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5:違和感



避難所に向かって走り続けそろそろ30分くらい経つのに全然見当たらん…というか昨日に爆発があったよな?それにしては妙に人が落ち着いてるというか、あまりにも復興が進みすぎてるな…?




「ど、どないなってんねん…」

ボソッとつぶやく僕の目の前には某都庁を彷彿とさせる建物が。確かここ通ってる大学付近だよな…?こんなバカでかい建物なんて見た事ないぞ!?

周りに人は………いた!!てかなんで牧師なんかがここにいるんだ?


「すみません牧師さん。ちょっと聞いてもいいですか?」

「ん?どした兄ちゃん」

「あの都庁みたいなやつ、なんです?」

「は!?兄ちゃん知らねぇのか!?」

「えぇ、恥ずかしながら…ええっと、最近こちらに出てきたもので。」

「あぁなるほど!そりゃ知らんわけだな。報道されたばっかだしな…あれは「ギルド」の日本支部だ。」

「ギ、ギルド?」

「そう、ギルド。流石にこれは聞いたことくらいあるとは思うけど、簡単に言うなら異獣の討伐の為の機関だな。」

「は、はぁ…」

「半年前に本部が設立されてからようやく日本に支部ができたんだよ。Xランクのホルダーがいる国家に支部を作ろうって最近なってな。」

「は、半年前!?ちょ、ちょっと変な事聞くんですけど今って何年の何月ですか!?」

「ほんとに大丈夫か??今日は2047年の9月16日だぞ?」

「へ…??」

な、何を言っとるんだこのおっさんは…!?半分呆れながらスマホの画面を見せてもらう。そんな冗談通じるわけ………


「くぁwせdrftgyふじこlp!!??」

マジじゃないか!!!ど、どういうこっちゃ…!?何が起こってるんだよ…。


「お、おい兄ちゃん??」

「お、お、教えてくれてありがとうございます!!それでは!」

し、『身体強化Ⅲ』発動!状況整理の為に一旦落ち着く場所に!!




「なんだったんだあの子は…?しかし、あの身のこなしとマナの躍動…()()()に近いものだったな。まさかまだ「アルカナ」の覚醒にまだ気づいてないのか?」

「あ〜!()()!!!また勝手にサボって〜!!」

「げ、凛くん…!」

「ほら、さっさと戻りますよ!アルキメデス議長達が呆れてますから!ほら早く!!」

「へ〜いへい…ったく、あんな形だけの会議なんて出る価値ないでしょ…」

「そういう事言わない!会長仮にもXランクなんでしょ!?それも()1()()の!!!!」

「分かった分かった…後で行くからテキトーに言い訳しといてね」

「あっ、会長!!!…もうっ!!!」





「はっ…はっ…!!」

おおおお落ち着け…!!僕あそこで半年も戦ってた訳でもないし、何がどうなってるんだ?

そんな思考を巡らせつつ先程の廃校へ戻る。あそこに何か原因があるとしか思えないし…!


そんなこんなあってようやく件の廃校へと舞い戻ってきてしまった。もう一度廃校の中に入ろうとしたら………ん?またしても何か違和感が…?変な感覚に戸惑いつつ、さっき買った安物のデジタル時計を見ると…


「ッ!?」

デジタル時計の秒数がめちゃくちゃ高速で進んでやがる!!!慌てて廃校から出ると、時計の進みは元に戻った。あ、焦った……でも原因は分かった。改めて時間の進みを検証してみると、おおよそ1秒が10分となっていた。あそこで大体、え~っと……ろ、6時間くらいかな?狼達とやりあってたのは。そこから計算していくと………あれっ?どこまで計算したっけ……?ええっと、もう一回……んえ??


20分後…………


ようやく計算し終わった結果、確かにおおよそ半年経過してしてるわ。う~わまじか…なんか現実が鮮明になると結構心にクるな……僕半年も行方不明になってたのか。姉ちゃん絶対に心配してるだろうし、太雅や八千代先輩にも物凄く迷惑かけてるなぁ…はぁ……

…………うん、会いに行こう。びっくりされるかもしれないけど、迷惑かけてごめんって謝ろう!!


