晩、いつもは扉が開いてるお頭の部屋が、その日はきちんと鍵が掛けられていて、何度叩いても応答がなかったんだじぇぃ。まだ7時35分だったんだじぇぃ?
そしてそして、耳を澄ませてみると……いつもの、お頭がペンダントやネックレスを作る時の金属音が聞こえたんだじぇぃ。
次の日、お頭は機嫌が悪そうにマストを睨み付けてたんだじぇぃ。イヴァンが書いた地図もクシャクシャのビリビリのボロボロで、ゴミ箱にポイ、だったんだじぇぃ。
でも、おいらは優しいから、イヴァンが悲しむと思って、そっとお頭のゴミ箱から地図を取り出して、修復しておいたんだじぇぃ!
そろそろ、お頭が呼んでるんだじぇぃ。この日誌は貨物室の5番目の棚に押し込んでおくから、明日、ロブが書くんだじぇぃ。
PS・イヴァンの地図の半分は修復出来たけど、残りの半分は無理だったんだじぇぃ……。
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