中枢統治機関「雷導庁」
■ エレトゥス大陸連合国における政令中枢構造
― 第1パート:中枢統治機関「雷導庁」とその頂点構造 ―
◆ 1. 政治体制の基本原則
エレトゥス大陸における統治体制は、「技術的秩序と霊素調和による統一管理」を理念に掲げた機能主義的寡頭連合制である。
この政治体制は、古典的な民主制・王制・独裁制のいずれにも分類されず、「雷導技術の管理・運用・進化を中心とした技術官僚制」を土台にしており、実質的にはテクノクラート主導の連邦型統制国家として機能している。
連合構成国の主権は形式上保持されているが、霊素流路・雷導炉網・術式通信などのインフラがすべて「雷導庁(Leit Authority Directorate / LAD)」に管理されているため、中枢への従属を前提とした“相互依存制”が構成原理となっている。
◆ 2. 中枢機関:雷導庁(LAD)
● 正式名称:
雷導庁(Leit Authority Directorate)
● 設立根拠:
帝国暦1300年「雷導共制憲章」に基づき、霊素制御・技術倫理・連合間統治を目的として設立された、連合全体の最高政務執行・技術運用管理機関。
● 機能的定義:
雷導庁は、以下の4領域を統括する「超越的管理組織」として定義されている。
1. 雷導エネルギー全体の調律・流通・制限の管理
2. 霊素を基盤とした術式・技術体系の認可と倫理調整
3. 連合構成国間の調停と秩序執行
4. 国家防衛と雷導兵団の統括指令
この4機能により、雷導庁は技術と政治の両面から「連合国家の脈動」を制御する“神経核”として設計されている。
◆ 3. 雷導庁の内部構造:五大管区体制
雷導庁の中枢は五大管区(Pentad Divisions)によって構成される。これらは技術局・戦略局といった専門局を統括・再編成する“行政機関的母体”であり、それぞれが明確な理念と権限を持ち、エレトゥス連合の根本秩序を形成している。
【1】雷導統制機関(Leitfield Regulation Authority/LRA)
◼︎中核理念:「雷導をもって世界の流れを制御する」
◼︎機能概要:
・全都市の霊素電力・雷導炉管理
・雷導炉起動・緊急停止プロトコルの執行
・雷霊素地脈の流量調整
◼︎統括下部門:雷導技術局、霊導核制御局、構文調整課など
◼︎備考:都市機能の“神経中枢”を司るため、軍事以上の実権を握る場合もある
【2】術式構文機関(Arcane Systems Authority/ASA)
◼︎中核理念:「術式は世界認識の共通言語である」
◼︎機能概要:
・霊素構文の国家標準化
・展開術式・共鳴術式の適用規範管理
・教導局・技術局への技術指針発布
◼︎統括下部門:術式標準局、技術監査室、術式再設計部
◼︎備考:「構文の更新」は連合国すべての兵器と社会基盤を更新するため、極度の慎重性が求められる
【3】連合統治機関(Union Governance Authority/UGA)
◼︎中核理念:「雷導の下に統一されし秩序」
◼︎機能概要:
・各構成国との政治調整、協定施行管理
・評議会の運営
・統治文書・条約の起草・解釈・法改正調整
◼︎統括下部門:連合統治局、法制補佐課、歴史秩序部など
◼︎備考:形式上は連合全体の“民主的意志機関”だが、実際には雷導庁の立法部門に近い
【4】危機対策機関(Integrated Crisis Response Authority/ICRA)
◼︎中核理念:「秩序の乱れには即応を」
◼︎機能概要:
・テロ・災害・魔導暴走等への迅速介入
・特殊作戦部隊 《対策執行局》の運用
・指名敵性存在の“存在的封鎖処理”
◼︎統括下部門:対策執行局、《暗導課》《制圧局》《監理帯》など
◼︎備考:緊急時には他機関の権限を一時停止させる“雷導即応権”を発動可能