というわけで、現状を知るために町に降りてきて半年間何があったかを知るために新聞のアーカイブを見れる場所がないかと近隣の人に聞いてみたところ、なんとここから徒歩圏内に内閣府が管理していて、尚且つ一般人でも入場できるめちゃくちゃでかい図書館があると聞いたので、早速向かうことにした。


向かっている道中、何回か3人に公衆電話から電話してみたけど全員の番号が使われていないものになっていた。そんなことあるか??なんて考えながら歩いていると…




「これだよな…??」

そこには超大型商業施設のような建物が。入口で身分証を見せたら案外サラッと入場できたけど、とりあえずデカいし広い!特に目を引くのは、純白の壁全てが本棚になっているのだ。高さはどんなもんだと近くの職員に聞いてみると、なんと80mは越えているんだとか。はぇ~と感心していたが、目的はそうじゃない。図書館の全ての本や過去の新聞などを検索できるタブレットを借り、早速検索してみる。


む、意外と遠いな。そんなこと考えてると、なんと目の前にセグウェイが。なになに…?『ハンドルにお持ちのタブレットを差し込むことで、目的地まで自動運転で向かってくれます。』………だと!?これはまた近未来的な…。お言葉に甘えて使ってみると、めちゃくちゃスムーズな運転であっという間に目的地まで連れていってくれた。ありがとさん。


セグウェイを見送った後、新聞のアーカイブが置いてあるゾーンへと入場する。タブレットの画面が更新され、より精密なマップになった。えーと、2047年の12月16日以降の新聞は………あった。本棚から取り出した新聞たちはかなり分厚いファイルにまとめられていた。何時間かかるか分からんけど早速読んでいきますかね…。




「この異獣ってやつ…明らかに『ユートピア・エンド』の敵mobだな…この猪は『イビルボア』だし、こっちの猿は確か…『ソルジャーモンキー』だったかな…?」


「ア、『アルカナ』だぁ??経験値システムにそんな大層な名前つけられたのか…それにこの『進化の光』ってレベルアップのやつだし…」


「ステータス鑑定にウン十万!?あまりにも馬鹿すぎないか…!?」


「『ファーゲルグ』ってお前マジか!?そこまでゲームに寄せなくてもいいだろっ!?」





…ふぅ、一旦休憩かな。しっかしこうも『ユートピア・エンド』が現実(リアル)にバッチリ合うとはねぇ…。なんせ見出しが『人類の進化』だの『選ばれた力』だの『死の克服か!?』とかって…僕からしたら最悪すぎるんだよなぁマジ。


~♪(退館を促す音楽)


「マジか、もう退館の時間か」

今の時間は…うわっ、もう18時かよ。いそいそと荷物をまとめて出口に向かおうとすると、またもセグウェイくんが来てくれた。ありがたく乗せてもらいますかね。


「ご利用ありがとうございました。またのご利用お待ちしております。」

そう深々とお辞儀されながら退出。堅苦しいけど内閣府の管理だし、まぁ仕方ないかな。

とりあえず1回家に戻ってみるか…ぶっ壊されてなきゃいいけど。




「そ、そんな偶然あんのかよ…」

なんと僕の住んでいた寮は爆発の2次被害であろう落石で物の見事に直撃していた残っている私物がないか探す為に『身体強化Ⅲ』と『探査』を発動し、せっせと瓦礫をどかしていく。ここでまた肉体労働かぁ…まぁまぁしんどいなぁ…。30分ほどかけ『探査』に引っ掛かったのは預金通帳が入った封筒のみ。

その他ゲームやバイト代で買った結構な金額がする腕時計などは全てペシャンコになったらしい。

……心がしんどい。まぁでも、通帳が無事なだけでも心労はマシか…。






「………カナ?」

ん?何か聞きなれた声が…?

「八千代先輩?」

「彼方ッ!!!!」

「うおっ!?せ、先輩!?」

「こんのバッッカ野郎!!!!!!今までどこにいたんだこの馬鹿!!!!」

「痛たたたたたたたた!?先輩!あ、頭がわ、割れる!粉々になるっ!!!!!!」

「どんだけ俺たちが心配したと思ってやがる!!半年も連絡よこさずに!」

「ご、ごめんなさいっ!!こっちもい、色々ありまして!」

「ほんとに…よく生きててくれたっっっ!!!!!!!!!」

「っ!」

「本当に…本当によく!!!生きててくれたっ……!!!!よかったなぁ…!!!」

「先輩……」


そんな先輩のすすり泣く声が真っ暗闇の夜に響き続けた………。僕も気が抜けたのかそこからはあんまり記憶がなく、次に起きた時には先輩のお店の中だった。




読んでいただきありがとうございます。

大型商業施設のイメージは幕張にあるアレをイメージしていただけると…(行った事ないけど)


彼方のスマホが壊れてるのを忘れていたので修正しました。

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