2:逃げる
回想編はまだまだ続きます。よしなに。
「...変な夢だった。」
あれか?攻略したのが嬉しすぎて夢まで侵食してきたのか?くそっ、変な時間に起きちゃったよ。
ええと、今は…深夜2時前か。...ん?なんか外が騒がしーーー
ドゴォォォォンッッ…………!!!
「!?」
は!?爆発!?
慌ててベランダに出てみると駅の辺りで結構な爆煙が上がっていた。ちょっと流石にやばいなこれ…!
すぐに動ける服装に着替え、財布、スマホ、その他もろもろをリュックに詰めて家を飛び出した。
みんなパニックになって避難場所である高校に向かっている。なんて考えてるとスマホからコール音が。
「もしもs…」
『彼方!!無事!?』
「姉ちゃん!そっちも大丈夫!?」
『あぁ…良かった…!!それより彼方、まだ家にいるの?』
「うん。姉ちゃんは本家のシェルターか?」
『えぇ。銀ノ真叔父様がすぐに入れてくれて…』
「あぁ…あの人か。なら安心だ。それと太雅や凛ちゃん、八千代先輩からメール届いてる?」
『峯くんからは届いてるけど太雅くんや凛ちゃんからは届いてない。』
「分かった、僕から一回電話してみる。そんでもって一緒に避難するよ。」
『分かったけど…彼方本当に大丈夫なの?』
「大丈夫!じゃあね!!」
『ちょっと!彼方……!!!』
ピッ…
よし、太雅は…お、メールきてる。
『こっちは無事だ。凛もな。先に避難所に行っとくぜ。』
よかった…『OK。僕もすぐ行く。』っと。
とりあえず僕も動かないと。…ってあれ?なんか妙に身体が軽いような…?まぁいいか。急いで太雅たちと合流しないと!!走れぇぇぇ!
「うわぁ!?なんださっきの…」
「明らかに人間の動きじゃなかったぜ!?」
「ちょっとコレ見てよ!?コンクリートが陥没してるわ…!」
はぁ…避難所までもう少しか?にしてもこんなにスタミナついてたっけ僕?妙に身体も軽いしまだ速く走れそうだ。………待てよ?もしかしてあの夢…いやまさかね。
とか何とか考えつつ走り続けもう少しで避難所といった所で、また別の場所で複数回爆発が起こった。
「うわぁ!?またかよ!?」
くそッ!瓦礫で進めなくなってるじゃねぇかよ!結構な道迂回して…何とか行けるか…?
Gurr…Grrraa!!!
は?
「っぶねぇ!?」
何!?電柱がへし折られたんだけど…!?てか、なんでこんな下町に狼どもがいんだよ!?近くの動物園にもこんなやついなかったし一体どういう事なんだよ…。
それよりまずどうやって逃げるんだこいつから…!とりあえずいつでも逃げれるよう身構えあの狼がまた飛び掛かってこないか警戒しつつ奴が目を離した瞬間、脱兎の如く反対方向へ逃げた!!
道は瓦礫まみれだったが最近見たこういうとこを器用に走るパルクールの動画をまだ覚えていたので早速実行してみる。...うん、どこをどう動かしたらいいかよく分かる。このまま振り切って避難所まで逃げ切れる!!
が、こっちは生身、狼どもは獣。あっという間に街外れの廃校に追い詰められた。くそっ見事なまでに誘導されてたな…僕の馬鹿野郎ッ!!校舎を背に狼が僕の目の前に一歩ずつ詰めよってくる。校舎に逃げ込んだところでもうどうしようもない…!撃退するにしても僕なんかじゃすぐ餌になっちまう。でも、それでも…やってやる!!!
読んでいただきありがとうございます。