【5】倫理調整機関(Directive Ethics Coordination Bureau/DECB)
◼︎中核理念:「雷導が人間を壊さぬよう、人間が雷導を制す」
◼︎機能概要:
・精神操作・記憶改変・肉体強化などの“人権外技術”の規制
・倫理基準の制定と違反案件の審問
・封印術式・危険術式の格納および管理
◼︎統括下部門:制律局、《シグナル・シーカー》《思想解析室》《反倫理監査帯》
◼︎備考:庁内最も“裏の仕事”が多い部門だが、全権限への介入資格を持つ。内部には霊素抹消班も配属。
◆ 4. 指導者階層:三機関制による均衡統治
雷導庁は単独の“元首”を持たない。権限の集中による暴走を防ぐため、以下の三重の執行中枢によってバランス統治されている。
① ■ 【雷導審理会(Leit Judicia)】
・各局代表および構成国代表による合議制評議会
・法的枠組みと指導方針を決定
・任期制・持ち回り議長制(非固定)
② ■ 【機構技官団(Mechanica Preceptum)】
・雷導技術・霊素理論の専門官僚による中枢チーム
・技術的決定と術式規制、システム更新を担う
・全員が術式免許「ARC-Tier.Ω」保有
③ ■ 【統合戦略室(SOT:Strategia Ordinance Taskforce)】
・対外戦略・都市防衛計画・雷導兵団との連携を担当
・高度な戦術判断を行い、必要時には連合軍を直接指揮
・元将軍級の戦略家やAI補佐官も含む複合運用体制
→この三機関が互いを監視し、特権濫用を制御する構造を「三輪導律(Trinitas Leitica)」と呼ぶ。
◆ 5. 政令中枢の所在地:エレクトロニア高層中枢区 《ゼンネリウム》
雷導庁および政令中枢機構の本拠地は、機械都市エレクトロニアの超高層中枢区 《ゼンネリウム》に設置されている。
この区域は一般市民の立ち入りが禁じられており、都市の心臓部《雷導炉核》と物理的に直結している。政令発令と同時に雷導ネットワークに命令が流れ、瞬時に全構成都市へ伝達される仕組みである。
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■ 雷導連合構成圏の政令中枢体制 ― 第2パート
― 各下層機構・政治運用構造・監視・外政システム ―
◆ 6. 教導局(Instructura Praevia)― 軍政直結の教育・監察機関
教導局は、雷導庁直属の準軍事組織であり、表向きは「雷導兵士候補生の育成機関」だが、その実態は人材監査・忠誠審査・心理適応調整を行う国家的規律機構である。
● 主な構成部門:
・育成課(育課):候補生教育課程の運営・試験・術式訓練指導
・戦術課(戦課):実戦型訓練および演習指導、局地戦術の分析運用
・適応監査課(適課):霊素適性・精神耐性・忠誠傾向の分析とフィードバック
・記憶保全課(記課):二重記憶者・異常術式体質者への干渉・抑制・記録処理
・教官統制室:特務教官の選定・配置・精神安定モニタリング
候補生に割り当てられる教官は、戦術能力だけでなく心理操作・洗脳対策・情報封鎖の技能を有する。
そのため、教導局の内部では、教育と監視が紙一重で機能する構造が常態化している。
◆ 7. 制律局(Judicial Regulatory Authority/JRA)
制律局は、エレトゥス連合国における高等法制度・技術倫理・霊素法執行の頂点に立つ司法執行機関である。名目上は雷導庁「倫理調整機関」の監督下にあるが、実質的には三権的機能(立法・執行・審理)を一部内包する特例組織であり、国家安全保障および文明秩序の維持を目的として、以下の三領域において強い独立性と裁量権を持つ。
【1】霊素法および構文技術に対する高位監査権限
