21:第16階層攻略戦② 進め進め進め
16階層攻略開始から2日、僕らはひたすらがむしゃらに階層奥へと進み続けた。道中にはここの階層にいるはずのない高レベルの敵Mobまみれでかなり苦戦を強いられた。やっぱり攻略知識があってもゲームとはてんで違い、思考を回しつつパーティメンバーに気を配り前に出て敵にダメージを与える…ゲーム時代と比べると脳みその回転がマジで半端ない……。あっちはある程度の行動がシステムでオートメーション化されてるから負担がほぼ無かったからな…こうなるのは仕方ないっちゃ仕方ないんだけども。
「カナタ!盾役交代!!」
おっと、考え事に熱中しすぎたな。別隊のタンクさんと交代し、後衛に下がりつつ回復ポーションを服用。スキルのリキャストが終わりそうになるのを確認しつつ、攻撃役と交代する準備を整える。現状は魔法職組があと1分後に大規模な攻撃スキルを撃つ準備をしているので、それまでの間にあの『キメラパンドスケーター』の足を斬り落とす!
「先輩攻撃役交代します!カウント2、1……今っ!!」
「応っ!!!頼むぜ、カナ!!」
素早くハイタッチを交わし交代する。そして『風雷の斧』と『???ノ丸盾』を構え、暴れ狂ってる足元へ突っ込む。すると途端にヘイトが僕に切り替わり執拗に僕だけを狙い始めて来た。動きにくいけどこれならっ…!!
すぐさま〈瞬光視界〉を起動し、上から迫る前脚を盾で弾く。グラついてる隙に後脚へ斧を投擲、すぐさま『黒鉄剣』を取り出し蛮族スタイルから剣闘士スタイルにへチェンジ。そして〈オールインフルスロットル〉を起動し斧を投擲した足元へ加速する。斧がつけたであろう切り傷に黒鉄剣を突き刺し、同時に〈ストライクエッジ〉を傷内部へ撃ち込む。
「まだまだぁ!!!〈剣舞・烈風〉!」
発動したと同時にアメンボの後脚が内部への衝撃に耐えられず、付け根から爆発する。断末魔のような不協和音が響き渡るが気にせず黒鉄剣をしまい、『黒織姫』を取り出す。脚から離れ〈インフィニットジャンパー〉を起動し、身体の部分へ向け跳躍する。後衛部隊のスキル起動までもう時間がない…ならもう全部使っても大丈夫っぽいな!
「〈プライマルアーツ閃〉、〈デストラクションオーバーブレイク〉、〈スピリットルーティン〉、『性能臨界Ⅲ』!!」
電気が走るかのように身体が強化されていく。若干動きやすすぎて振り回されそうになるが〈瞬光視界〉の恩恵がギリギリ大丈夫な所で踏みとどまらせてくれてる。
「ユーリィ!!こいつを地面に這いつくばらせる!!そこに思いっきりぶち込め!!!」
「あぁ!!任せろカナタ!!!」
ユーリィ達の位置を声で認識し、アメンボの真上で角度調整。そのまま天を足場にし、真下に跳躍。一気加速し『キメラパンドスケーター』に向かいながら〈抜刀「綴」〉を起動。
「うおおおおお!!落ちやがれぇぇぇぇぇ!!!!」
コンマ数秒の刹那で、斬り伏せる。『キメラパンドスケーター』は何をされたのか認識する間もなく地面へと落ちる。そして…
「行くぞ!〈能天使ノ呼声・重力戦鎚〉!!!」
「「「我らは撃ち砕く。纏うは深緑。大地の力をもって敵を打ち払わん!!〈ガイアインパクト〉!!!」」」
すさまじい轟音と共に一帯は土煙に包まれる。次に目を開けると『キメラパンドスケーター』は跡形もなく吹っ飛んでいた。
「よっしゃ…なんとか倒せたかぁ〜!!!」
ユーリィの一声でパーティメンバーの緊張状態が解かれ全員その場に座り込む。た、確かに疲れた…。今のレベルでギリギリ倒せるかどうかの敵だったから余計に神経使った気がするな…。
「代表、今回はこの辺りで休むべきでは…」
「そうだな…カナタ、このままのペースで進んだらあとどれ位でボス部屋にたどり着けそうだ??」
「うーん…今でもかなり早いペースで攻略してるし、早くても明日にはボス部屋の前にはたどり着けそうなんじゃないかな?」
「そうか…よしっ、今日はここで一旦攻略を終了する!全員でキャンプの準備だ!!」
ユーリィがそう宣言するとアシスト部隊が結界魔法を使いここら一帯をセーフゾーンにし始めた。ほかのメンバーも防具を脱ぎ食事の下ごしらえを始めていく。
……さて、僕も手伝いに行きますか。今日のご飯はカレーだし。
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