制律局は、霊素を用いた術式構文や人体技術に対し、「霊素憲律(Ley Constitutional Ordinance)」に基づく合法性・安全性・倫理性の三軸検査を実施する。検査対象には以下が含まれる:
・国家開発機関・民間研究所の術式開発データ
・軍事術式の構文体系と制御権限
・民間・医療向けに提供される改変術式の安全監査
また、法令上の分類に基づき、危険構文は以下のように階層化されている:
【危険等級/内容/制律措置】
□ 特級(S) / 精神支配|意識共有|存在改変構文 / 即時封印|研究者隔離
□ 一級(A) / 記憶操作|遠隔干渉|複製霊素構文 / 制限運用|隔離環境下での施術
□ 二級(B) / 過負荷術式|自己増殖型構文 / 再設計|倫理審査付き運用
□ 三級(C) / 認識改変・情動操作を含む準拡張構文 / 公的記録|定期監査対象
【2】法令施行と緊急措置発動
制律局は、霊素法違反の疑いがある術式使用、または技術開発案件に対して、即時介入・捜査・封鎖を実施する司法警察権限を持つ。これは現実世界で言えば、FBI・司法省特殊監査局・国家警察技術班の役割を併せ持つ。
主な措置には:
・《霊素差止令》:当該構文の一時停止と全端末・霊素炉からの切断命令
・《術式保全命令》:研究者・被験者・関連機関に対する活動一時凍結と記録封鎖
・《術式記憶隔離処置》:術者が保持する構文記憶を部分霊素化して中枢より隔離
※ これらの措置は、連合議会の事後報告義務を前提として、制律局独自に即時発動可能。
【3】《霊素遮断班(Signal Seeker)》による現場介入
制律局の実働部隊として、特殊術式制御専門の実行部隊 《霊素遮断班(Signal Seeker)》が各中枢都市に配置されている。彼らは霊素干渉・構文隔離・記憶遮断といった極めて精密かつ危険な術式操作を遂行するために設計された特別訓練を受けており、現場では以下の任務を担う:
・危険構文の術者確保および術式封鎖処理
・精神侵食型術式の拡散阻止
・遺構・旧術式記録の物理的隔離と霊素情報の初期化
《シグナル・シーカー》は「術式の殺し屋(Spellcutters)」とも呼ばれ、術式そのものを社会から“忘却”させるための措置を行う最後の盾である。
【制律局の根幹思想】
「文明とは記録の蓄積である。だが記録が世界を壊す時、それは法によって消去されねばならない。」
制律局の使命は、技術進歩と人類尊厳のバランスを保ち、霊素社会における“許されざる知識”を定義し、それを執行することで世界の基盤を守ることにある。
この組織の存在自体が、エレトゥス連合が“知識すら制御する国家”であることの象徴である。
◆ 8. 外交管理・対外戦略システム
エレトゥス連合国の外交は、形式上は「連合統治局」が担当しているが、実際には以下の3機関が分担して運用される多層外交構造をとる:
◉ A. 【連合統治局・外政課】
・公的外交(条約、協議、条文化)を担当
・各国の代表団との定期協議を行う
・表向きの「平和協調」姿勢を維持する
◉ B. 【統合戦略局・影響調整部】
・外国情勢の分析・他大陸への介入戦略の立案
・必要に応じて経済・霊素輸出制限などの“制裁策”を実行
・いわば「見えない武力外交」の司令塔
◉ C. 【教導局・外派諜報課(暗導課)】
・他大陸への情報浸透、候補生派遣(表向きは留学名義)
・他国術式体系への干渉・模倣・無力化技術の開発
・※“対ルミナス聖皇国プロトコル”として特別枠を保有
この構造により、エレトゥス連合は平和的な態度を保ちながらも、実質的には各大陸への浸透と防衛網構築を同時進行させている。
◆ 9. 枠組みとしての“連合”:主権国家と技術従属の相克
エレトゥス大陸には現在、大小12の国家(または準自治区)が存在しているが、そのすべてが雷導庁の技術供給と雷霊素の配給なくしては機能不全に陥る構造となっている。
● 「主権」と「雷導供給」の相互拘束:
・各国は“形式的主権”を保持
・しかし、雷導炉の調律キー/術式改訂コード/流路パターンはすべて雷導庁が掌握
・各国議会の決議よりも雷導庁からの技術指令の方が優先される
● これにより成立する「疑似的中央制」:
→ 経済・防衛・通信・教育すべてが技術依存を前提としており、事実上の中央集権が完成している。
構成国の中には、たびたび“自律拡大”や“術式主権の回復”を唱える勢力も存在するが、
霊素供給の「無言の圧力」によって次第に沈静化してきたという経緯がある。
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■ 雷導連合構成圏の政令中枢体制 ― 第3パート
― 構成国の役割・都市階層・霊素地政学による支配構造 ―
◆ 10.雷導連合圏を構成する《47の主要都市・自治区》
――エレトゥス大陸・連合国家構造公式資料――
エレトゥス大陸における雷導連合圏は、終焉戦役後に再編された単一国家ではなく、47の主要都市・自治区が相互依存的に結合した多層連合体である。
各都市は独立した歴史・文化・利害を持ちながらも、「雷導炉網」「霊素流路」「情報同期基盤」という三つの共有インフラによって不可逆的に接続されている。
この47都市は、連合憲章により10の機能分類に整理され、それぞれが雷導文明の異なる器官として役割を担う。
【第一分類:中央行政・統合中枢区】(5都市)
ここには霊素炉網の中核運用および連合の対外外交を担う行政都市が集中している。首都機能を果たす《エレクトロニア》は、その巨大な垂直都市構造を有し、霊素制御だけでなく精神同調・記憶同期といった高次制御プロセスを担う。
その他 《ネオ・カリオン》《ハイ・レグナス》。
《クロノ・リテラ》などは議会、時間制御管区、記録統制庁が設置されており、各都市が異なる行政ユニットを統括する複数首都制を採っている。
1. 機械都市エレクトロニア
雷導連合圏の象徴にして中枢神経。主導脈交差点に建つ完全自律都市。
2. ネオ・カリオン
連合評議会常設議場。旧王国系統の政治折衝を担当。
3. ハイ・レグナス
法制・条約解釈を司る司法行政都市。七極均衡条約運用本部。
4. クロノ・リテラ
歴史・記録・時間補正文書の管理都市。改竄不可能な年代層を持つ。
5. ヴァル=シグナ
対外外交と大陸間通信の統合窓口。
【第二分類:軍事・防衛拠点区】(6都市)
《ディア=フォルテ》《ゼン=ストライク》《ノクス・エッジ》などは、連合軍の実戦拠点として機能し、雷導兵団の展開・整備・訓練を一手に担う。これらの軍事都市は霊素砲塔、空中索敵管制、電磁遮断域などの最新技術が集約され、非常時には対外迎撃と同時に他都市の防壁支援に転じる。
6. ディア=フォルテ
重装雷導兵団の本拠。都市全体が要塞構造。
7. ゼン=ストライク
即応展開用空域軍管区。
8. ノクス・エッジ
夜間・隠密作戦専門都市。
9. バルク・ヴァルム
雷導装甲・兵装整備工廠都市。
10. アグリオ・シールド
都市防衛結界研究拠点。
11. ケラウノス監視環
大陸外縁迎撃・索敵専門環状都市。
【第三分類:雷霊素・基礎研究区】(6都市)
霊素炉に関する基礎理論および応用技術を開発する中枢都市群。代表的なのは《ユニマリス》と《ノヴァ・シンセシス》で、ここでは霊素の共鳴位相調整、雷導言語の改良、魔導核の安定化実験が行われている。また、《オメガ・スレッショルド》はかつて“世界再起動計画”の鍵となったとされる制御中枢があるという説も存在するが、詳細は封印されている。
12. ユニマリス
霊素理論研究の最高権威都市。
13.ノヴァ・シンセシス
雷導炉世代更新研究拠点。
14.オメガ・スレッショルド
禁忌研究封印区(存在は公認、内容は秘匿)。
15.アーク・フェーズ
共鳴位相変換実験都市。
16.リヴァース・レイ
霊素逆流・暴走対処研究。
17.セラ・プロトコル
抑制因子・安全基準策定都市。
【第四分類:育成・教導・訓練区】(5都市)
雷導兵の育成を担う主要都市であり、最も知られているのが《ECTA中央区》。ここでは神谷雷牙やクロエ・レインが訓練を受けた。その他、《アーク・トレイン》系都市は分野別に候補生を育成し、《クロス・インストラクタ》では教官の訓練が行われる。これらの都市は霊素共鳴環境が整備されており、候補生の適応率に応じた段階育成が実施される。
18.雷導中央育成局(LCA/ECTA)
雷導兵育成の中核。
19.アーク・トレイン第一区
初期適応訓練専門。
20.アーク・トレイン第二区
実戦想定・市街戦訓練。
21.クロス・インストラクタ
教官育成・心理戦訓練都市。
22.フェーズ・ネスト
不適合候補生の再評価・転用区。
【第五分類:民生・資源供給区】(5都市)
《グラン・アグリオ》《リヴ・ハーベスト》などは、連合内における食料および資源の供給源。雷導技術による気候調整と地下霊素農法によって都市内自給率を実現し、《ネス・サプライ》ではそれらの輸送・分配が統括される。
23.グラン・アグリオ
雷導農業中枢。食糧供給の要。
24.リヴ・ハーベスト
水循環・気候制御都市。
25.ネス・サプライ
物資分配・物流統制拠点。
26.ヴェルデ・シェル
居住用人工生態都市。
27.マリス・リザーブ
戦時備蓄・非常資源保管区。
【第六分類:記憶・情報・霊素保存区】(5都市)
《ミラ・メモリア》《リヴレーン》《ソウル・レリクス》は、個人・国家単位の「記憶」や「霊素反応記録」を保存する神経網のような都市である。とりわけ《エル=ルミナ回廊》では、かつて存在した“前文明”の残滓がデータ片として収容されているという噂が絶えない。
28.ミラ・メモリア
個人記憶保存・共鳴記録管理。
29.ソウル・レリクス
戦死者ログ・鎮魂管理都市。
30.リヴレーン
意識バックアップ中枢。
31.エル=ルミナ回廊
前文明データ封印区。
32.クロノ・セル
時間断層記録保管区。
【第七分類:文化・自治特区】(5都市)
連合内部での文化保持と交流を促す自由区域群。中でも特異なのが《ヨナリア市街》であり、これはかつて海を越えて渡ってきた島国文化を継承し、「言葉」「食」「衣服」「記憶」の独自体系を維持している。《旧キョウト自治区》も同様に、非雷導的美学と霊的信仰の交差点として特別な保護対象とされている。
33.ヨナリア市街
島国文化継承自治区。
34.旧キョウト自治区
精神文化・筆記霊式の保存都市。
35.ミナト=ハルカ
食文化・湯気文化の発信地。
36.サクラ・ドーム
季節儀礼・祭事専用都市。
37.フジノ・アーカ
芸術・音律・非戦術表現の保護区。
【第八分類:交易・外縁接続区】(4都市)
《ソル=ポート》《アーク・コースト》は外洋航路との接続点であり、他大陸との物資流通・情報受信の要所である。これらの都市では“七極均衡”に基づいた交易協定が機能しており、一部にルミナス聖皇国との非公式交易ルートも存在する。
38.ソル=ポート
大陸間交易港。
39.アーク・コースト
海上物流統制都市。
40.ネプトラ連絡管区
他大陸航路接続点。
41.ブルー・ゲート
中立交易・情報緩衝区。
【第九分類:再開発・旧戦域区】(4都市)
かつて戦争や霊素災害によって廃墟と化した地域が《レムナント・ヴェイン》《ヴァルト・ガルム》などで再開発されている。ここには汚染された霊素や崩壊炉の残骸が眠っており、浄化・修復の進行と並行して、時折旧時代の“兵器”や“記憶装置”が発見される。
42.レムナント・ヴェイン
旧戦場再開発区域。
43.ヴァルト・ガルム
崩壊炉跡地修復都市。
44.ノイズ・フィールドα
歪曲霊素帯管理区。
45.クロウド・グレイブ
未回収兵装・残骸封印地。
【第十分類:監視・統制・秘匿区】(2都市)
全域の霊素流路を常時モニタリングし、異常反応・暴走炉・精神干渉を即座に検知する都市。《ミラ・エーテル》では特異波動の解析が行われ、《深層ユニットγ》では国家機密に属する術式実験と記憶封印処置が行われている。いずれも機密度が高く、軍事区域と重複しているケースも多い。
46.ミラ・エーテル
全霊素流路監視中枢。
47.深層ユニットγ
連合最高機密管理区。
存在のみ公表され、機能・人員・位置すべて非公開。
【補足構造:連合の全体設計思想】
この47都市・自治区は、「霊素循環」「技術開発」「戦術適応」「文化維持」「外縁監視」の5つの位相軸を基に配置されており、それぞれが大陸全域の雷導ネットワークと有機的に結びついている。
● 特筆点:
・国家というより“機能体都市”による分業的文明。
・中心思想は「雷霊素を媒介とする人類意識の拡張」。
・霊素適応率・記憶共有度・精神波同期性が都市評価基準。
【統括まとめ】
このように、「雷導連合圏」は一枚岩の国家ではなく、霊素流路・雷導構文・文化的対立のバランス上に成立する、都市連携型多層構造体である。
47都市・地区はそれぞれ、制御炉・技術供給・訓練・民生・信仰・独立文化といった役割で配置されており、それぞれが連合圏の“機能装置”として稼働しているに過ぎない。
エレクトロニアはその中でも「管理と記録を担う神経中枢」であり、全ての都市はこの“雷導の網”によって密接に接続されている。
◆ 11. 中央都市 《エレクトロニア》の階層構造と支配モデル
エレクトロニアは、都市そのものが「政治・技術・軍事・教育」の中枢を担う巨大な多層型人工構造都市である。
● 上層域 《スパイア・クラウン》:
・雷導庁・統合戦略局・構文制御センターなど連合政府中枢部が集約
・“天空殿”と呼ばれる霊素収束塔が中心に位置し、上空から全土へ指向的雷導が行われる
・関係者以外は立ち入り不可
● 中層域 《リング・アーバン》:
・技術官僚居住区・教育機関・教導局本部・議会連絡庁が存在
・候補生訓練区と居住区が配置され、エレトゥス中枢の神経回路と形容されるほど
・地域は完全に区画分けされ、身分と所属によって立入階層が制限される
● 下層域 《インナー・ベルト》:
・過去の戦災・失敗術式・霊素事故で封鎖された旧区画
・表向きは廃棄層だが、研究失敗体・逸脱者の隔離区という噂も絶えない
・流民層や情報漏洩者の潜伏地としても機能するが、雷導庁は黙認状態
◆ 12. 霊素地政学:大陸構造と雷導流路の戦略的配置
エレトゥス大陸の形状と霊素分布は、雷導技術の展開に深く影響している。
とりわけ、大陸中央部から東端まで斜めに走る「主導霊素流」が、すべての雷導炉を結ぶ“神経線”として設計されている。
・この流路上に配置される都市は、「雷導供給圏」として優遇される
・逆に流路から外れた山岳地帯・旧火山帯などは霊素不安定域として冷遇されがち
・霊素偏向は気象・戦術・人口分布にも影響を与えるため、流路改変は事実上の政治的制裁とみなされる
この「地形と霊素の政治学」は、連合全体を見えない網で縛っており、
構成国のすべてが「雷導炉からの距離」=「政治的生命線」という構図のもとに動かされている。
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■ 雷導連合構成圏の政令中枢体制 ― 第4パート
― 雷導庁の官僚制・組織階級構造・中枢局の権力関係 ―
◆ 13. 雷導庁の官僚体系:機能別・階級別に構成された階層制
雷導庁は、名目上は「雷導炉および霊素技術に関する統合管理機関」であるが、実質的にはエレトゥス全土における行政・軍事・技術・教育の最高中枢機関である。
その内部構造は極めて階級的かつ専門分化されており、以下の3つの基軸軸で組織されている。
【分類1】職能別局制(7大中枢局)
1. 戦略局(Strategic Bureau)
・霊素戦術の展開指揮、戦闘教導、都市防衛網の管理
・戦時には雷導兵団を直接指揮。現場との連携が最も強い
・教導局とは一部職掌が重複し、競合的関係もある
2. 教導局(Instruction Bureau)
・雷導兵士・候補生の教育、訓練、心理適性管理
・人的資源の精選と制御を担う「精神的軍政機関」
・冷酷かつ制度化された“人格構成”プログラムが実施される
3. 技術局(Technological Bureau)
・霊素構文の開発・雷導炉の設計・術式監査を担当
・技官系官僚が多数所属し、技術優位を根拠に庁内で強い影響力を持つ
4. 制律局(Regulatory Bureau)
・法務・霊素管理法・構文準拠規範の監視と立案
・他局に介入する監査機能も持ち、「法を持つ刃」と恐れられる
5. 外交局(Diplomatic Bureau)
・他大陸国家との霊素共有協定、雷導技術拡散の防止、監視外交
・対ルミナス聖皇国の工作活動も多く、諜報部門と密接
6. 検察局(Ethics Bureau)
・雷導技術と人間性の接点に関する道徳・制限・封印処理を担当
・審問会を持ち、開発・教育・戦闘のあらゆる部門に干渉可能
・秘密裏の“人格剥離処理”や“意識封鎖”事例も記録されている
7. 霊導核制御局(Core Resonance Bureau)
・霊導炉および中枢霊素供給系の最深層管理局
・各局の技術データが一元収集され、地政学的指導までをも担う
【分類2】階級制度(官位等級:E0~E9)
雷導庁の内部には、技術・実務・戦略適正に応じた階級システムが存在する。
これは単なる役職や給与体系ではなく、霊素との適合率・思考構造・術式処理速度など、人間の全特性を基準にランク付けされる評価機構である。
● E0級:統合執行官(The Central Executor)
・雷導庁全体の意思決定権を持つ者。基本的に1名のみ存在。
・現在の執行官は長らく公表されていない。
● E1〜E3級:上位政策統括官
・各局の長官、特命任務遂行者などが所属
・戦略局と技術局出身者が多いが、倫理局系の“隠れE1”も存在するとされる
● E4〜E6級:実務・指導階級
・教導局教官、戦術顧問、術式開発主任、技術適応官など
・一部の高度候補生はE6相当の認証を持つ場合がある
● E7〜E9級:初級官・補佐・現場対応官
・書類処理・低階層監視・術式点検・候補生支援など
・単なる官僚というより、雷導庁の“末端神経”として機能する
等級は定期的に再査定され、思想的傾向や行動パターンも評価項目に含まれるため、
極めて“生体的・人格的な等級制”とも言える。
◆ 14. 局間の勢力構造と相互牽制
雷導庁は表向き「調和と均衡」を掲げるが、各局間には明確な権力闘争と思想的分断が存在する。
特に以下の3つの軸で、庁内の構造は常に流動化している。
● 技術至上派 vs 人格制御派
・技術局・霊導核制御局 vs 倫理局・教導局
・術式の進化を優先する技術派と、人格の制御・記憶の調整を優先する統制派が衝突
・教導局は“兵士の人格”を完成品と捉え、技術局は“兵士の適応率”を変数と見る
● 外交局 vs 戦略局
・対外工作・均衡外交を重視する外交局と、即応的軍事介入を提案する戦略局
・特に「霊素技術の国外拡散」に関して、手段や“火種処理”の方法で意見が割れる
● 制律局 vs 全局
・法的拘束・術式倫理・開発制限を掲げる制律局は、しばしば全局に対し是正勧告を出す
・制律局が本格介入した際は「プロトコル第4条」が発動され、術式開発が一時凍結されることも
このような緊張関係は、内部粛清や情報秘匿、局間スパイの存在をも正当化している。




